老いも若きもゴルフファンなら10年以上、この結果を待っていたはずです。

 2019年4月14日、マスターズ史上最高のプレーヤーであるタイガー・ウッズ選手が、5度目のグリーンジャケットの袖に腕を通したのです。今回はこれまでの優勝とは異なり、最終ラウンド2位スタートからの逆転劇となりました。
 
 活動を休止していた時期もあり、ゴルフ界ではメジャー優勝どころか、ウッズ選手がプロとしてプレーを再開できるのかを危ぶむ声さえありました。しかしウッズは、やはりウッズでした…まるで2000年代前半の彼の全盛期に戻ったかのように、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは彼の優勝をもう一度と待ちわびたファンで埋め尽くされました。 最終日2位でスタートしたウッズですが、12番で首位に並ぶと15番のバーディーで単独首位に。そして16番でもバーディーを決め、2位以下を突き放して優勝をはたしましたのです。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。


 彼が前回マスターズで優勝した2005年、16番ホールでのチップインバーディーは伝説のショットとなっています。ナイキのマーケティング担当者ですら、これより素晴らしい映像は予想だにしなかったでしょう。ボールはカップの縁にしばらく(まるで10分間とも感じられるような長い間)止まり、その後カップへと吸い込まれたのです。こうして彼は、4度目の優勝を飾っています…。 
 
 そして2019年、ウッズ選手らしい粘り強さとパワーが彼に再びマスターズでの優勝をもたらしました。ここで、16番のバーディーを奪ったショットをご確認ください。

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 今回の優勝でマスターズ優勝5度目だけでなく、メジャー通算15勝目となりました。

 これは、ジャック・ニクラウス選手の18勝に次ぐ歴代2位。これこそウッズの前回優勝時以来、ゴルフファンが待ち望んでいた瞬間です。タイガー・ウッズ選手はゴルフの世界を変えた人物です。ここ30年間に生まれた人は、彼を最高のゴルフプレーヤーとして認めているでしょう。「Fan Favorite(人気者)」という言葉だけでは、彼の特別さを表しきれません。彼の前回のメジャー制覇は、2008年の「全米オープン」。その2年後に不倫スキャンダルでタブロイド紙を賑わすこととなり、ウッズ選手は試合から離れます。

 そして復帰してからも彼は、静かになったゴルフをエキサイティングで見ごたえのあるスポーツに変えたのです。そして、ガッツポーズの似合うウッズ選手とは別人とも思えました。しかし、2017年には無謀運転で逮捕された彼。その後ファンたちは、このように、再びウッズ復活の興奮が味わえるとは思えなかったことでしょう…。 
 
 変化が見え始めたのは2018年です。ウッズ選手のスウィングは以前より良くなったのです。そしてついにスランプを脱し、その年のツアーチャンピオンシップを制覇したのです。もちろんファンは、この瞬間を待っていたのですが、かつてのオーガスタでのバックナインにはまだまだ及びませんでした…。 
 
 そうして2019年4月14日、ウッズ選手の素晴らしいバックナインの攻めが再び電撃的な優勝をもたらしたのです。過去2年間、「ウッズは戻ってきたのか?」と問う声が聞こえていました。ですが、5度目のマスターズ優勝をはたした今、「いかに復活を遂げたか?」が聞かれるようになりそうです。 
 
 衰え知らずのタイガー・ウッズ選手の今後の記録更新に、ぜひとも注目してみてはいかがでしょうか? そう遠くないうちに、彼はスーパー&ミラクルショットを放ってくれることは間違いなさそうです。 

 
 

From Esquire US 
Translation / Keiko Tanaka 
※この翻訳は抄訳です。