ここで紹介するYouTubeの映像では、米海軍駆逐艦から潜水艦をハンティングする「魚雷」を発射している場面という、驚きの映像が確認できます。

 艦艇から魚雷を発射させる装置「Mk.32 3連装短魚雷発射管(TTT)」は巡洋艦と駆逐艦に搭載され、音響ホーミング式の誘導魚雷を用いて潜水艦を追跡し捕える武器になります。この「Mk.32」は空気圧を利用しています。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Torpedoes In The Water • U.S. Navy (2019)
Torpedoes In The Water • U.S. Navy (2019) thumnail
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 米海軍水上艦の最重要ミッションの1つは、対潜水艦戦です。

 冷戦期間、ソビエト海軍はその戦時下においてアメリカの空母を沈める目的、またヨーロッパと北アメリカ間の補給路を切断するために設計された何百もの潜水艦を維持していました。その結果、対潜水艦戦が最優先事項となり、ほぼすべてのフリゲート艦、駆逐艦、巡洋艦は、潜水艦をターゲットとする装備を配備するようになったのです。
 
 「Mk.32 3連装短魚雷発射管」は、対潜水艦用の射撃能力をすばやく強化するために考えられたわかりやすい方法です。このシステムには、グラスファイバーで強化されたポリエステル樹脂製の魚雷管が3本まとめて回転式に実装されていて、それぞれの弾頭には軽量対潜水艦魚雷である「Mk.46 Mod.5(S)」が搭載されています。

 その発射管は艦に沿って格納され、実弾射撃演習や戦闘中は外部に回転して出てきます。遠隔操作または「Mk.32 発射管」本体のトリガーからの指令により、圧縮された空気が爆発することで魚雷を発射管から水中へと発射するわけです。

 対潜水艦魚雷「Mk.46」は1963年に導入されて以来、ずっと改良され続けています。軽量魚雷に分類されていて、ちょうど足の幅のサイズの直径で全長は2.6メートル、重さは約45kgで爆発性の高い弾頭を持っています。比較的軽量ではあるものの、その弾頭は潜水艦の加圧された船体に致命的なダメージを与えないとしても、深刻なダメージを与えるほどに強力なのです。

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PH1 AHO
対潜水艦魚雷「Mk.46」。


 発射されると「Mk.46」は海に潜り、すぐに自ら敵の潜水艦を探し始めます。

 この魚雷は「スネーク」、または「サークル」と言われる独特の蛇行で目標捜索を開始し、零点規正に入るまで低速で移動しノイズを最小限に抑えます。そして零点規正に入ると、すぐに迎撃するためにスピードを上げるのです。

 報告によればこの魚雷は、最大で45ノット(時速83km)の弾頭速度を持ち、そのスピードは確認されているいずれの潜水艦よりも速く、1万2000ヤード(約11km)の最大射程距離を備えています。さらに最大深度1500フィート(約460m)までの潜水が可能だそうなのです…。

 「Mk.32」の発射システムは、米海軍の最も多くの艦数が存在するアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦のデッキの左舷に1つ、右舷に1つずつ、合計6つの魚雷を発射する準備ができています。

 大型のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦は、艦体の両側にある水際近くの発射ポートから魚雷を発射します。「Mk.32」が発射準備に入り、その発射ポートを旋回させるまでは通常、格納用のパネルで覆われています。
 

From POPULAR MECHANICS 
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。