パソコン用のキーボードに、「ゲーミングキーボード」と呼ばれるジャンルが存在することをご存知ですか? FPS(本人視点のシューティングゲーム)や、MMO(多人数参加型オンラインRPG)などの人気ゲームをプレイする際に、欠かせないアイテムとなっています。

 このページでは、ゲーミングキーボードの選び方を解説。赤軸・青軸・銀軸など、おすすめの「軸」や、英語配列やテンキーレスのメリットなどもご紹介します。

 さらに、ロジクールやコルセア、エレコムなど人気メーカーのおすすめ製品をピックアップ。有線だけでなく無線タイプや、安い値段で手に入るものまで、網羅してご紹介します。

ゲーミングキーボードとは?
通常モデルとの違いは何?

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 ゲーミングキーボードとは、PC(パソコン)を使うゲームをより快適にプレイするためにつくられたキーボードです。通常のタイプとゲーミングキーボードとの違いは、キーボードを押す打鍵感の良さや、長時間プレイでも疲れにくい点、同時に複数のキーを押しても全てが入力できたり、ゲームに関係のないキーを押さないようにロック機能が搭載されるなど、ゲーム用キーボードならではの配慮がなされています。

 さらに、ゲームの気分を盛り上げてくれるカラフルなLED照明や、クールなデザインも魅力的。もちろん、ゲームをしないときは通常のキーボードとしても使えます。

選び方1:有線か、無線(ワイヤレス)か?

empty blue background and a keyboard
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 ゲーミングキーボードは、通信によって入力と実行に遅延が生じない有線タイプが基本となります。しかし、0.1秒を争うようなゲームでないのであれば、ワイヤレスタイプのキーボードを選んで、ソファなどでくつろぎながらゆったりとプレイするのもアリでしょう。

有線:入力遅延がない、ゲーム用キーボードの基本

 0.1秒の差が勝敗を分けるようなゲームやeスポーツでは、キーボードの入力遅延が勝負を分けることも…。そうした遅延を限りなくゼロにできるのが、有線での接続です。事実、プロゲーマーやヘビーユーザーが愛用するキーボードも、有線接続タイプが圧倒的に多いのが事実。USBで接続するタイプが主流ですが、P/S2端子接続できる製品も少数ながら存在します。

無線(ワイヤレス):若干の遅延も。ゲームによっては使える

 無線タイプのゲーミングキーボードは、専用のUSBレシーバーを使用するものと、Bluetoothを使うものの2種類があります。どちらのタイプも若干ですが、入力の遅延が生じてしまいます。

 ただし、プレイするゲームによっては遅延が気にならないこともありますし、ソファなどに寝転んで使うのにも向いています。0.1秒を争うようなレーシングゲームや、シビアな対戦ゲームをプレイしないのなら、無線タイプのキーボードを検討するのも良いでしょう。

選び方2:使い心地と予算で選ぶ

ゲーミングキーボード
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 高性能なものは、やはり高価です。予算が1万円未満なら「メンブレン方式」を。予算が1万円以上なら「メカニカル方式」や「静電容量無接点式」も選べます。

メカニカル方式は好みの「軸」を選べる。 プロゲーマーも愛用

メカニカルキーボード
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 金属バネとメカニカル(機械式)スイッチを使った方式。スプリングが採用され、確実な底打ち感が得られます。メンブレン方式(後述します)では、一つのシートで全てのキーをカバーします。が、メカニカル方式では、一つのキーにつき一つのスイッチが割り当てられています。

 機械式スイッチには、音・反応速度・押し心地が異なる「軸」の種類が数多くあり、好みで選べます。下記を参考にしてください。

主な軸の特徴

  • 赤軸:軽いタッチで、音が控えめ
  • 青軸:重めのタッチで、キーを押すと「カチッ」と大きな音がする
  • 茶軸:赤軸と青軸の中間くらいのタッチ
  • 銀軸:軽いタッチで、キーをあまり押し込まなくても反応する

押下荷重の例(Cherry社製の場合)

  • 赤軸、銀軸:45g
  • 青軸:60g
  • 茶軸:55g

静電容量無接点式はフェザータッチと抜群の耐久性が魅力

静電容量無接点方式
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 静電容量無接点式とは、非接触方式のスイッチを採用し、スイッチの寿命が長いとされています。ラバードームと金属バネを組み合わせた独特のフェザータッチで、高速入力に適しています。ゲーミングキーボードの3つの方式の中で、最も高価です。

メンブレン方式は低価格で静か。ライトゲーマーにおすすめ

メンブレン方式のキーボード
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 回路をプリントしたフィルムを重ねた構造になります。全てのキーを、1つのシートだけでカバーしています。シンプルな構造で大量生産しやすいため、価格的に安いのが特徴。シリコンの「ラバードーム」がバネの役割を果たすので、音も静か。その反面、シリコンの弾力からくるグニャリとした押し心地が気になる方もいるようです。

選び方3:機能で選ぶ

man playing video game inside a room
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同時入力できるキーの数をチェック

 ゲーミングキーボードには複数のキーを同時に押したとき、押した順番どおりに認識する「Nキーロールオーバー」という機能が備わっています。

 少ないもので6キー、多いもので全キーの認識が同時に可能です。どんなゲームをするかで必要な数は異なりますが…。

誤操作を防ぐ機能があるかをチェック

 ゲーム中によくある誤操作の一つとして、半角/全角キーに触れたことで日本語入力になってしまい、意図したキーを入力できないケースが挙げられます。これは日本語配列で起こる現象で、英語配列では起きません。

 もう一つは、Windowsキーに触ってしまうこと。これを防ぐには、Windowsキーを無効化する機能のあるキーボードを選ぶのが一番です。購入前に確認して損はありません。

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マクロ機能があれば複数キーの同時押しが不要に

 ゲームによっては、同時に複数のキーをコマンドのように打ち込む必要があります。そんなときに役立つのがマクロ機能です。

 マクロ機能は、複数のキーの同時入力をひとつのキーで行えるもの。入力するキーは任意で設定できます。ただしゲームによっては禁止されているので、事前に確認しましょう。

マウス操作を頻繁にするならテンキーレスが有効

 数字入力に便利なテンキーですが、テンキーを必要とするゲームは多くありません。テンキーのないコンパクトなキーボードなら、キーボードにより近い場所でマウス操作ができるので、プレイが快適になります。

ゲーミングキーボードのおすすめ製品10選

 ここまでの選び方を踏まえた、おすすめのゲーミングキーボードを10点ご紹介します。

▼メカニカル方式(有線)のゲーミングキーボード▼

Logicool G Pro G-PKB-001

Logicool G G-PKB-001

G-PKB-001
¥19,178
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 Logicool(ロジクール)のこちらの製品は、人気ゲーム「PUBG」の推奨ギアにもなっている、プロゲーマーに愛用者が多い製品です。メカニカルスイッチはロジクール独自の「Romer-G」で、ロジクールの従来品と比べて25%高速な入力と、7000万回という耐久性を備えています。Fキー全てに、マクロ機能を割り当てることも可能です。

主なスペック

  • キー配列:日本語(テンキーレス)
  • 軸の種類:Romer-G(Logicoolオリジナル)
  • キー荷重:45g
  • 同時入力:26キー

Corsair K70 RGB Rapidfire

CORSAIR K70 RGB MK.2 RAPIDFIRE MX

K70 RGB MK.2 RAPIDFIRE MX

 Corsair(コルセア)のこちらのモデルは、頑強なアルミニウム筐体(きょうたい)を使い、キーボード自体の高さと奥行きを極限まで抑えた製品です。Windowsキーロック、マクロ機能、全キー同時押しに対応した基本性能の高さから、プロゲーマーにも愛用されます。4種類の軸から好みのものを選べます。

主なスペック

  • キー配列:日本語(テンキーあり)
  • 軸の種類:青・茶・赤・銀
  • キー荷重:青60g、茶55g、赤・銀45g
  • 同時入力:全キー

Razer BlackWidow Elite JP

Razer BlackWidow Elite JP

BlackWidow Elite JP

 ゲーミングデバイスメーカー「Razer(レイザー)」のキーボード、その名も「BlackWidow」。8000万回という高い耐久性を誇るオリジナルのメカニカルスイッチは、3種類から好みのものを選べます。Razerならではのクールなデザインも魅力です。

主なスペック

  • キー配列:日本語(テンキーあり)
  • 軸の種類:緑・橙・黄
  • キー荷重:50g,45g,45g
  • 同時入力:10キー

エレコム ゲーミングキーボード ECTK-G01UKBK

エレコム ECTK-G01UKBK

ECTK-G01UKBK

 コスパ重視でメカニカル方式の製品を選ぶなら、特におすすめとなるのがこちらのキーボードです。赤色LEDバックライトを備え、発光パターンは本体から変更可能。ゲームでよく使うキーにはギザギザした感触の交換用キーが付属。また、ブラインドタッチをしやすくするなど、細部までユーザーの使い勝手を考えた仕様となっています。

主なスペック

  • キー配列:日本語
  • 軸の種類:茶軸
  • キー荷重:55g
  • 同時入力:全キー

▼静電容量無接点方式(有線)のゲーミングキーボード▼

AKEEYO NiZ

AKEEYO NiZ

NiZ

 AKEEYO(アキーヨ)のこちらのモデルは、高価格の製品ばかりだった静電容量無接点方式としてはリーズナブルなキーボード。ゲーム専用ではないものの、ゲームにも対応できる性能があります。全キー同時入力可能で、付属ソフトでキーの割り当ても任意に設定できます。35gという軽いキー荷重も特徴です。

主なスペック

  • キー配列:英語84キー(テンキーレス)
  • 接続方式:USB/ワイヤレス(USBレシーバー・Bluetooth)両対応
  • キー荷重:35g
  • 同時入力:全キー

東プレ REALFORCE RGB TKL

東プレ REALFORCE RGB TKL

REALFORCE RGB TKL

 素早く正確な入力が求められる金融の現場でも愛用されるほど、ハイエンドなキーボードと言えるのがこちらの「REALFORCE(リアルフォース)」です。そのゲーム版のキーボードがこちらになります。キーが反応するまでの押し込み量を1.5mm・2.2mm・3mmから選択可能。柔らかなキータッチは、「一度使ったら他の製品は使えなくなる」と評判。日本語配列やテンキーありも選べます。

主なスペック

  • キー配列:英語87キー(テンキーレス)
  • 接続方式:USB
  • キー荷重:45g
  • 同時入力:全キー

▼メンブレン方式(有線)のゲーミングキーボード▼

HyperX Alloy Core RGB

HyperX Alloy Core RGB

Alloy Core RGB

 人気のゲーミングキーボード、「HyperX(ハイパーエックス)」の Alloyシリーズの入門用モデルです。メンブレン方式なので価格も安めに抑えられていますが、鮮やかな6パターンのLED照明やゲームモードなど機能が豊富です。上級モデルのゲーミングキーボードに引けを取りません。

主なスペック

  • キー配列:日本語
  • 接続方式:USB
  • キー荷重:―
  • 同時入力:対応

ビット・トレード・ワン ビットフェローズ BFKB108ILBK

Bit Trade One BFKB108ILBK

BFKB108ILBK

 信頼感のある手堅いつくりのキーボードが人気の「ビット・トレード・ワン」は、神奈川と東京を本拠とする日本のメーカーです。こちらは、頑強なスチール製の筐体で、なんと2000万回ものキー耐久性を誇ります。同価格帯の他製品とは一線を画す、タフなつくりが自慢です。

主なスペック

  • キー配列:日本語108キー(テンキーあり)
  • 接続方式:USB
  • キー荷重:約55g±10g
  • 同時入力:対応

▼ワイヤレスのゲーミングキーボード▼

GameSir GK300

GameSir GK300

GK300

 数少ない「メカニカル&ワイヤレス」の製品です。ブラック筐体(きょうたい)モデルは、クリック感が気持ちいい青軸を採用しています。3600mAh(ミリアンペアアワー)の大容量バッテリーを内蔵しており、長時間の使用が可能です。Bluetoothだけでなく、低遅延のUSBレシーバーでも接続できます。

主なスペック

  • キー配列:英語
  • 接続方式:USBレシーバー/Bluetooth
  • 軸の種類:青軸
  • キー荷重:約50g±20g
  • 同時入力:10キー

Corsair K83 Wireless CH-9268046-AP

CORSAIR K83 Wireless Entertainment Keyboard

K83 Wireless Entertainment Keyboard

 右手側にタッチパッドとジョイスティックが付属し、ゲームコントローラーのように使える…他ではあまりお目に掛かれないキーボードです。ソファでくつろぎながらゲームをするのにぴったりです。約40時間連続使用できるので、バッテリー残量を気にせずプレイを楽しめるでしょう。

主なスペック

  • キー配列:英語
  • 接続方式:USBレシーバー/Bluetooth
  • 同時入力:20キー

まとめ

 ゲーミングキーボードとひと口に言っても、製品によって使い勝手は大きく異なります。初心者ならまずはメンブレン方式か、安いメカニカル方式のものを購入して、プレイを重ねる中で自身が必要とする性能を明確にしていくとよいでしょう。

 中級者の方であれば、プレイするゲームの特性を理解し、キーボードに求める性能をはっきりさせることで、さらに良いゲーム結果が得られると思います。望んだ結果を手にしたときには、きっともう上級者のはずです。

 お気に入りのゲーミングキーボードと共に、最高のゲームライフを。