いつか家を買うなら、使いきれないほど大きな家が欲しいと思っていましたか？ それとも、余分なものをそぎ落としたシンプルでミニマルな生活を夢見ていましたか？ もしあなたが後者であれば、オーストラリアに住むマットさんとリサさんの自作による小さな家からインスピレーションを得てもいいかもしれません。
彼らが成し遂げたものは、論理的にはかなり偉大なことと言えるでしょう。ですが、物理的にはかなり小さいものになっています。
YouTubeチャンネル「LivingBig in a Tiny House」では、名前の通りさまざまな小さな家が紹介されています。中でも、シドニーの山岳地帯に住む2人のオーストラリア人夫妻がつくり上げた小さなホームツアーが、群を抜いて人気を集めているのです。
「8～10年ほど前、この地域で大きな森林火災が発生しました。そのせいで、この地域にあった多くの家が失われてしまったんです。その後、ここに小さな家を建てることとなりました」と、マットさんはインタビューで話しています。森の中にある敷地は、コテージを含めて600平米ほど。彼らはこれまでにないほど自然に近い暮らしをしており、コテージから見える景色は息をのむほど美しいのです。
小さな家を囲うようにつくられたテラスには、モダンなデザイン屋根がついており、十分なスペースがあります。「小さな家に住むのであれば、外にたっぷりとスペースをとるのがコツですね」とマットさんは言います。テラスにはラウンジセットやゴミ箱、大きなバーベキュースペースまでそろっています。
しかし、インタビューは消極的な意見から始まっています。それは、「多くの方が彼らの家のような小さな家に住み慣れているわけではない」という理由からです。特にオーストラリアでは…。マットさんたちの家のサイズは輸送用コンテナが積み重なっているようなもので、そのサイズはわずか9 × 8 × 14mになります。
「黒い色が好きなんです」と話すマットさんの家は、黒色で統一されています。「それに、この黒い家はまるで森林火災が起きた地域の残骸と混ざりあってみえるような気がするんです」と、マットさんは続けて話します。マットな黒は、クールでモダンな印象を与えています。
家の後ろには、マットさんたちが飼っている2匹の猫のための広々としたゲージがあり、トンネルで家へとつながっています。猫用のドアも設置されており、そこを通ると猫たちのフードボウルへとたどり着きます。
家の中に入るとすぐに、驚くほど天井の高いリビングルームが広がっています。小さい家では、かなり珍しいつくりと言えるでしょう。遮（さえぎ）るものがないので、光が理想的にさしこみ、部屋も広く見えます。ソファの上には巧みにつくられたランプがかけられており、ソファの向かいの壁は壁が埋まるほど大きなテレビのスクリーンがかけられています。そしてソファの横には、暖炉も備えつけられています。
キッチンは十分なスペースがあり、大理石のカウンタートップと金色の蛇口が特徴的です。オーブン、食洗器、冷蔵庫などのほとんどの電化製品は階段の下にぴったりと収まっています。
マットさんは、バスルームの貿易メーカーの仕事をしており、小さな家でもバスルームには妥協が見られません。森を見下ろすダブルシャワーと、大きなバスタブを備えた豪華な外観となっています。
この小さな家の最上階には、家の端にある2つの2階エリアを結ぶ小さな踊り場があります。片方にはマットさんとリサさんのベッドがあり、もう一方にはリサさんがときどきくつろぐセカンドベッドがあります。
マットさんは謙虚な姿勢で、「家の大部分は自分で建てた」と言います。また、「このプロジェクト全体の費用は8万～9万ドルほどかかった」とのこと。リサさんにとってこの家は、「夢の実現」であり、マットさんにとっては「成果」だと話します。2人共この家にはとても満足しており、幸せに暮らしている様子がうかがえます。それは見ているだけで、幸せのおすそ分けをしてらったようで明るい気持ちになれます。
そんな2人のタイニードリームハウスの全容を、下の動画でぜひご覧ください。
Source / ESQUIRE NL
