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街中での移動に自転車を使う方が増加すると共に注目を集めているのが、サイクルコンピューターです。さまざまな機能があり、利便性の向上と新たな自転車の楽しみ方が広がると人気です。
このページでは、サイクルコンピューターの基本的な仕組みや機能を解説します。また人気の2大メーカー、キャットアイ(CAT EYE)やガーミン(Garmin)などの中から、おすすめ製品もご紹介します。
サイクルコンピューターとは?
サイクルコンピューターとは、自転車に取り付ける小型のコンピューターのこと。自転車走行時に速度や走行距離、心拍数やペダルの回転数などを表示・記録する機能があります。最近ではカーナビのように道を案内してくれるナビゲーション機能が付いたり、スマホを経由してSNSでのデータ共有機能など、多機能になりつつあります。
「サイコン」とも略称されることもあり、自転車を趣味とする方や自転車競技用のトレーニングにも重用されてきました。が、近年では低価格化&多機能化もあり、より幅広く使われるようになっています。
サイクルコンピューターの5つの主な機能
速度と距離を測定する機能は、ほぼすべてのサイクルコンピューターに搭載されています。測定はセンサー方式とGPS方式の製品があるので、測定方式も確認して選びましょう(測定方式の特徴は後述します)。
バンド型の心拍センサーを胸から腹部のあたりに巻き、無線を介してサイクルコンピューター本体に心拍数を送信します。心拍センサーが付属する製品と、別売りとなっている製品があります。
なお「ガーミン」のように、腕時計型ウェアラブルデバイスをつくっているメーカーの製品では、心拍データをサイクルコンピューター本体に送って表示できる場合があります。
GPSによる、ナビゲーション機能を搭載するサイクルコンピューターもあります。これならカーナビのように使えて、知らない道でも迷うことなく走ることができるでしょう。またルートの設定は、事前にスマホで行うことができるので、走行中にスマホを操作する必要もありません。
高価な製品になると地図が表示されますが、低価格の製品では地図が表示されません。その場合、曲がる方向と曲がり角までの距離を表示することが多いですが、ゴール地点の方角と直線距離のみ示す製品もあります。
ケイデンスとは、1分間に回転するペダルの回数を示す数値のこと。ケイデンスに気をつけて走ると、適切なギアチェンジができるようになり、長時間乗っても脚が疲れづらくなることが期待できます。
測定方式は2通り。1つが、クランク(ペダルがついている柄の部分)にセンサーを取り付けて測定する方式。もう1つが、クランクにマグネットを取り付けて車体側のセンサーで読み取る方式です。
ケイデンスの表示させたい場合は、「サイコン本体がケイデンス測定に対応していること」と、「センサーが同封か別売りか」を確認しておきましょう。
Bluetoothでスマホとつなぐことで、サイコンのデータをアプリに転送できる製品もあります。走行したコースや心拍数などのデータを後から確認できるので、パフォーマンスの振り返りに役立ちます。
PCからもデータを見られる製品なら、より本格的なトレーニングの分析も可能です。アスリートに人気の「Strava」のように、アプリと連動できる製品もあるので気になる方は事前にチェックしておきましょう。
距離&速度の測定方法は2タイプ
サイクルコンピューターの測定方法を解説します。大別して2通りの測定方法があり、それによって取り付け方にも若干の違いが生じます。
スマホやカーナビでも使われる「GPS(衛星測位システム)」で、速度や距離を測る方法です。この測定方式タイプの良さはセンサーと磁石の取り付けが不要で、購入してすぐ使える手軽さにあります。
自転車のホイールに、パーツを取り付けて測定する方法です。センサーとサイクルコンピューター本体の接続は、ほとんどの製品がワイヤレス(無線)になっています。
センサーには2通りの方式があります。1つ目がホイールに磁石を取り付け、車体にセンサーを取り付けることで、磁石がセンサーの横を通り過ぎる回数を測定する方法です。この方式はシンプルかつリーズナブルです。
2つ目に、加速度センサーを車軸に取り付ける方法です。やや高価ですが、ゴムバンドで巻きつけるだけで手間が少なく、振動でズレにくいなどの利点があります。
サイクルコンピューターの取り付け方法
本体をワンタッチでセットできる「マウント」が同梱されています。これを付属のベルトでハンドルバーに取り付ければ、本体の取り付けは完了となります。GPSで速度や距離を測るタイプは、ここまでの作業で終わります。
センサー類が付いているタイプは、付属の結束バンドやゴムバンドで取り付けます。磁気センサーで使う磁石を、ホイールのスポークやペダルのクランク部に取り付けます。
サイクルコンピューターの人気の2ブランドを紹介
キャットアイ(CAT EYE)
1954年に日本で創業した「キャットアイ」。リフレクター、自転車用ライト、サイクルスポーツ用コンピューターなどに特化した自転車部品メーカーです。同社の自転車メーター「サイクロコンピュータ」は、高い技術力と洗練された使用感で世界中から高い評価を受けています。
プロレーサーから一般ユーザーまでのニーズに合わせて、クラスに応じた使い勝手を提案。幅広いラインナップを充実させています。
ガーミン(Garmin)
1989年設立の「ガーミン」。本社はアメリカに構えています。約30年前に航空業界に最先端のGPSナビゲーション製品をリリースしたことで台頭。
その後、GPS技術を徐々に拡大させ、現在ではウェアラブル製品へと組み込み、航空、海洋、自動車、アウトドア、フィットネス分野へと拡大しています。
サイクルコンピューターのおすすめ7選
キャットアイ(CAT EYE) VELO WIRELESS+
速度・距離・消費カロリー表示に絞った、シンプルなサイクルコンピューターです。リーズナブルな価格と、老舗のキャットアイならではの信頼感から多くの支持を受けています。
フロントフォークに取り付けるセンサーとサイクルコンピューター本体の間の配線が必要ないので、通販で買っても簡単に取り付けることができるでしょう。サイコン入門用として、最適と言えそうです。
- 測定方法:非接触磁気センサー
- 測定できるもの:速度、距離、走行時間、時刻、消費カロリー他
キャットアイ(CAT EYE) PADRONE DIGITAL CC-PA400B
1万円未満で、ケイデンスセンサーが搭載された人気のサイクルコンピューターです。初期設定はBluetoothに対応したスマホからでも可能。センサーと本体の間に配線は不要で、心拍センサーも追加可能となっています。
後輪とクランクにマグネットを、後輪横のチェーンステーにはセンサー本体を取り付ける仕組みなので、取り付け作業にはやや手間が掛かるかもしれません。ですが、シンプルな構造で信頼性に優れ、コスパも優秀なサイコンです。
- 測定方法:非接触磁気センサー
- 測定できるもの:速度、距離、ケイデンス、心拍、走行時間、時刻、消費カロリー他
- 特記事項:ケイデンスセンサー付き、心拍センサー対応(別売り)
ガーミン(Garmin) edge 130
ガーミンの中で最も安価なサイコンで、日中の屋外でも見やすい白黒液晶を採用しています。車軸に取り付ける速度センサーが付属しますが、GPSだけでも速度・距離の測定が可能です。
簡易ナビ機能は曲がり角のみの案内で地図は表示されませんが、GPSなど4衛星をキャッチする位置精度の高さは好評です。スマホの専用アプリではナビに表示するコース設定のほか、各種走行データの確認も行えます。
- 測定方法:加速度センサー+GPSセンサー
- 測定できるもの:速度、距離、ケイデンス、心拍、走行時間、時刻、カウントダウン機能、他
- 特記事項:ケイデンスセンサー対応(別売り)、心拍センサー対応(別売り)、簡易ナビ機能(曲がり角を表示)
ガーミン(Garmin) edge 830
ガーミンを代表する大ヒットサイクルコンピューターです。速度 & 距離・ケイデンス・心拍センサーが同封され、それらのデータから最適な運動量を導き出します。身体の状態を考慮した、効率の良いトレーニングが可能となるでしょう。
ナビには昭文社の地図データを使用。4衛星を使った測位システムによる、正確な案内が可能となっています。フルカラー大型液晶は見やすく、専用アプリ経由でアスリートに人気の「Strava」アプリとの連携も可能です。
- 測定方法:加速度センサー+GPSセンサー
- 計測できるもの:パフォーマンス解析、速度、距離、ケイデンス、心拍、走行時間、時刻、他
- 特記事項:ケイデンスセンサー対応、心拍センサー対応、ナビゲーション機能
ブライトン(BRYTON) RIDER 15 NEO
ブライトンのエントリーモデルであり、GPSなど5つの衛星で速度・距離測定が行えます。精度には定評がありますが、別途、速度・距離用のセンサーをBluetooth接続で追加することもできます。
スマホの専用アプリと連携して、走行ログやデータを「Strava」などのSNSで共有することも可能。そういった使い方をしたい場合は、この製品を選べば初期費用をグッと抑えられるでしょう。
- 測定方法:GPSセンサー(速度センサー追加可能)
- 計測できるもの:速度、距離、ケイデンス、心拍、走行時間、時刻、高度、気温、 他
- 特記事項:ケイデンスセンサー対応(別売り)、心拍センサー対応(別売り)
ブライトン(BRYTON) Rider420
ブライトンの実力派モデルで、簡易ナビ付きのモデルです。地図は表示されませんが、曲がる場所と方向を示して目的地まで案内してくれます。速度と距離の測定はGPS方式になっています。
表示可能なデータが80種類以上と多いため、スマホの専用アプリからデータ表示をカスタマイズ可能。センサー類は付属しませんが、セットになったパッケージも販売されているので必要に応じて選べます。
- 測定方法:GPSセンサー(速度センサー追加可能)
- 測定できるもの:速度、距離、ケイデンス、心拍、走行時間、時刻、消費カロリー、高度、気温、他
- 特記事項:ケイデンスセンサー対応(別売り)、心拍センサー対応(別売り)
ブライトン(BRYTON) Rider 750
フルカラーのタッチスクリーンを搭載した、ブライトンの最上級モデルです。オープンデータ地図「Open Street Maps」を使うことで、価格を抑えつつ地図付きのナビを実現しています。
センサー類は別売りですが、センサーを追加した場合は自動でつながります。サイコン本体には自転車を3台まで登録できるので、1台目はセンサーあり、2代目はセンサーなしといった使い方もスムーズです。
- 測定方法:GPSセンサー(速度センサー追加可能)
- 測定できるもの:速度、距離、ケイデンス、心拍、走行時間、時刻、消費カロリー、高度、気温、他
- 特記事項:ケイデンスセンサー対応(別売り)、心拍センサー対応(別売り
まとめ
サイクルコンピューターにGPS機能が搭載され、しかも、それが低価格したことで、近年は通販で気軽に買ってすぐに使えるようになりました。
ロードバイクのような本格的な自転車を持っていなくても、サイクリングの際にサイクルコンピューターがあると楽しみが広がります。この記事を読んで、気になった製品があれば、ぜひひとつ購入して自転車ライフに彩りを添えてください。