金沢の街に溶け込み、中庭に開いたホテル

「金沢の台所」と称される近江町(おうみちょう)市場のほど近く、人々の生活が感じられるエリアに「THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA(ザ ホテル山楽 金沢)」はあります。もともとこの場所には、2014年まで金沢郵便発祥の地である日本郵政金沢ビルがあり、ホテルの建物はそのイメージを色濃く引き継いだものとなっています。

ホテルから道をひとつ渡るとすぐに近江町市場があり、金沢城公園までは歩いて3分ほど。兼六園やひがし茶屋街もそれぞれ10分ほどと、金沢観光には便利な立地です。

the hotel sanraku kanazawa
THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA
街中とは思えないほど、空間的な広がりを感じさせる中庭。郵政建築の特長である「庇(ひさし)」を受け継ぎ、街に溶け込むようにたたずむ姿には歴史ある金沢の街への敬意が感じられます。

エントランスを入ると、正面には滝のある中庭が。ホテル周辺は建物が密集し、また20mの高さ制限があることから眺望も望めないため、中庭を設けることで四季の移ろいが楽しめるよう工夫されています。中庭の滝や木々が最も美しく見える2F、3Fには、スイートルームが位置します。最上級のゲストルームを低層階に設けるホテルはめずらしく、この中庭の景色こそがホテルの特等席であることを物語っています。

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Eisuke kurashima
エントランスを入ると正面には6段の滝。120坪の中庭を設けており、客室からも四季折々の情景を楽しめます。
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Eisuke kurashima
和の趣に満ちたロビーフロア(写真上)。廊下には多くのアート作品も。

エントランスを進むと、鮮烈な「朱」と「金」に彩られたレセプションが姿を現します。ロビーに並んだ印象的なパーテーションは「組子(くみこ)細工」を、レセプション左右にあるガラスの壁は「加賀友禅」をイメージしたもの。こうしたモチーフは、レストランのインテリアや各フロアの至るところに見られ、加賀の伝統を想起させる趣に満ちた空間となっています。

優雅な時間が流れる特別なラウンジ

宿泊した部屋は、「プレミアラウンジKANAZAWA」へのアクセス権がついたクラブルーム。スイートルームとともにラウンジでのチェックインが可能となっており、飲み物をいただきながらゆったりと手続きができます。

「プレミアラウンジKANAZAWA」は、北陸のホテルでは極めて珍しい本格的なクラブラウンジで、ホテルメイドの軽食や焼き菓子、ソムリエが選んだワインや地酒などを14時から21時の間いつでも自由に楽しめます。

the hotel sanraku kanazawa
THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA
クラブルームとスイートルームの宿泊者は、「プレミアラウンジKANAZAWA」でチェックインできます。ゆったりした時間が流れる空間でお酒やスイーツをいただいたり、優雅な隙間時間を楽しむことも。客室でもない、ロビーでもない、余白とも言える特別な空間が滞在の満足度を上げてくれます。

14時~17時からはカフェタイムなので、チェックイン後すぐにお茶を楽しむのもおすすめです。ホテルの専属パティシエ特製のケーキが提供されるほか(宿泊した日は実に8種類ものケーキが提供されていました)、ロンネフェルトの紅茶やスパークリングワインも楽しめます。

17時からはカクテルタイムです。郷土料理の「笹寿司」や「金沢おでん」、お酒に合う前菜やシャルキュトリーが並び、ワインやウイスキー、スピリッツなども用意されます。用意された料理はどれもおいしく、あまりの充実ぶりにラウンジの外で食事をするタイミングを失ってしまうほどでした。

ホテル全体に行き届いたゲストへの気配り

ゲストルームの広さは32平方メートルが基本となっており、スイートルームはその倍の66平方メートル。トリプルルームのほか、まだ金沢では数が少ないというコネクティングルーム(4名~6名まで利用可能)もあり、家族や友人などでの旅行にも重宝しそうです。

今回宿泊したクラブルームは中庭に面したお部屋で、寝心地のよいベッド2台と、広々としたバスルーム、さらにリラックスできるカウチソファと、PCを広げて作業できるデスクがちょうどよい間隔で配置されています。無駄に広すぎず、かといって狭さは微塵も感じられない居心地のよい空間でした。

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THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA
今回宿泊した、中庭に面したツインのクラブルーム。各ゲストルームには大きな屏風(びょうぶ)が飾られていますが、絵柄は部屋ごとに異なります。

各ゲストルームには、九谷焼の茶器とコーヒーマシン、「上林(かんばやし)金沢茶舗」の緑茶、紅茶、加賀棒茶が用意されています。このお茶はどれもおいしく、食事の後や就寝前にひと息つくのにぴったり。雨の多い金沢の気候を考慮して、靴用の乾燥機を備えているのも特筆ものです。部屋でのんびり過ごしながら靴を乾かせる配慮は、ほかのホテルではなかなかみられません。

そうした細やかな心遣いは、ホテルのスタッフからも感じられました。プレミアラウンジではさりげなく言葉をかけてくれるスタッフが多く、宿泊客とホテルのスタッフが談笑している様子を何度も見かけました。ホテル内ですれ違ったスタッフに何度か質問をしましたが、誰もが大変丁寧に受け答えをしてくれたことが印象的です。

おいしい食事があるから、ずっとここに居たくなる

THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA を語るうえで忘れてはならないのが、「食」です。オールデイダイニングである「金沢ダイニング きざはし」と、お酒とお茶が楽しめる「ロビーラウンジ &バー セゾン」の2つで、朝食、ティータイム、そしてディナーから深夜のバータイムまでカバーします。

「金沢ダイニング きざはし」は、シェフが目の前で調理してくれるライブキッチンを備えるほか、個室が3つ用意されています。気のおけない仲間との食事や、小さな子ども連れでの食事でも、個室を予約することで気兼ねなく楽しめそうです。

the hotel sanraku kanazawa
THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA
「金沢ダイニング きざはし」ではビュッフェスタイルの朝食から、金沢の郷土料理をベースにした豪華ディナーまでを楽しめます。食事の後は、グランドピアノのある「ロビーラウンジ &バー セゾン」へ。
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THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA
「能登牛 金塊スタイル」はステーキを金粉で巻いた名物で、濃厚な能登牛に生わさびを添えていただきます。刺し身は料理人自らが近江町市場で仕入れたもの。北陸の厳しい冬が生むおいしい魚が楽しめます。

今回の滞在では、特別なディナーコースとホテル自慢の朝食ビュッフェをいただきましたが、そのどちらも大変に素晴らしいものでした。

ディナーコースでは、金沢の郷土料理の“かぶら寿司”や北陸ならではの高級魚“のどぐろ”、料理人自らが近江町市場で仕入れた刺し身や寿司、きざはしの名物でもある「能登牛 金塊スタイル」などをいただきました。どのお料理もおいしいく、さらに盛りつけも美しく、舌と目の両方で楽しめるものばかりでした。

そして朝食ビュッフェは、レストランがオープンする7時からゲストが列をなす人気ぶり。特に和食が充実しており、金沢の名物である治部煮や金沢おでん、金沢カレーなどが中央に並ぶほか、揚げたての天ぷらや目の前で職人が握ってくれる寿司などを思う存分楽しめます。さらにゲスト全員に提供される前菜や、出汁(だし)のきいたみそ汁をはじめ、細部にまでまんべんなく手が掛けられていることが感じられ、THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA が朝食を大切にしていることがひしひしと感じられました。

もちろん、和食だけではありません。洋食も充実しています。シェフが目の前で焼いてくれるオムレツや、焼き立てのワッフルやホテル自慢のふわふわのフレンチトースト、そして色とりどりの野菜まで、胃袋がいくつあっても足りそうにないほどの充実ぶりでした。しかも追加料金なしで、朝からスパークリングワインも楽しめます。とても1泊だけでは味わいきれない、特別な朝食となっています。

the hotel sanraku kanazawa
THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA
朝食には「金沢おでん」や「治部煮」、「金沢カレー」などの金沢名物が並ぶほか、焼き魚や天ぷらも。職人がその場で握る寿司カウンターは、多くのゲストでにぎわっていました。

旅に出る理由になるホテル

THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA の目指すものは、ホテルそのものが旅の目的となるディスティネーションホテルです。

おいしい料理と、ホスピタリティにあふれたスタッフ、そしてリラックスできるラウンジとゲストルームと、ここを目指す理由はいくつもあります。きっと、このホテルに泊まった人の多くが「帰りたくない」と思うはず。

特に計画を立てず、心の向くままに金沢を訪れ、四季を感じる。きっと心も身体も満たされる旅になることでしょう。THE HOTEL SANRAKU KANAZAWAなら、その期待にきっと応えてくれるに違いありません。

●問い合わせ先
THE HOTEL SANRAKU KANAZAWA
TEL. 076-222-8077

公式サイト