遠くへ出かけたくなる
気負いのないバイク

谷垣さんは初めての大型バイクに、イギリス発祥のオートバイメーカーであるロイヤルエンフィールドの「スーパーメテオ650」を選びました。ミドルクラスのクルーザーとして、評判のいいモデルです。

「聞いたことのないブランドだったので、評判を確かめるつもりで試乗したのですが、走り出してすぐに気に入りました」 

それはエンジンやサイズ感、あるいは乗り心地でしょうか

「好印象だったのは、マンションの駐車場で扱いやすそうなサイズと重量感でした。体力に自信があるわけでもないので、教習所のバイクより押し引きが楽というのがうれしかった。シートの座り心地もよくて、教習所とは大違いです(笑)」

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Toshiki Kobayashi
スーパーメテオ650に乗り出した谷垣勝士さんは、いわゆるリターンライダー。2022年に大型免許を取得して、およそ20年ぶりのバイクライフを過ごし始めたそうです。リターンのきっかけは、「キャプテン・アメリカやマトリックスといった映画でバイクの疾走シーンにしびれたもので」とのこと。バイクでしてみたいことは、「タンデムツーリングに出かけたいのですが、家内はあまりいい顔をしてくれないんです(笑)」とのこと。

クルージングをしてみての印象はいかがですか。

「自宅からここ(小湊鐵道の上総鶴舞駅)まで1時間ちょっとの距離ですが、とても快適です。ポジションは無理がないし、エンジンも妙にうるさいわけでもありません。もっと遠くへ出かけてみたいのですが、ここらへんで気動車をのんびり眺めているのが好きなもので(笑)」

のんびり」ということは、「バイクにエキサイティングな走りを求めていない」ということですか。

「そうでもありません(笑)。スーパーメテオは飛ばせば飛ばしたで、しっかり応えてくれます。コーナリングやブレーキングでも不安なところは感じませんから、時にはスピードを楽しんでいます」

小湊鐵道の沿線は格好のワインディングロードもあるので、スーパーメテオ650にはちょうどいいコースだそうです。

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悪目立ちをしない
上品なサウンド

スーパーメテオ650のフレームは、レーシングシーンを席巻したスペシャリスト、ハリス・パフォーマンスによる設計。それゆえ、「快適なポジショニングとクルーザーらしからぬ俊敏な身のこなしを両立した」とされています。(現在は、日立アステモのブランドである)ショーワ製のSFF-BP倒立フォークや、ブレンボのディフュージョンブランドであるBYBREの強力なブレーキも含め、並のクルーザーでは考えづらいほどの装備。それでいて100万円を下回るプライスタグには、並み居るバイクブランドが戦慄を覚えたに違いありません。

「『手に入れやすい』というか、家内を説得しやすい値段だったことも購入理由のひとつかもしれません(笑)。ですが、このグリーンとブラックのツートンカラーにグッときました。同じような値段でここまでスタイリッシュなバイクは、ついに見つかりませんでしたからね」

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Toshiki Kobayashi
上総鶴舞駅は駐車場もあるので、よく立ち寄る場所だそう。「無人駅なので、時間を選べばひとりでボーっとできるんです」と頰を緩める谷垣さん。

ボディカラーだけでなく、クロームパーツの質感や組上げの精度も高く、全体的にワンクラス上の存在感を漂わせています。

「存在感と言えば、スーパーメテオ650の排気音はうるさすぎることもなく、一方で高速道路などではリズミカルなビートを伴ったサウンドなので気に入っています。マンションの駐車場は排気音が響きやすいので、主張しすぎない音というのもうれしいところでした」

小湊鐵道ツアーのほかに、ツーリングの計画はありますか。

「郷里が兵庫県の丹波篠山市なので、バイクで帰るというのを考えています。何百キロとありますが、スーパーメテオ650なら頑張れるような気がします。長距離ツーリングの夢が広がるなんて、本当に楽しいバイクですね」 

どうやら、谷垣さんは理想的な相棒に巡り合えたようです。

今月の1台
ROYAL ENFIELD
SUPER METEOR 650

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Toshiki Kobayashi
ロイヤルエンフィールド スーパーメテオ650 【SPEC】エンジン:空冷4ストローク並列2気筒SOHC 4バルブ、総排気量:648㏄、最高出力:47PS/7,250rpm、最大トルク:52.3Nm/5,650rpm、全長 × 全幅 × 全高:2,300 × 890 × 1,155mm、車両重量:241kg、シート高:740mm、燃料タンク容量:15.7L(すべてツアラー/インターステラーグリーン)

ロイヤルエンフィールドは現在、インドを拠点に年間80万台以上のバイクを製造・販売する世界的メジャーブランド。同社で実績あるパラツインエンジンを、傘下のレースフレームスペシャリスト、ハリス社による専用フレームに搭載。上質でありながら現実的な価格でリリースされたクルーザーモデルで、谷垣さんが乗るスタンダードに加え、ツーリングスクリーンやバックレスト付きシートを備えたツアラーの2タイプが発売されています。

近頃では珍しくなった、センタースタンドを標準装備。メンテナンスの際はもちろん、バランスよく荷物を積むのに役立ちます。

価格:99万8800円。

●問い合わせ先
ピーシーアイ
公式サイト

「ツーリングの夢を大きく
広げてくれる相棒です」

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空冷エンジンは足元の熱が悩み。ですが、「真夏に乗ってもデニムでいけるくらい」と、このエンジンはさほど熱くないそうです。
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インターステラーグリーンと名付けられたツートンはつややかな仕上がりですが、ロイヤルエンフィールドはカラバリが豊富なことも有名で、ほかに数種のカラーがラインナップします。
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右のメーターはスマホアプリと連携する簡易型ナビ「トリッパー」で、標準装備されています。
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メジャーブランドを投入した足回りは、快適で安心の走りをもたらします。
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座りやすそうなシートは低反発素材が仕込まれているため、長時間のツーリングでも「疲れたり、ましてや痛みを感じることはまったくありません」と谷垣さんも太鼓判。

Photograph / Toshiki Kobayashi
Text / Hiroshi Ishibashi
Edit / Kazuyuki Okumura

※メンズクラブ2023年11月号掲載

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Vol.1 HONDA CB650R
Vol.2 KAWASAKI Ninja H2 SX SE+
Vol.3 SUZUKI GSX‐S750 ABS

Vol.4 INDIAN SCOUT ROUGE

Vol.5 INDIAN PURSUIT DARK HORSE
Vol.6 Benelli Imperiale 400

Vol.7 Royal Alloy GP125, Fantic Caballero 500explorer
Vol.8 DUCATI DESERT X

Vol.9 DUCATI MULTISTRADA V4S

Vol.10 TRIUMPH TRIDENT 660