テレビやYouTubeなどで、股間を攻撃される男性を見て笑ってしまうことには理由がありました…。

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Why It's So Hilarious to See Other Guys Get Kicked In the Balls 

 2010年のことです。25話のリアリティショーをもとに製作された『ジャッカス 3D』という映画が、公開初日の週末だけで5000万ドルを稼ぎ出しました。

 この映画でもっとも有名なのは、「ティーボール(Tee Ball)」と呼ばれるシーン。これはパンツ一枚で立っているキャストのスティーヴォーが、別の男性がティーバッティングで打ったボールを股間に当てられるという痛々しいシーンです。

 この映画を男性数人で見た場合、この「ティーボール」の映像は間違いなくもっとも大きな笑いが巻き起こるシーンの1つでしょう。しかし男性にとって、股間に攻撃を受ける痛みは想像を絶するものです。しか~し、自分以外の男性が股間を攻撃されたときに、なぜか私たちは大笑いしてしまうのです。それはなぜでしょう? …と、ふと疑問に思った方も少なくないでしょう。

 先に言っておきます。人が痛めつけられているシーンを見て、つい笑ってしまう皆さん。そして、そんな自分を反省している皆さんへ、「あなたは決してソシオパス(社会病質者)なんかではありません」と断言しておきましょう! そこには…(次ページにつづく)

他人が股間を蹴られる瞬間を見ると
なぜ大笑いできるか理由を解析

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
映画『ジャッカス3D』海外版予告編(字幕)高画質
映画『ジャッカス3D』海外版予告編(字幕)高画質 thumnail
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「もっとも大きな理由は、男性なら誰しも“キン的(男性の股間への攻撃)”の苦しみをよく知っているからです。そのため、男性は他の男性が股間を攻撃されそうなところを見るだけで、緊張感が高まります。その男性のことを心配せずにはいられないわけです。そして、ついにその彼が攻撃を受け、そのダメージが深刻なものではなかったことが分かると、緊張を解くために笑いがこみ上げてくるのです」と、臨床心理学者のリチャード・シュスター氏はポッドキャスト番組『デイリー・ヘルピング』のなかで語っています。

「大怪我にも繋がりそうなクレイジーな行為を見ているとき、人は緊張感が高まってしまうものです。こういった痛そうな行為が終わったときに覚える笑いの感情は、『怪我をするのではないか』という心配が、とりこし苦労に終わった安心感から来ているのです」(シュスター氏)

 また、理由は他にもあるそうです。

 シュスター氏は「『ジャッカス』のような映画では、馬鹿らしさを感じるため、人々はすぐに笑ってしまうんですよ。製作者たちは自分たちの行為に大きな期待感をもたせますからね。もし同じようなことが、映画ではなく現実の目の前で偶然起こったのなら、心を痛めることになるでしょう」、と語っています。(次ページにつづく)
 

距離感があるからこそ
「画面の向こうのこと」として笑える

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 また、アメリカの人気テレビ番組『アメリカズ・ファニエスト・ホームビデオ』などでよくある偶然の“キン的”は、「不調和説(incongruity theory)」というユーモアの理論で説明できるとシュスター氏は主張します。 

 
 これは、私たちが期待を裏切られたときに感じる面白みに近いものであり、こういった感情は、ボールが股間に直撃するのを視聴者が待っているティーボールのような茶番とは異なっています。

 たとえば、父親がバットを持った息子にプラスチックのボールを投げるシーンを思い浮かべてみてください。普通は子供が空振りをしたり、トンチンカンな方向にボールを打ってしまうようなことは予想をする方がほとんどではないでしょうかする。誰も父親が、地面に崩れ落ちるようにうずくまる光景など予想しないはずです。

 そんな状況で子供は見事にボールをヒット。そのボールが父親の股間を目がけて、一直線に飛んでいく…こんなときに不調和からの笑いがこみ上げてくるわけです。

 またシュスター氏は、こういった笑いにおける距離感の役割についても指摘しています。

 たとえば股間にボールの直撃を受けたのが、たまたま隣を歩いていた男性であった場合と、テレビやYouTubeのなかの男性であった場合では、後者(テレビやYouTube)の方が大笑いできるのです。その理由は、「そこに距離感にあるからだ」と説明します。

 こういった距離感は、ある経験に関する現実味をなくし、視聴者に安心感を与えます。

 距離感があるからこそ、人々は「画面の向こうのこと」として笑うことができ、自分が危険にさらされている可能性を心配しなくていいという訳です。(次ページへつづく)

最後に、こういった笑いには
米国の文化も関係しているよう。

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she's the man funny soccer scene
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「ユーモアに関する研究によれば、米国人は、よりドライなユーモアを好む英国人に比べて、こういった攻撃的なコメディを好む傾向にあることが示唆されています」と、シュスター氏は話します。そのためほとんどの場合、股間へのボールの直撃を笑ってしまったとしても、自分がイヤな奴なのではないかと心配するようなことはありません。

 しかし、ドクター・オンデマンドの臨床心理士であるジョン・メイヤー氏(シンガーのジョンとは別人です)によれば、そこには超えてはならない一線もあるといいます。

「強迫観念にとらわれるようになったら、それは異常です。つまり、人々が痛みに苦しむ姿を楽しみにし、これに夢中になるような状態は異常だということになります」とメイヤー氏は語ります。

さらにメイヤー氏は、「そういった状態になったいるのなら、医師の援助が必要になるカテゴリーに入る可能性もあります。痛みに満ちた瞬間を見たとき、友だちがまったく笑っていないにも関わらず、あなただけ大笑いしているとしたら、少し笑いを抑えるといった配慮が必要でしょう」と。

 
 その他、危険な兆候としては…。

 あなたがもし、周りの人の意図をまったく汲み取れないような場合には、危険な状態かもしれません。そのときはぜひ、ご自身の行動と心理状態を振り返ってみてください!

 
※最後までお読みいただきありがとうございました。

 
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