人生の大半をアスリートとして過ごしてきたジェイコブ・モールさんですが、「本当に大切なものは、キッチンで得られるもの(食事こそが大事なもの)」という考えを受け入れられるようになったのは30代になってからでした。食事とトレーニングの調和がとれていないと、見た目も中身もベストではなくなってしまいます。

そしてモールさんが自身の食事プランを見直し、マクロ管理法(*)によって日々の献立を設定。その上で定期的に「パワーリフティング」の練習をするようになると、結果はすぐに出始めました。その過程をここでご紹介します。

この努力の結果、「2021 NPC ALL SOUTH MUSCLE CHAMPIONSHIP」に出場した彼は見事な肉体美を披露しています。しかし彼の挑戦は、まだまだこれからです。

*マクロ管理法とは…3大栄養素とも呼ばれる「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」は、人間の身体になくてはならない栄養素と言われて。マクロ管理法では、必要摂取量の多いこの3つの栄養素をどれだけ食べるべきなのかを身長や体重、活動量などから割り出し、実行するという食事管理方法になります。


◇ボディビルダーになるまでの道のり

いま私(モールさん)は34歳なので、10年前のことになります。24歳までは私は、単に運動好きのアスリートでした。競技が好きで、いつもジムに通っていました。けれども、食生活は無頓着で最悪でした。「パワーリフティング」を競うための力をつけるため、手に入るものは闇雲に何でも食べていたという感じです。

たくさん食べた後でも、キャンディーや甘い炭酸飲料をつまみ食いしていました。食事でお腹がいっぱいになった後にオレオ1箱を食べてしまい、妻には怒られたこともあります。

2年前の32歳のとき、体重は115kg

すぐに体重は増えてしまい、それがずっと続いていました。

家族があり子どももいて、さらに新しい仕事や引っ越しということ重なり、ストレスも溜まっていたのです。いつも疲れを感じていました。息切れしやすく、睡眠をちゃんととっていたにもかかわらず、昼間も眠たかったりしました。体力はありましたが、有酸素運動のパフォーマンスは酷いものでした。言うまでもなくトレーニング中も、長い休憩時間が必要でした。そんな32歳のときの体重は、115kgでした。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、パワーリフティングのために通っていたジムへも行かなくなりました。するとほぼ1カ月の間、トレーニングはしていないことも気にせず、狂ったように食べてしまっていました。そうして自分の写真を改めて見て、昔は夢を追いかけていたことを思い出したのです。

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Courtesy of JACOB MOLL

◇ボディビルダーのダイエット方法を参考

食生活を変えなければならないことはわかっていました。以前、流行のダイエット方法をいくつか試してみたことはありましたが、どれもうまくいきませんでした。そこで、プロのアスリートやボディビルダーがどのようなダイエット方法に取り組んでいるのかを調べ、食事の準備や量の計算、食事のタイミングなどに着目してみたのです。

余分なカロリーを一度に落とすのではなく、徐々に減らしていきました。進捗に合わせて、もう少し減らすことができました。

余分な体重の下には、たくさんの筋力があることはわかっていました。ある意味、食生活を変えることは、私がすでに持っていた筋肉を見せるために痩せることだったのです。

筋トレメニュー「PPL法」とは?

トレーニングを「パワーリフティング」から「プッシュ(押す=Push)」系の筋トレの日、「プル(引く=Pull)」系の筋トレに日、「レッグ(脚=Leg)」の筋トレの日、つまり“PPL法”へと切り替えました。

最終的には、自分で考案したボディパート別(筋肉の部位別)のトレーニングに移行し、それを週に6回行いました。私は、公式のトレーナーをつけずに自分で筋トレメニューを決めましたが、それまでにたくさんのリサーチを行い、インターネット上のフィットネス関連のコミュニティーでたくさんのアイデアももらったから設定しました。

その際、ボディビルダーのセス・フェロスさんと、YouTubeのフィットネス系のインフルエンサーのライアン・フミストンさんには、とても刺激を受けました。

2年弱の間に115kgだった体重は85kgになり、初めてのボディビル競技に臨みました。新しいトレーニング方法で大きくなった肩周りを披露するのは、とても楽しみでもありした。また、このとき人生で初めて、人に誇れる腹筋も手に入れることができました。

◇ボディビルに挑戦する決意と周囲の良い変化

この変化に対する人々の反応を見ることは、とても楽しいものです。

最初の1年くらいは誰も、何も言ってくれませんでした。その年以降になると、自分で変化を具体的に感じ始めることができたので、ボディビルに挑戦することを宣言したのです。そうなる、周りの人たちも気づいてくれて、トレーニング方法やダイエットプランについて私に相談してくれるようになりました。妻も確実に幸せになって、子どもたちもスーパーヒーローのように私を見るようになってくれました。するとさらに、どんどん自分の中に“自信”と“エネルギー”がみなぎってくるようになりました。

◇挑戦したい人へのアドバイス

私と同じように、この道を歩もうとしている人へのアドバイスは、“すべてを習慣化すること”です。毎日、同じ時間に同じものを食べ、それに合わせて計画を立てる。予定していたものだけを食べましょう。そしてジムに行くときは、集中して目的を持ってトレーニングしてください。時間を無駄にしてはいけません、良い方向へと変化するために行くのですから。

Source / Men's Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。