「ランニングは膝にダメージを与える…」、このフレーズは、フィットネスの世界で最もよく耳にするセリフの1つではないでしょうか?  でも、これはどこまで本当なのでしょうか。 

◇ランニングは腰・膝・関節に悪いの?

 昔からあるこの都市伝説的な謎を解決すべく、スペインの研究者が調査に取りかかりました。彼らは12万5000人以上の人を対象に17の研究から換算した数値の結果、レクリエーションとしてランニングを楽しむ場合においては、膝へのリスクを心配する必要はあまりないと結論づけたのでした。

注目すべきは「レクリエーション用」のランニングという点です

 この被検者のうち趣味の範囲で楽しむランナーで、腰や膝の関節炎を発症を起こした割合は4%以下に。一方、まったく走らないデスクワークばかりの人では、10%強という調査結果になっています。

 では、趣味以上の競争心でトレーニングしているランナーや、国際的な竸技大会に出場するようなプロ級またはプロの中でもひと握りのエリート級のランナーたちはどうでしょうか?

  なんとこのグループでは、13%強の人たちが腰や膝の関節炎を発症したという結果をこの研究では残しています。

 実際のところレクリエーション系のランナーは、デスクワーク系の人と比べて腰や膝の疾患を抱える可能性が14%も低い数値もあります。

 一方で、大会に出場するほど競争心をもって取り組んでいるランナーの数値は、デスクワーク系の人と比べて、腰や膝の疾患を抱える可能性が34%も高いという数値がこの研究では明らかになったのでした。

 今回の被検者の中には、最大15年間ランニングを日課にしている人たちもいました。しかしながら研究者たちは、「さらに確固たる結論を導くためには、長期間にわたる研究が必要です」とも述べています。

 さらに、別の動物実験によれば、軽度または中程度の運動によって軟骨保護作用が期待できる、という結果も導きだされています。

 その軟骨保護作用の内容とは、関節炎に見られる進行性の関節腔における狭窄(きょうさく=間がすぼまって狭いこと)、これを遅らせる可能性を示唆する数値が出たとのこと。こちらの研究者らによれば、「この保護作用は、より長くより強い距離の運動では見られなかった」としています。ですが、この研究で走行距離数の明確な指標がされていなかったため、膝と腰にどの距離が安全であり、保護されるかはっきりと言えない状況でもあるのです。こちも長期にわたる研究が必要です。

◇結論

 まとめとしては、レクリエーションとしてランニングを楽しむのなら、膝を傷つけることに対し、そう心配することはないと言えるでしょう。むしろ楽しんでランニングしたほうが、膝関節の保護となる可能性も示唆されていますから。

Source / Men's Health US
Translation / Esquire Digital
※この翻訳は抄訳です。