「人の身体の約60%は水でできている」とは、どこかで一度は耳にしたことがあるはずです。水分補給が身体のあらゆる細胞にとって重要だということが、これだけで納得できるでしょう。日々の水分補給は代謝を最適化したり、関節の動きをサポートするなど、多くのメリットが期待できます。そしてこの言葉…、「あなたの身体はあなたの食べたものでできています」も忘れなく。

 あなたの身体の約60%をつくる水に対して、残念ながらそこまでの割合で深く気を遣っている方はそう多くないではないでしょうか。 ミネラルウォーターにも、いくつか選択肢があります。ペリエやゲロルシュタイナー、サンペレグリノなどのブランド名を見たことがあります。それぞれの違いを知り、自分にふさわしいミネラルウォーターを選ぶことで、身体に水分を補給しながら栄養も摂取することができるというわけです。

 ここではメリットやデメリットなど、ミネラルウォーターについて知っておくべきことをご紹介していきます。


そもそも、ミネラルウォーターとは?

 ミネラルウォーターは保護された鉱泉から湧き出る水のことで、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄分などの栄養素が豊富に含まれています。つまり、天然の電解水なのです。

 アメリカ食品医薬品局によると、「ミネラルウォーターは自然変動のサイクルを考慮し、源泉から出た時点でのミネラルや微量元素の一定レベルと相対的な割合によって他の水と区別される。この水に後からミネラルを追加することはできない」、と定義されています。

 ミネラルウォーターには、炭酸入り(with gas)と炭酸なし(without gas)があります。また、上記の栄養素がたっぷり含まれているので、水道水や浄水器を通した水とは異なる味がするものが多くなっています。

ミネラルウォーターは水道水より身体にいいのか?

 実はほとんどの水道水にもミネラルが含まれているのですが、その度合いは地域によって大きく異なります。日本の水道局では定期的な水質検査によって水道水の安全性が確認され、その結果はホームページで公表されています。都内のお住まいの方で「自宅の水道水の質が知りたい」という場合は、都民情報ルーム等に配置されている「水質年報」に取りまとめられている報告書を確認することができるようになっています。またこの報告書には、その水がどこから来ているのか? 規制されている汚染物質の一覧とそのレベル、 さらに汚染された水を飲んだ場合に受ける可能性のある健康上の悪影響などの情報が含まれています。

 水道水は地表または地下から汲み上げられ、ミネラルが加えられています。一方、ミネラルウォーターにはもともとミネラルが含まれ、殺菌などの処理が行われた後にそのままボトルに入れられています。成分は水源から得られたままであり、後からミネラルを加えることはありません。

ミネラルウォーターの健康への効果とは?

 まず、水分補給というだけでもさまざまなメリットがあります。口の渇きを防いだり、体温調整に貢献したり、睡眠の質や気分の向上が期待できます。さらに、体重管理にも効果が期待できるのです。つまり、水を飲むことで身体の水分量を適正化へと導き、それによって代謝も最適化へと導くと言っていいでしょう。

 ミネラルウォーターに含まれる3大電解質であるナトリウム、カリウム、マグネシウムは、全体的な健康や体調管理に大きな役割を果たしていると言われています。 これらの栄養素は血圧や筋肉の収縮を整えたり、血行の改善にも役立つという研究結果も多く出ています。特にマグネシウムは腸に水分を集め、便に水分を含ませて柔らかくしてくれる働きも期待できる…結果的に便秘が解消され、お通じが改善されるというわけです。

 また、上記の3大電解質に加えてカルシウムも、ミネラルウォーターに含む重要視すべき栄養素のひとつです。この栄養素は骨を丈夫にしたり、ケガをしたときには傷を塞ぐ血液凝固作用があることが証明されています。

ミネラルウォーターのデメリットは?

 ミネラルウォーターはいくつかの例外を除き、一般的には「安全である」と考えられています。日本で市販されているほとんどのミネラルウォーターは、国産です。輸入されるミネラルウォーターは、世界各地にあるさまざまな水源から採られているため、地域によってミネラルの含有量が大きく異なります。ブランドによってはナトリウムを非常に多く含んでいる(Vichyなど)可能性があるので、その場合は高血圧の方にとっては注意が必要となります。

 腎不全を患っている方も、その成分配合に注意する必要があります。ここで注意すべきミネラルはカリウムになります。多くのミネラルウォーターはカリウムが豊富に含まれているので、ご注意ください。これは通常であれば身体に良い栄養素で、身体に含まれる余分な塩分を整えてくれます。それによって、血圧を整える代表的な栄養素と言われています。

 ですが、腎臓がうまく機能していない方の場合、余分なカリウムを除去することができなくなってしまうので、摂取量を監視する必要があります。それでなくてもカリウムは、体内に存在する量がもっとも多いミネラルとされていますので…。

 とは言え、カリウム自体が腎臓へ悪影響を及ぼすわけではありません。腎臓に障害がある方の場合はカリウムを十分に尿に排泄することができず、体内に蓄積してしまいます。すると、血中のカリウム濃度が上がってしまうことで、危険な不整脈が起きたり心臓への悪影響も予想できるからなのです。そのためにも、ミネラルウォーターがカリウムの主要な供給源となってしまわぬよう、注意が必要となるわけです。

 しかし多くの方にとって、ミネラルウォーターは安全に飲むことができ、多くの健康効果が期待できます。おいしい天然の電解水を飲んで、身体に効果的に水分を補給しましょう。

Source / GOOD HOUSEKEEPING
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。