脳性麻痺(のうせいまひ)という病気についての理解を広めること、そして、障がいを抱えていてもチャレンジは可能であることを証明することを自らの使命とするジョー・バード(Joe Bird)氏。今回、そんな彼は自らの筋トレ方法を紹介してくれました。  

◇ジョー・バード元パラリンピック選手の筋トレ方法

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 「確かに私は、脳性麻痺を患っています。ですが、だからと言って物事を諦めるつもりは毛頭ありません」と、バード氏は力強く語ります。「プッシュ(押す)筋トレと、プル(引く)筋トレをバランスよく行なって、いい汗を流すのが私のトレーニングメニューです」と言います。  

◇上半身(大胸筋・上腕三頭筋)の鍛え方

 まず最初は、胸部と上腕三頭筋に焦点を当てた「腕立て伏せ」のバリエーションから入ります。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
How This Former Paralympian Rower With Cerebral Palsy Builds His Body | Men's Health UK
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■「腕立て伏せ」3種 ― ワイドグリップ、クロースグリップ、ダイアモンドグリップ

 上腕三頭筋を鍛えるために、ワイドグリップ、クロースグリップ、ダイアモンドグリップの3種の「腕立て伏せ」を切り替えながら上半身を鍛えます。

    1. ワイドグリップ腕立て伏せ…片幅より広く手幅をとって背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せて行う「腕立て伏せ」 。これは、三角筋全体に効果が期待できる自重トレーニングです。
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      「ワイドグリップ腕立て伏せ」のやり方

       
    2. クロースグリップ腕立て伏せ(ナロープッシュアップ )…一般的な腕立て伏せにおける手幅を狭める腕立て伏せです。「ナロープッシュアップ」とも言います。上腕三頭筋を重点的に鍛え、二の腕を引き締めて、腕を太くすることを目指す自重トレーニングです。
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      「クロースグリップ腕立て伏せ」のやり方

       
    3. ダイアモンドグリップ腕立て伏せ…両手の親指と人差し指で、ひし形(ダイヤモンドのような形)をつくります。これは、大胸筋内側や上腕三頭筋を鍛える自重トレーニングです。
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      Men's Health US
      「ダイアモンドグリップ腕立て伏せ」のやり方

       

    ■懸垂(プルアップ)

     その後、「懸垂バー」に向かいます。

     「身体を持ち上げる際には爆発的な力を込めつつ、それをうまくコントロールして、上がり切ったところで筋肉を引き締めてください」というのが、バード氏のアドバイスです。
     

    ■ベンチプレス

     続いて、ベンチプレスへと移ります。「私にとって定番の、大好きなトレーニングのひとつです」と前置きしつつ、バード氏は筋トレメニューを開始します。

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    Getty Images

    ▽アドバイス

     「タイム・アンダー・テンション(TUT)」に意識を置いた複合トレーニングに集中し、レップを重ねていきます。「ベンチプレスの重要性をもっと皆さんに知ってもらいたい、というのが私の願いです」とのこと。

    タイム・アンダー・テンション(TUT)とは?
    …「Time Under Tension」、筋肉を緊張状態下に置く時間の長さのことを指します。

     ベンチプレスを行う際には上背筋の力も使って、バーを胸に引き寄せるよう心がけましょう。そうすることで胸の位置がより高くなり、可動域は制限され、バーが胸に乗らなくなるのです。それから上背部をベンチに圧し付けるようにして、バーを持ち上げましょう。

    ■バイセップカール

      次は、ダンベルを使用した筋トレです。

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    立って行う「バイセップカール」もおすすめです。座って行えば、より高い負荷が加えられます。

     まずは座った姿勢でのバイセップカールを1レップと半レップ、これをセットの間で交互に繰り返し行います。単純動作により、高い負荷を加える賢い方法と言えるでしょう。部分的に留めるレップを加えることで、トレーニング全体の緊張感を保つことができるのです。 

    ■スレッドプッシュ

     バード氏が仕上げ(最後)に行なうのは、「スレッドプッシュ」です。

     「この橇(そり/スレッド)を押し出すためには、極限まで自分を追い込まなければなりません」と、バード氏は20メートルの過酷なプッシュを開始します。「これを何度か繰り返せば、完全に終了です。文句ある人などいませんよね?」と、タフネスな精神力を魅せつけてくれました。

    Source / Men’s Health UK
    Translation / Kazuki Kimura
    ※この翻訳は抄訳です。