2020年夏、東京五輪に出場する予定だったビーチバレー米国代表選手のトリ・ボーン(Tri Bourne)選手とトレバー・クラブ(Trevor Crabb)選手ですが、来年2021年に延期となった東京五輪のため、現在も(本番が予定されていた現在だからこそ)コンディション維持に余念がありません。
ハワイ出身のふたりは幼馴染であり、ともにAVP(Association of Volleyball Professionals)プロビーチバレーボールツアーを闘うペアでもあります。そんなふたりが今回、「メンズヘルス」読者のためにトレーニング方法を公開してくれました。砂の上で行う競技ということで、強くバランスの良い身体が求められるのがビーチバレーです。
「今回ご紹介するトレーニングは、実は屋内でも屋外でもできるものです」と、ボーン選手は言います。「また誰にでも、目的に応じて取り入れることのできる筋力トレーニングです。コンディションづくりのための筋トレにもなりますし、より厳しいトレーニングをするのために求められる筋力アップにも役立ちます」とのこと。
◇ビーチで効果的に鍛える ― 肩の筋トレ3種 + 下半身の筋トレ2種
【1】回旋筋(かいせんきん=横突棘筋のうち最も下側に位置する筋肉)を使ったフェイスプル
■回数は?
…10レップを2セット
「まずは、ゴムバンド(レジスタンスバンド)を用いた肩のトレーニングから始めましょう」。
「スパイクやブロック、そしてトスなど、バレーボールに求められる腕の動きに合わせ、肩をつくらなければなりません。肩の筋肉を鍛えておかないと、故障の原因にもなってしまいます」とクラブ選手。
■やり方
「腕を使ってゴムバンド(レジスタンスバンド)を持ち上げ、回旋筋の外側を鍛えます。回旋筋腱板と広背筋を連動させ、ウォーミングアップを行うのです」。
・回旋筋腱板とは、肩甲骨の前面と後面からおこる4つの筋、すなわち肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の腱のこと。
【2】ゴムバンド(レジスタンスバンド)を使ったアームスイング
■回数は?
…10レップを2セット
「次は肩の安定性を生み、可動域を広げるためのトレーニングです」
「バレーボールでは頭上の高い位置で、強いインパクトを生む動作が繰り返されます。そのため肩には大きな可動域が求められますし、また頭上で最大の力を込められるよう、肩を強化する必要があるのです」とボーン選手。
■やり方
「体幹こそパワーの源ですから、体幹を意識してトレーニングを行う必要があります」
「まずは腕を背後まで引くのですが、そうすることで初めて回旋筋の回転力を活かすことができるわけです。ということでこのトレーニングでは、肩と体幹とを集中的に鍛えます」と、クラブ選手が解説します。
【3】ストレートアーム プルダウン
■回数は?
…10レップを2セット
「ジャンプ力を鍛えるため、工夫されたラットプルです」とボーン選手。
■やり方
「ジャンプする瞬間に腕をできる限り後ろに引くことで、長い滞空時間が可能になるのです。ここではまずスピードの速いプルダウンを行い、それからスローダウンしてください。とにかく両腕をできるだけ高く上げること。そして広背筋の力も使って、できる限り後ろへと引くことを目標としてください」。
【4】ゴムバンド(レジスタンスバンド)を使った下半身のウォーミングアップ
■時間は?
…5~10分間
「バレーボールの動作に求められる筋肉を、レジスタンスバンドによる負荷をかけながら鍛えていくのです」と、ボーン選手は言います。
「試合となれば、ボールが自分の前に飛んでくるのか、それとも左か右か、もしくは背後か、とにかくギリギリの瞬間まで分かりません。そんな私たちにとって、このウォーミングアップは極めて重要なのです。筋肉に動きを覚えさせる必要があるのです」。
■やり方
「足の角度が常に変わっているのがお分かりでしょうか。こうして準備を整えていくのです」と、ボーンさんが解説します。
【5】ボールトスを使ったラテラルシャッフル
■回数は?
…各方向4セット(4レップずつ)
■やり方
「ディフェンスの際に求められる動作や、スピーディーな方向転換、ボールから目を離さずに脚を動かす訓練に、このトレーニングを行なっています」とクラブ選手。
「ボールを見失わずに追う動作を行うのに、このトレーニングが役立ちます。バレーボールを使わずにテニスボールを使っているのは正確性を高めるためです」と、ボーン選手が付け加えてくれました。
Source / Men’s Health US
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。