[目次]

▼ ホエイプロテインとは?

▼ ホエイプロテインを飲むメリット

▼ ホエイプロテインに期待できる効果

▼ ホエイプロテインの理想的な摂取量は?

▼ ホエイプロテインの選び方

▼ ホエイプロテインのおすすめ11選

▼ まとめ


牛乳からつくられる「ホエイプロテイン」は、手軽にタンパク質を摂取できる優れたサプリメントです。近年はスポーツやトレーニングをしている人だけでなく、健康維持のために日常的に摂取する人も増えています。

しかし、「ホエイプロテインを飲むと筋肉がつく」、「ホエイプロテインはダイエットに効果的」といった情報がひとり歩きしている側面も否定できません。ホエイプロテインは長期間摂取し続けるものなので、正しい知識が必要です。

このページでは、ホエイプロテインを飲むメリットや得られる効果、それらの効果を最大化する摂取量などを研究論文などと共に紹介するとともに、選び方のポイントやおすすめの製品を紹介します。

ホエイプロテインとは?

 
HUIZENG HU//Getty Images

ホエイプロテインは牛乳を原料としたタンパク質(ミルクプロテイン)。食事によってのみ摂取できる9種類のアミノ酸をすべて含み、乳糖(牛乳に含まれる糖分)は比較的少なめです。

ホエイプロテインは飲み物に溶かして飲むパウダー状の製品が主流です。人気が高いため製品の選択肢が多く、好みの味わいが見つけやすいプロテインでもあります。ドリンクタイプの製品も増えており、これらはコンビニやスーパーで購入してすぐ飲めます。

ホエイプロテインを飲むメリット

身体の主要な構成要素であるタンパク質は、アミノ酸と呼ばれる小さな物質からできています。そのアミノ酸種類は全部で20種ありますが、身体でつくることができるのはその中の11種類のみということ。残りの9種類は、食事から摂取する必要があるということになります。

そこでホエイプロテインです。ここには、この9種類のアミノ酸を全て含まれているのが特徴でもあります(アミノ酸スコアが高い、と表現されることもあります)。ホエイプロテインを適量摂取することは身体づくりを助けることになり、健康維持にも効果的であると考えられます。

ホエイプロテインに期待できる効果

 
MRBIG_PHOTOGRAPHY//Getty Images

ホエイプロテインを飲み、身体づくりに欠かせない栄養素であるタンパク質を十分に摂取することで、さまざまな効果が期待できることがわかっています。その一部を紹介します。

筋肉の回復を助ける

ホエイプロテインを激しい運動後に適量摂取すると、筋肉の回復を早める効果があると考えられています。筋トレでは筋肉に負荷をかけて筋繊維を破壊し、回復させる過程で筋肉を大きくすることを狙うもの。そのため、筋肉の回復が早まれば、より素早く筋肉を大きくすることが期待できるというわけです。

13人の男性を対象に10週間にわたりホエイプロテインを与え、ベンチプレスやスクワットなどの筋トレを行ったところ、「ホエイプロテインを摂取していないグループに比べて除脂肪体重がより大きく増加し、体脂肪が減少した結果が得られた」という研究論文が発表されています。

出典:The Effect of Whey Isolate and Resistance Training on Strength, Body Composition, and Plasma Glutamine|International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism

脂肪が燃焼しやすくなる

「ホエイプロテインには、脂肪を燃焼させる効果もある」と考えられています。ホエイプロテインを栄養補助食品として与えられた158人の被験者は、「摂取しなかった人よりも多く脂肪が燃焼した」とする研究論文も発表されています。

ホエイプロテインを飲むだけで痩せるわけではありませんが、正しく食事を摂り、運動を行った上でホエイプロテインを摂取すれば、脂肪を減らす手助けになると考えられます。

出典:A whey-protein supplement increases fat loss and spares lean muscle in obese subjects: a randomized human clinical study|アメリカ国立医学図書館

血中コレステロール値・血中インスリン濃度を下げる

ホエイプロテインには、血中コレステロール値と血中インスリン濃度を下げる作用も考えられています。ホエイプロテインを過体重の男女70名に12週間投与する研究では、「総コレステロールが下がり、さらに血液中のインスリン濃度も下がった」と報告されています。

血中のコレステロール値が高いと動脈硬化が進みやすく、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まると言われています。さらに血中のインスリン濃度が高すぎると、大腸ガンの発生リスクも高まる傾向にあります。そこでホエイプロテインの継続的な摂取することで、こうしたリスクの低下を目指してはいかがでしょうか。

出典:Effects of whey protein isolate on body composition, lipids, insulin and glucose in overweight and obese individuals|アメリカ国立医学図書館

ホエイプロテインの理想的な摂取量は?

 
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1日あたりのタンパク質摂取量は、その人の年齢や体格により異なる

2018年に『Journal of the International Society of Sports Nutrition』誌で発表された研究によれば、健康な成人がアミノ酸からタンパク質をつくり出す作用を最大化するために、「体重1kgあたり0.4~0.55g」のタンパク質を4回に分けて摂取するとよいとされています。体重64kgの人であれば、1回あたり25.6~35.2gです。

なお、これはホエイプロテインの摂取量ではなく「タンパク質の摂取量」なので、食事から摂取できるタンパク質の分も含んでいます。まずは食事でしっかりタンパク質を摂って、足りない分をホエイプロテインで補うのが理想的です。

ホエイプロテインの選び方

 
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WPI製法とWPC製法の二つの製法がある

ホエイプロテインには、「WPC」と「WPI」という2つの製法があります。この2つは「ろ過」の方法が違い、WPCは直径1マイクロメートルほど、WPIはさらにその4分の1ほどの目の細かさのフィルターでろ過されます。

タンパク質の量を重視する人や、乳製品を摂るとお腹を壊してしまう「乳糖不耐症」の人、カロリーを抑えたい減量中の人はWPI製法がおすすめとなります。

価格を重視する人は、WPC製法のホエイプロテインがよいでしょう。乳糖が多い分カロリーが高くなり、タンパク質量が減りますが、健康をサポートする成長因子や必須脂肪酸などが含まれるメリットもあります。

タンパク質の含有量を調べる

WPI製法とWPC製法でタンパク質の含有量が違いますが、製法が同じでも、製品や味付けによってタンパク質の含有量は大きく変わります。

たとえば、おいしく飲めるようジュースのように濃い味がついているものは、どうしてもタンパク質量は減ってしまいます。反対に、素のホエイプロテインに近ければ近いほど、タンパク質量は増えますが、飲みやすさは減ってしまいます。

プロテインを選ぶときは、タンパク質の含有量をチェックして、味わいとのバランスで選ぶとよいでしょう。

飲みやすさをチェック

ホエイプロテインは長い間飲み続けることが大事なので、自分にとって「飲み続けられる味」、「好みの味」であることは大変重要です。

ホエイプロテインは人気が高く、さまざまなフレーバー(味付け)の製品が販売されているので好みの味が見つけやすいはず。定番のチョコレートやストロベリーだけでなく、メロンやバナナなどのフルーツ風味、ヨーグルトや抹茶風味なども試してみてはいかがでしょうか。

コストパフォーマンスをチェック

ホエイプロテインを飲み続けるために、コストパフォーマンスもチェックしましょう。例えば以下のような2つの製品があるとします。

  • A.タンパク質含有率85%のプロテイン(1kg/5000円)
  • B.タンパク質含有率65%のプロテイン(1kg/4000円)

この場合、タンパク質1gあたりの価格が安いのは「A」のプロテインです(約5.9円/g。Bは約6.2円/g)。このように、容量と価格だけで判断すると損をすることがあります。

プロテインは長い期間をかけて、ある程度の量を継続的に飲み続けるべきものです。そこでタンパク質量をベースにしたコスト計算を行えば、コストパフォーマンスのいい製品を選べ、無駄な出費の抑制につながります。

ホエイプロテインのおすすめ11選

Amazonで購入できるおすすめのホエイプロテインをご紹介します。各製品のタンパク質含有率を掲載しているので、購入の参考にしてください(タンパク質含有率は、「1回分に含まれるタンパク質量(g)÷1回分の量(g)」で求めています)。

WPC製法のホエイプロテイン

まずは、比較的リーズナブルに購入できるWPC製法のホエイプロテインを紹介します。

SAVAS(ザバス) アクア ホエイプロテイン100 レモン風味

アクア ホエイプロテイン100 レモン風味

SAVAS(ザバス) アクア ホエイプロテイン100 レモン風味

¥2,228
Amazon で見る

明治の「ザバス」は、スーパーやドラッグストアでも購入しやすいプロテインです。飲みやすい味わいやダマになりづらい点など、老舗ブランドならではの安定感が支持されています。

この「アクア」タイプは、スポーツドリンクのような味わいでさっぱり飲めるのが特徴です。紹介する294gサイズは、プロテインが初めての人のお試し用としておすすめのサイズです。

  • タンパク質含有率:71.4%

X-PLOSION(エクスプロージョン) ホエイプロテイン ミルクチョコレート味

 ホエイプロテイン ミルクチョコレート味

X-PLOSION(エクスプロージョン) ホエイプロテイン ミルクチョコレート味

¥6,999

3kgで7000円程度というコストパフォーマンスの高さとフレーバーの豊富さから、Amazonなどの通販で大変な人気を集めているホエイプロテインです。

紹介するのは定番のミルクチョコレート味ですが、フルーツやキャラメルホワイトチョコなどもあり、甘党から支持されています。タンパク質含有率は低めですが、価格の安さから、たくさん飲む人におすすめの製品です。

  • タンパク質含有率:70%

Fix It DAILY BASIC ホエイプロテイン

DAILY BASIC ホエイプロテイン

Fix It DAILY BASIC ホエイプロテイン

¥3,480

アンチ・ドーピング認証(禁止薬物が含まれていないことを証明する認証)を取得しているホエイプロテインです。それでいて相対的に高くない価格帯と言えるので、製品名のとおり「DAILY BASIC」になり得るでしょう。

フレーバーは5種類あり、ストロベリーやバニラも人気です。溶けやすくダマになりづらいため、喉に引っかからずに飲めます。タンパク質含有率は75.3%で、WPC製品としては平均的と言えます。

  • タンパク質含有率:75.3%

ULTORA ホエイ ダイエット プロテイン 抹茶ラテ味

ホエイ ダイエット プロテイン 抹茶ラテ味

ULTORA ホエイ ダイエット プロテイン 抹茶ラテ味

¥5,940

人工甘味料や人工着色料、保存料などの食品添加物を使用していない製品です。WPC製法のプロテインをベースにWPI製法のプロテインも使用することで、タンパク質含有率を75.3%としています。

フレーバーもひと味違っていて、クリアストロベリーやココナッツチョコレート、フルーツオレなど、他ではあまり見かけない味わい。紹介する抹茶ラテ味は、お茶の風味が楽しめる人気のフレーバーです。豆乳やきなこを混ぜてもおいしく飲めます。

  • タンパク質含有率:75.3%

GronG(グロング) ホエイプロテイン100 スタンダード バナナ風味

ホエイプロテイン100 スタンダード バナナ風味

GronG(グロング) ホエイプロテイン100 スタンダード バナナ風味

¥7,980

GronG(グロング)は、ケトルベルやストレッチ用ポールなどのフィットネスアイテムを販売するトータルスポーツブランドで、ホエイプロテインも大変人気です。

この「ホエイプロテイン100 スタンダード」はWPC製法の製品としてはタンパク質含有率が高く、味のよさを評価する口コミも多くなっています。バナナ風味が特に好評ですが、ココア風味やバニラも人気があります。

  • タンパク質含有率:76.8%

WPI製法のホエイプロテイン

続いてWPI製法のプロテインは、タンパク質含有率が高いことが特徴です。価格は高めですが、ここではコストパフォーマンスのよい製品を中心に選りすぐって紹介します。

ON 100% ホエイ 2.27kg(ダブルリッチチョコレート)

100% ホエイ 2.27kg(ダブルリッチチョコレート)

ON 100% ホエイ 2.27kg(ダブルリッチチョコレート)

¥9,990

「ON」のGold Standard(ゴールドスタンダード)ホエイプロテインは、国産プロテインがまだ少なかった頃からの超定番。この「ダブルリッチチョコレート味」は、その美味しさで瞬く間に人気となりました。

WPI製法としてはタンパク質含有率は低めですが、よくシェイクすることでチョコレートムースのような飲み心地になるので、減量中で甘いものを控えている人にとってはご褒美として楽しめそうです。

  • タンパク質含有率:75%

FIXIT THINK SIMPLE 1kg WPI(プレーン)

THINK SIMPLE 1kg WPI(プレーン)

FIXIT THINK SIMPLE 1kg WPI(プレーン)

¥5,980

プロテイン専業メーカーであるFIXITは、性別や年齢を問わず、飲みやすいさまざまなプロテインを販売しています。その中でもこの「THINK SIMPLE」は、WPI製法の原料を使った、低糖質・低脂質なプロテインです。

香料や甘味料が入っていないプレーンタイプのため、タンパク質含有率は92.9%と非常に高くなっています。タンパク質量を重視したいストイックなトレーニーにおすすめです。

  • タンパク質含有率:92.9%

    VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト 1kg(ライチヨーグルト風味)

    ホエイプロテイン WPI パーフェクト 1kg(ライチヨーグルト風味)

    VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト 1kg(ライチヨーグルト風味)

    ¥5,980

    WPI製法といえども、タンパク質含有率が90%を超えるホエイプロテインはめずらしく、さらに美味しく味わえるものとなると選択肢は狭まります。

    この「WPI パーフェクト」は、タンパク質含有率91.7%ながら美味しく飲めると評判のプロテイン。他にチョコレート風味やバナナ風味もありますが、このライチヨーグルト風味は特に好評です。

    • タンパク質含有率:91.7%

    VALX ホエイ プロテイン WPI パーフェクト 1kg プレーン味

     ホエイ プロテイン WPI パーフェクト 1kg プレーン味

    VALX ホエイ プロテイン WPI パーフェクト 1kg プレーン味

    ¥5,980

    タンパク質含有率の高さを重視する人には、こちらの製品がおすすめです。タンパク質含有率は96.4%と圧倒的で、そのかわりフレーバーはついていません。

    ノンフレーバーのホエイプロテインはその味自体もストイックと言えますが、ジュースやアーモンドミルクなどで溶かして飲んだり、料理に混ぜたりする人もいます。余計なものが入っていないので、食べたり飲んだりするものをしっかり管理したい人に向いています。

    • タンパク質含有率:96.4%

    ドリンクタイプのホエイプロテイン

    ドリンクタイプのプロテインは、すぐ飲める手軽さが魅力。オフィスやジムへ持参するのにも便利です。1本あたりのタンパク質含有量もあわせて紹介します。

    SAVAS(ザバス) MILK PROTEIN ミルクプロテイン ココア風味 200ml×24本入

    ミルクプロテイン ココア風味 200ml×24本入

    SAVAS(ザバス) MILK PROTEIN ミルクプロテイン ココア風味 200ml×24本入

    ¥2,948

    コンビニでも売られていることが多い、定番のプロテインドリンクです。ココア味はミルクからつくられたホエイプロテインと相性がよく、アイスココアに近い感覚でおいしく飲めます。

    タンパク質含有量は15gなので、徹底的に筋肉を大きくしたい時期には向かないかもしれませんが、職場に持参したり健康のために足りないタンパク質を補ったりするには最適です。常温で保存できます。

    • タンパク質含有量:15g

    VALX PROTEIN DRINK フルーツオレ風味 24本セット

    PROTEIN DRINK フルーツオレ風味 24本セット

    VALX PROTEIN DRINK フルーツオレ風味 24本セット

    ¥6,800

    1本あたり25gのタンパク質を摂取できるプロテインドリンクです。いろいろなプロテインドリンクがある中でもタンパク質量が多いため、ジムに持参してトレーニング後すぐ飲むのにも最適です。

    味は本物のフルーツオレに近く、冷やして飲むと特においしく飲めると評判。プロテインに苦手意識のある人にもおすすめできます。常温保存可能なので、多めにストックしておけるのもうれしい点です。

    • タンパク質含有量:25g

    まとめ

    ホエイプロテインを飲むメリットや期待できる効果、理想的な摂取量を解説するとともに、ホエイプロテインの選び方とおすすめの製品を紹介しました。

    タンパク質は食事から十分な量を摂取することが大切ですが、どうしても不足してしまうときやハードな筋トレをしている期間は、ホエイプロテインでサポートすることも大変有効です。ここで紹介したホエイプロテインは、どれも評判のよい製品ばかりです。ぜひ、予算の許す範囲で気になった製品を購入し、栄養の補助として取り入れてみてください。

    ただしプロテインを過剰に摂取してしまうと、それだけ肝臓や腎臓に負担がかかり、内臓疲労を引き起こす可能性もあります。その他、さまざまな悪影響の声も上がっています。なので、十分注意を払ったうえお飲みください。