《目次》

▶「5:2ダイエット」とは何か?

▶「5:2ダイエット」を行うメリット

▶「5:2ダイエット」のリスク・注意点

▶「5:2ダイエット」を試すべきか?

▶専門家による見解「16時間ダイエット」もおすすめ

▶「5:2ダイエット」体験談

 「断続的断食(インターミッテント ファスティング)」の人気が、ますます高まりつつあるようです。食事の量や食材に制限を課す必要がなく、ルールと言えば、ただ「いつ食べ、いつ食べないか」だけを決めれば良いという気軽なものということで、人気が出るのもそう不思議なことではないでしょう。

 これまでの伝統的なダイエット方法と言えば、毎日、24時間体制でカロリー制限などを行うものがほとんど。ところが、この「5:2ダイエット」では週のわずか2日だけ、カロリー制限を行えば良いというものです。

 要するに、例えば月曜、火曜の2日間だけは1日あたりの摂取カロリーを通常の25パーセント(平均的な男性の場合であれば600キロカロリー程度/日)に抑え、あとの5日間は制限を設けずに、いつもどおりの食事をすれば良いということです。

 「週2日だけ」とは言え、「通常の25パーセントに抑える」ことが厳しいカロリー制限と感じる人にとっては、敬遠する人も少なくないでしょう。ですがこれまで、この「5:2ダイエット」を実践してきた者たちからは、「苦痛は感じませんでした」と口々に証言しているようです。「むしろ集中力が高まり、生活自体が健康的に改善された」と喜ぶ声さえ聞こえてきます。

 「それでも信じられない」という疑り深い人のためには、科学的な裏づけを示すことも可能です。

 では、「5:2ダイエット」の効果とやり方を詳細にみていきましょう。

◇「5:2ダイエット」とは何か?

 断続的断食には、さまざまな方法があります。ここと取り上げているのは「5:2ダイエット」です。この場合、週のうち連続した2日間を通常必要なカロリー量の25パーセントで乗り切ります(平均的な男性の場合であれば、600キロカロリー程度/日)。残りの5日間は、普段どおりの食事で過ごして良いというわけです。

▽1日に必要なエネルギー量から目安となる食事量

 日本の農林水産省によると、一日に必要なエネルギー量から5つの料理グループ(主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物)ごとに、一日に「どれだけ」食べたらよいかの量「つ(SV)」の数が決まることを説明しています。

 ちなみに1日に必要なエネルギー量は、活動量の少ない(日本人の)成人女性の場合は1400~2000キロカロリー、男性は2200±200キロカロリー程度が目安となっています。

▽5:2ダイエット「摂取日」の食事はどうしたらいい?

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Men's Health

 「5:2ダイエット」は、カロリー摂取量を大幅に減らすことができるため、特に減量を目的としてダイエットを行う人々に人気の高い方法です。制限を課さない5日間は「fed(フェッド=摂取日)」と呼ばれ、「食事は制限なし」というのが魅力です。一応、“無制限”ということですが、“適度”が望ましいでしょう。

 なので「fed」の日には、「カロリー計算など必要ありません」とは言いますが、だからといって、ハンバーガーやフライドポテト、ピザ、ビールと、なんでも食べてしまっては減量を果たすことなどできないでしょう。「この期間はカロリー摂取制限のない日であっても、できる限り健康的なバランスの良い食事を心がけるべきです」というのが、専門家の意見です。「fed」日だからといって推奨カロリー量の何倍も摂取してしまえば、効果は望めないということになります。

◇「5:2ダイエット」を行うメリット

 世界的ベストセラー『週2日のゆる断食ダイエット(原題:THE FAST DIET)』で人気となった「5:2ダイエット」は、減量を目指す人々に熱烈に歓迎されたダイエット法です。

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 「大きな効果を期待できる」とされる断続的断食ですが、この「5:2ダイエット」はまだ研究がなされている最中です。しかしながら摂食時間を限定することや、60パーセント以上のカロリー制限を行うことなど、いずれも減量に効果があることを示す研究結果はすでに存在しています。

 また、断食がインスリンの働きを良くする可能性があると指摘し、そのことが減量に効果を及ぼしていると考える専門家も少なくありません。「一時的な食事制限を行うことで、体内が“ご馳走モード”から“断食モード”に切り替わり、インスリンとグルコースの適切な働きが補助されるのです。適正体重の維持とインスリン感受性とが断食によって整えられる、と言うことができるでしょう」と、『癒す食事(Meals That Heal)』の著者キャロライン・ウィリアムズ博士は述べています。

 過去の研究によって、断食が2型糖尿病患者の「HbA1c(糖尿病のリスク判定に用いられる血糖値の検査値=ヘモグロビン・エーワンシー)」の減少に役立つことが示されており、これはウィリアムズ博士の主張を裏づける結果のひとつと言えるでしょう。

 「カロリー摂取を控えることでオートファジーが――つまり、細胞内の老廃物の除去と修復が――可能になり、慢性疾患のリスク軽減に役立つと考えられているのです」と、ウィリアムズ博士は言います。まだまだこれからの研究分野と言えますが、食事制限により傷んだ細胞を体外に排出するオートファジー遺伝子が増加することを示す研究結果は、すでにいくつか存在しています。

 しかし、そのような実験結果の多くが、日数単位の断食ではなく、時間単位の食事制限に基づくものであることは頭に入れておくべきでしょう。

◇「5:2ダイエット」のリスク・注意点

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 他のあらゆるダイエット法と同様に、「5:2ダイエット」にもデメリットと呼ぶべきものがあります。

 「摂食障害を患っている、もしくは過去に摂食障害を患った経験があるなど、食に関する何らかの問題を抱えているという場合には、断続的断食によって危険な状況が引き起こされるリスクを意識しておく必要があります」と注意を促すのは、シャンパン・ニュートリオン社を運営し、『抗炎症ダイエットのための食事法』、『病気に打ち克つレシピ』などの著書を持つ栄養士のジンジャー・ハルティン先生です。

 「特にアスリートや日常的に激しい運動を行う人々にとっては、燃料となるカロリーに制限を加えるのことで好ましくない効果が生じる場合があります」ということ。「断食と運動を同時に行えば、パフォーマンスの低下や疲労の蓄積などといった影響が表れる可能性が高まるのです」。

 ウィリアムズ博士もまた、「断続的断食を行うのであれば、普段の食生活においては特に栄養価の高い食事を意識する必要がある」と言います。身体に必要な栄養素を摂らないことで、長期的にはビタミンやミネラルが不足してしまうというわけです。

◇「5:2ダイエット」を試すべきか?

 健康や栄養にまつわることには、すべて個体差があると考えるべきでしょう。ある人にとって効果的な方法だったからといって、他の誰かにも同じ効果を期待できるか?と言えば、そうとは限らないのです。

 「例えば“5:2ダイエット”のような断食法の効果もまた、個人によって異なると考えるべきです」と、栄養士ジンジャー・ハルティン先生は言います。「私が実践しているのは一夜限りのシンプルな断食(通常は10~12時間ほど)で、5:2ダイエットのように集中的な断食は避けるようにしています。長い目で見たときに、どちらがより安定的であるかを考えた結果です」と加えます。

 「既に断食の経験が十分にある」という人であれば、「5:2ダイエット」によって期待どおりの効果を得やすいかもしれません。

▽断食の初心者へアドバイス

 しかし、断食に不慣れという人であれば、まずは10~16時間など単発の断食を試し、身体の反応を確かめることが安全策と言えます。週のうち丸2日間、極端に摂取カロリーを減らすというのは、身体にとって大きな負荷となる危険性もあります。

 結論を言えば、生涯にわたり健康でい続けるために何がベストな食事法なのか? さまざまな方法を学ぶ中で、自分に適したものを見つけていうことが重要となるのです。

◇専門家による見解「16時間ダイエット」もおすすめ

 『癒す食事(Meals That Heal)』の著者、キャロライン・ウィリアムズ博士は次のように語っています。

 「私自身、断続的断食(インターミッテント ファスティング)を大いに支持する者として、これまでいくつかの異なる方法を試してきました。その上で私自身が良いと感じたのは、『5:2ダイエット』に慣れたら『16:8ダイエット(=日本では“16時間ダイエット”の名で注目されています)』の断食法にアップデートするということです」。

▽「16時間ダイエット」とは? 効果とやり方

 この「16:8ダイエット」とは、1日24時間のうち16時間を断食し、8時間は食事をしても良い時間として区別するのです」と、ウィリアムズ博士。

 「食べることが何より好きなので、“今日は500キロカロリーしか食べちゃダメ”などと考えながら目覚めるなんて、とても耐えられないのです」と、ウィリアムズ博士は笑いながらさらに説明してくれました。

 しかし、この「5:2ダイエット」で成果を得たという人は少なくありません。特に料理に十分な時間やエネルギーを費やす余裕のない人々には、好まれる傾向にあります。食事のことを気にかる必要がなく、むしろ助かるというのです。

◇「5:2ダイエット」体験談

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ダイエットに成功したコメディアンのジミー・キンメル。

 「5:2ダイエット」という「断続的断食(インターミッテント ファスティング)」で、減量を誓った海外のセレブリティたちも多いようです。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 例えば、Twitter社のジャック・ドーシーと言えば、断続的断食を実践していることで有名です。また、コメディアンのジミー・キンメルは「25ポンド(約11Kg)の減量の成功は、“5:2ダイエット”のおかげだ」と言っています。

Source / Men’s Health US
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。