睡眠計とゲーム要素が
合わさったアプリ

お気に入りのゲームを楽しんでいるとき、いつの間にか日が昇って時計が午前6時を指し、うっかり夜通しプレイしてしまったことに気づく…。ゲーマーなら、誰もが知っている時間感覚ではないでしょうか。ですが人間は、毎日の約3分の1はシャットダウン、つまり、健やかな生活をおくるためにが睡眠を必要とするものです。

「永遠に『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をプレイできたらいいのに!」、なんて思うときもあるでしょう…。そして任天堂の悪魔的な天才たちは、世界中にそんな声が上がっていることに気づいたようです。実際、彼ら自身が言っていたのかもしれません…その可能性は大です。そうして彼らは、またしても不可能を可能にしました。それが、2023年7月にリリースされたモバイルアプリ『ポケモンスリープ(Pokémon Sleep)』、通称「ポケスリ」です。

このアプリは、睡眠計とゲームという全く異質な2つのものを組み合わせたもの。任天堂はついに、意識を失っているときにプレイできるタイトルを生み出したのでしょうか? 年中無休のゲームが現実のものとなったのでしょうか? 驚くことに...そうでした。

私(筆者ジュシュ・ローゼンバーグ)がこのゲームに触れたのはほんの短い時間ですが、このモバイルアプリは明らかに単なる目覚まし時計以上のものでした。『ポケモンスリープ』は、最近人気のコレクションゲームの中でも特に魅力的な体験を提供します。『ポケモンGO』以来、私は夜に外で木にスマホを向けながら走り回っていました。

pokemon sleep tracker mobile game
Nintendo
『ポケモンスリープ』は明らかに、若年層に良い睡眠習慣を身につける方法を教えることを意図しています。実際に機能を試してそう実感しました。

『ポケモンスリープ』の
仕組みと使い方

このアプリの要点を説明すると他の睡眠記録アプリと同様、『ポケモンスリープ』はベッドサイドに置いて、寝返りやいびきなどを振動や音により記録する必要があります。そしてあなたの眠りの深さによって、朝になるとフィールド上にさまざまなポケモンが現れるという仕組みです。

一晩中落ち着きがなかったら、もしかしたら疲れ切ったピカチュウに会えるかもしれません。ですが、推奨される時間で深い睡眠をとれば、まどろむポケモンでいっぱいになるでしょう。そしてポケモンたちの寝顔を集め、図鑑を埋めていきます。さまざまなポケモンの好きな眠り方について書かれた可愛らしい項目が満載の、この寝顔図鑑も素晴らしいものです。

『ポケモンスリープ』は優れた機能を備えた睡眠計でもあり、「一晩に何時間うとうとしていたか?」だけでなく、「どれだけよく眠れたか?」を知ることができるのです。 また、睡眠の質を「うとうと」「すやすや」「ぐっすり」の3タイプに分類。そして毎晩終わりには、睡眠時間に応じた睡眠スコアを得ることができます。

このゲームが若年層に良い睡眠習慣を身につけさせることを目的としているのは、明らかでしょう。『ポケモンスリープ』が子どもたちに好まれることは、容易に想像できます。この体験はキュートであるながら(意識のある)時間はあまり必要とせずにポケモンが登場するのですから…。

pokemon sleep pikachu
Nintendo
昨晩、「ピカチュウに怒られる」と思ってベッドに入りました。.

もちろん、『ポケモンスリープ』にはモバイルゲーム的な要素もあるため、普通の大人のようにFitbitを使いたくなるかもしれません。

『ポケモンスリープ』のストーリーは世界のどこかにある小さな島を舞台に、ポケモンの睡眠生態の研究を進めていくというもの。カビゴン(食べることや眠ることが好きなポケモン)を中心に展開され、育てたり研究したりします。

目を覚ますと、睡眠レポートが「ねむけパワー」に変換されて数値が表示されます。「ねむけパワー」は、睡眠スコアとカビゴンの「カビゴンエナジー」という数値を掛け合わせたもので、その点数は数百万点になることも…。ある日の私は、6時間眠って100点中60点の睡眠スコアを獲得し、「カビゴンエナジー」は4万だったので「ねむけパワー」は240万になりました。

カビゴンのエナジーは、料理やきのみ、ゲーム内の課金アイテムでも増やすことができます。高得点を取るためだけにこのゲームに10セントも使うとは思えませんが、親のクレジットカード番号を知っている子どもたちは手を出してしまうかもしれません…。

『ポケモンスリープ』が私の本当の問題、つまり、テレビを見たりドゥームスクロール(ネット上でネガティブな情報ばかりを検索し続けてしまうこと)をしたりして夜更かししてしまうことを解決してくれるかどうか? はわかりません。それでも昨日の夜は、「ピカチュウに怒られる」と思って寝ました(そして、怒らせるつもりはなかったけれども、ピカチュウを怒らせました)。だからもしかしたら、本当にもしかしたら、『ポケモンスリープ』が私の睡眠習慣を直してくれるかもしれません。

公式サイト

source / ESQUIRE US
Translation & Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です