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引き出しや棚に思わず手が伸び…そしてポテトチップスの袋を…もしくはお菓子の残りを…、はたまた後で食べようと思って取っておいたクッキーを探る…。
皆さんにとって誰もが、身に覚えのあるお話ではないでしょうか。そして、悩む間もなく、口の中へと放り込んでしまう…。
すると満足感が押し寄せ、心の静寂が訪れるわけですが…。そのあとですぐに、罪悪感に苛(さいな)まれる経験は何度も味わっていることでしょう。ですが…、再びストレスの波が押し寄せると、おなじ過ちを繰り返すわけなのです。
そのような日常の循環から抜け出すのは、そう容易なことではありません。人はストレスに襲われると、甘いものやジャンクなものを食べたくなる傾向があるのです。
なぜなら…それらの食料には実際、ストレスにより分泌されるホルモンであるコルチゾールが含まれ、そしてそれは交感神経を刺激し、脈拍を亢進(こうしん)させることで血圧を上昇させ、運動機能を活性化する働きがあるとのこと。
そこで、このようにストレスが(仮に短時間であっても)軽減されるという快感によって、それはクセとなり、プレッシャーを感じるたびにそのような食料に手が伸びてしまう…という仕組みになっているようです。
◇これに関しての解決方法ですが…?
一番は、「自分は実際には空腹ではない。勘違いの食欲に突き動かされているだけだ」と自覚すること。これだけで、我に返れる場合もあるのです。
とはいえ、うまく行かなくても心配には及びません。
ストレス性の食欲を抑える手段は、他にもたくさんあります。栄養士および心理学者による代案をここに用意しました。ご検討くださいませ。
【衝動を抑える対処法1】自分へのご褒美はしっかりと―でもルールを守って
「今、自分が心から求めているのは何なのかを、よくよく考えるようにしてください」と念を押すのは、ベストセラー『Eat Clean, Stay Lean』の共著者としても知られる栄養士のウエンディー・バジリアン博士 です。
あなたがいま求めているのははたして、それはチョコレートのひと欠片なのか、それとも小さな器に盛った大好きなブランドのアイスクリームであるのか?
「求めるものが何であれ、周に1度か2度くらいは、自分へのご褒美として許しましょう」。自意識を高く保って、オフィスやファーストフード店にありがちな、ジャンクフードの誘惑に負けないようにするのです。
【衝動を抑える対処法2】他の物事に目を向けよう
「なにか楽しいことに、手先と意識を向けてしまえば良いのです」と説明するのは、ドレクセル大学で栄養学の准教授を務めるジェニファー・ネイサー博士です。
バジリアン博士も、その意見に賛同しています。
スマホで友人にメッセージを送るとか、メールを確認するとか、ちょっとしたゲームに時間を費やすことで、ストレス由来の食欲は消えてしまう場合があるということです。
【衝動を抑える対処法3】お茶で、5分間の息抜きをしましょう
「ストレスにやられていると感じたら、カモミール・ティーを淹れて、数分間の瞑想をするのがとても有効的です。私も実践しています」と、アドバイスするのは、栄養士として医療の現場を支えるジェシカ・フィッシュマン・レヴィンソン先生。
いったん速度を緩めて、瞑想しながら呼吸を深くする。これがストレスへの対応として効果的であることは、今さら驚くべきことではないでしょう。
また、カモミール・ティーには不安を和らげ、気分を落ち着かせる効果があることが分かっています。つまり、「ひと晩中、寝返りをうちながら眠れない」という状況を抑制してくれることが期待できるわけです。
また、ホットミルクと同様に、就寝前に一杯のカモミールティーを飲むと、体温の上昇とその後の下降の作用で眠気を促進してくれることも期待できるのです。
【衝動を抑える対処法4】(できるかな…)ちょっと味わうだけ、に留める
バジリアン博士によれば、少量のほうが長持ちするということも言えるようです。
ほんの一口が欲しかっただけ、と気づくことだって多いはず。そのことを裏づける研究がなされています。
コーネル大学でなされた調査によれば、15グラム以下のチョコレート、もしくはポテトチップスによって得られる満足感は、その10倍の量を食べた場合とそう変わらないということなのです。
(気になっている食べ物が、あなたの状態を本当に解決してくれるものなのか、いま一度、注意深く考えてみてください。もしそうでないのなら、衝動的に手を伸ばしてしまうよりも、次回に残しておいたほうが良いかもしれません…)
【衝動を抑える対処法5】オヤツは計画的に
ストレスを覚えると、どうしてもなにかを口に運んでしまうというあなた。例えば、人参スティックであるとかリンゴ、セロリといった低カロリーのフィンガーフードを手元に用意しておくようにしてください。
そうアドバイスするのは、ネイサー博士です。
満足度をアップさせるなら、ピーナッツバターなどのタンパク質成分も合わせてみても良いようです。
「自分は甘党だという人は、スイーツを食べる歳になにかプロテイン(タンパク質)に富んだ食べ物、例えばハチミツを塗って、シナモンを振ったカッテージチーズなどを思い浮かべてみてください。これを試してみてはどうでしょうか」と、ネイサー博士。
「プロテインを摂ることで脳が感じる満腹感と、求める甘い味わいからの満足感とで、食べ過ぎを回避することができるでしょう」とのことです。
【衝動を抑える対処法6】食事を抜かない
良い栄養状態を保つことは、ストレス・マネージメントの観点において、極めて重要です。
例えば、マグネシウム不足が人々の甘い物への欲求をいかに増加させるのか、ちょっと考えてみてください。私たちのほとんどがマグネシウム不足に陥っています。
不規則な食生活では、「必要な栄養素を蓄えることはますます困難になる」と、バジリアン博士は警鐘を鳴らします。
食事を抜けば血糖値が低下し、そこにストレスが重なれば、つい間食に手が伸びてしまうのです。
とはいえ、「あまりの忙しさに食事を摂る暇もない」という日だってあるでしょう。そんな日には、予め栄養バランスの整えられたスナック類で、食事までのあいだを乗り切りましょう。アーモンドにレーズン、プレーンヨーグルト、新鮮な果物、適量のチーズを乗せた全粒粉クラッカーなどが良いようです。
そのような食材を予め用意しておくことで、ポテトチップスやプレッツェル、飴やケーキやドーナッツに手を伸ばさずに済むのです。
【衝動を抑える対処法7】みかんの皮を剥(む)く行為
「みかんの皮を剥く」というシンプル極まりない行為に、リラックス効果があると言います。
「柑橘類を剥くという行為は、束の間の瞑想的な時間になります。手に持っていたものを手放して、両手を用いて行わなければならない作業でもありますので…」と、アルバース博士は言います。
さらに素晴らしいことに、柑橘類の香には心を落ち着かせる効果があるそうなのです。職場で「ドーナッツをむさぼりたい!」という衝動が抑えられるかもしれません。
リラックス効果をより高めるために、みかんの皮を螺旋状に、ゆっくりと剥きながら深く呼吸をすることで、より多くのい香を吸い込むことができます。
剥き終えたら中のみかんは一房一口ずつ、よく味わうようにゆっくりとした時間を意識しながら食べましょう。
【衝動を抑える対処法8】アボカド・トースト
「アボカドに含まれる健康的な脂肪分、タンパク質、繊維質が空腹感を退けます。そして、満足感があなたをジャンクフードから遠ざけるのです」と、レヴィンソン先生。
「加えて全粒粉パンに含まれる複合的な炭水化物の効果により、気分に作用する神経伝達物質、脳内セロトニンの放出量が増加するのです」、とも説明しています。
【衝動を抑える対処法9】シナモン入りドリンクを一口
「マグカップに沸騰したお湯、それとシナモン・スティックと小さじ一杯のハチミツさえあれば準備完了。ストレスによる甘い物への衝動を抑えることができます」と、アドバイスするのはクリーブランド・クリニックの臨床心理士であり、ベストセラー『Eating Mindfully』(食も心もマインドフルに――食べ物との素敵な関係を楽しむために)』の著者、スーザン・アルバース博士です。
「インスリンに作用するシナモンは、血糖値の安定に役立つことが解明されています」と、アルバース博士。
目覚めのコーヒーにひと振りするのも良さそうです。
【衝動を抑える対処法10】15分間のウォーキング
「ストレスや退屈、悲しみやその他の感情によって、食欲を刺激されるようなときには、私ならまず外に出てウォークングやランニングを行います」、と教えてくれたのは栄養士として医療の現場を支えるジェシカ・フィッシュマン・レヴィンソン先生です。
「エクササイズによってエンドルフィンが放出され、リラックスした精神状態を得ることができるのです。新鮮な空気もまた、ストレス軽減によく効くことが知られています」とも教えてくれました。
実際に、「15分程度のウォーキングによって、甘いお菓子の衝動が抑えられる」という、オーストラリアで行われた研究もあります。
【衝動を抑える対処法11】長いスパンで物事を考える
「食べた物により得られる快楽が持続する時間は、わずか3分間だとする研究があります」と言うのは、アルバース博士。
「この数字を頭に叩き込んで、忘れずにおくことは役立ちます。『3分間より長く持続可能な、良い気分にさせてくれる方法はなんだろう?』と、自問するのです。クッキーがその答えになることは、ほぼないでしょう…」と、アルバース博士は説明してくれました。
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※今回記事は Prevention.com に掲載された「12 Ways to Stop Your Stress Eating, According To Nutritionists and Food Psychologists(栄養士と臨床心理士に聞いた、ストレスによる暴食を止める12の方法」を元に構成されています。
◇Stephanie Eckelkamp(筆者)…フリーランス・ライター、健康コーチ、健康と食と栄養のメディアPreventionの編集に携わる。
Source / MEN’S HEALTH
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。