本記事をご覧の皆さんの中には今後、野菜など植物性ベースの食生活を試そうとしている方も多いのではないでしょうか。または、「野菜が大好きだから」でも構いません。ぜひ参考にしてください。
※以降、1カップ表示でタンパク質などの分量が示されていますが、アメリカにおいて液体を量るときの1カップ=235cc(ml)となります。よって、日本の計量カップは基本200ccなので、≒1と1/5カップということになります。
◇植物性タンパク質を摂取するメリット
医師や栄養士が推奨している一般的な事実として、「野菜の摂取量を増やすことが身体に良い」ということは周知のことでしょう。
多くの野菜には食物繊維が多く含まれ、病気を防ぐ抗酸化作用も期待できます。そして、絶対に欠かすことのできないビタミン類とミネラルも豊富に含まれていると言っていいでしょう。これらは、体調を改善へと導く効果が大いに期待できるのです。
さらに一部の野菜によっては、身体づくりの素となり、健康維持をサポートしてくれる主要栄養素のひとつ、タンパク質も豊富に含まれているものもあります。
◇留意点:植物性タンパク質と、動物性タンパク質の比較
タンパク質を含む28種の野菜をご紹介する前に、まず最初にお伝えしておくべきことがあります。野菜から摂取できるタンパク質は“動物由来の食材”ほど、多くのタンパク質は含まれていません。
これはベジタリアンやヴィーガンの食生活を実践する際の難点でもあり、活発に運動をする方にとっては特に悩ましい問題です。
例えば、小さめに切った鶏胸肉カップ1杯分には、約43グラムのタンパク質が含まれているので、これから紹介する野菜のタンパク質含有量と比べる基準にしてみると分かりやすいでしょう。
これから、タンパク質を多く含む野菜を紹介していきますが、それでも動物由来の食材にはかなわないことは留意しておきましょう。
◇加工食品ではなく、畑から生まれた28種のタンパク質豊富な野菜
また、植物由来の「代替肉」とも言われている豆腐や、セイタン(=小麦グルテンからつくられた植物性タンパク質を含む代替肉・麩<ふ>)のような植物性食品は、もちろんタンパク質は豊富です。が、本記事の紹介リストには載せていません。ここでは加工食品ではなく、畑から生まれた野菜だけを紹介します。
そして、より多様に植物由来の食材が選べるよう、豆類も野菜と見なしています。実際に豆類も畑から育った植物の一部、種子なので、ここでは一緒に紹介させていただきます。なにより、葉もの野菜より、多くのタンパク質を含有しているのですから。
それでは、意外にも、タンパク質を摂取できる28種類の野菜と豆類を紹介していきましょう。
【1】アスパラガス|タンパク質が豊富な野菜
調理済みのアスパラガス8本に含まれるタンパク質は、約3グラム。また、体内でビタミンAに変換されるβ-カロテン、さらにビタミンB1、B2、C、K、葉酸などビタミン類を豊富に含みます。
また、穂先の部分にはアミノ酸の一種であるアスパラギン酸や動脈硬化や高血圧の予防が期待されるルチンも豊富な食品です。
【2】ブロッコリー|タンパク質が豊富な野菜
ひと口大に切ったブロッコリーをカップ1杯(およそ240mlとしてください)分食べれば、約4グラムのタンパク質を身体に取り入れたことになります。
ナチョスチーズソースに浸して食べれば、さらに多くのタンパク質を摂取できますが、余計なカロリーも体内に入れることになりますし、何よりチーズということで動物由来のソースになることは言うまでもありません。
【3】アボカド|タンパク質が豊富な果物
※厳密にはアボカドは野菜ではなく、果物に分類されます。
アボカド1個には約4グラムのタンパク質が含まれるだけでなく、およそ14グラムもの食物繊維も含まれています。さらにビタミンEも豊富ということ。なので、要注目の食品と言っていいでしょう。
とは言えアボガドは、脂肪分も多いことは否めません。100gあたり、約20グラムと言われていますが、その多くは不飽和脂肪ということなので、適度の摂取をおすすめします。
【4】ベイクドポテト|タンパク質が豊富な野菜
う~む、ここでいきなり「ベイクドポテト」って、料理でご紹介。つまり、じゃがいもをおすすめしたのです。
大きめのじゃがいもは、1つで約7グラムのタンパク質を摂取できます。フィリング(細かくして具材としての使用)しても同様に、タンパク質が摂取できますので。
【5】アーティチョーク|タンパク質が豊富な野菜
調理済みのアーティチョーク1本だけで、約3グラムのタンパク質と約7グラムの食物繊維が摂取できます。
【6】ルッコラ|タンパク質が豊富な野菜
カップ1杯のルッコラには、約0.5グラムのタンパク質が含まれます。つまり、4カップで約2グラムということ。グリーンサラダに加えてもいいですね。
【7】レッドポテト|タンパク質が豊富な野菜
じゃがいもを再び紹介させてください。タンパク質豊富なじゃがいもの中でも、最近「おいしい」と人気の赤じゃがいです。品種で言えば、「アンデスレッド」という名前はスーパーなどで見たことがあることでしょう。これは加熱すると、ホクホクした食感が楽しめ、とても美味ですので。
これもじゃがいも一種なので、タンパク質は豊富。調理後の大1個分で、約7グラムのタンパク質が摂取できます。また、食物繊維とビタミンB6も豊富で、ビタミンB6はタンパク質の代謝を促進してくれると報告されています。
【8】ビーツグリーン(ビーツの葉)|タンパク質が豊富な野菜
火を通したビーツの葉カップ1杯分には、約4グラムのタンパク質が含まれています。さらには、病気の発症リスクを低下させると言われているポリフェノールの仲間、ベタシアニンという色素も豊富です。
【9】ブロッコリー・レイブ|タンパク質が豊富な野菜
青々としたアブラナ科のブロッコリー・レイブは苦味が特徴で、一束には約17グラムものタンパク質が含まれています。
一束となると、確かにかなりのボリュームですが、半束であれば無理なく食べられますし、それなりの量のタンパク質を摂取できます。
【10】芽キャベツ|タンパク質が豊富な野菜
やはりアブラナ科の野菜である芽キャベツは、カップ1杯で約4グラムのタンパク質のほか、同量の食物繊維も摂取できます。
【11】さつまいも|タンパク質が豊富な野菜
さつまいもは、良質なタンパク源を摂れる野菜のひとつです。調理後のさつまいも大1個分で、約5グラムのタンパク質が摂取できます。
さらに、さつまいもにはβ-カロテンも豊富なので、視力や肌、免疫システムの健康サポートが期待できるでしょう。
【12】ホワイトマッシュルーム|タンパク質が豊富な野菜
カップ1杯のホワイトマッシュルームには、約3グラムのタンパク質が含まれます。厳密にはマッシュルームは野菜ではなく「キノコ」ですが、まあ細かいことは気にしないようにしましょう。
【13】カリフラワー|タンパク質が豊富な野菜
ブロッコリーと同じアブラナ科のカリフラワーにも、わずかですが野菜として豊富とみなしてご紹介。カップ1杯で約2グラム分のタンパク質が摂取できます。
【14】タンポポの若葉|タンパク質が豊富な野菜
タンポポは公園などの生える雑草のようなイメージが強く、日本では食用が一般化されていません。ですが欧米では、栄養豊富な優秀なハーブとしてタンポポを食す習慣があり、普通にシーズンになると旬の野菜としてスーパーで売られていたりしています。なので、ここでご紹介。
葉っぱには苦みがありますが、その苦みがたまらないと方もいるようです。葉っぱの割にはタンパク質を含んでいて、その量はほうれん草以上と言われています。
また、カップ1杯分の調理済みのタンポポの若葉には約2グラムの食物繊維も含まれます。また、ビタミンA、鉄、カルシウム ビタミンK、カリウム、カロテノイド、ビタミンC等と豊富な栄養素がリストアップされます。ブロッコリーと比較すると、ビタミンAはブロッコリーの1.5倍、カルシウムは4倍、ビタミンKは7.5倍。ホウレンソウと比較しても、鉄分が2倍、ビタミンB2が3倍と言われています。
【15】枝豆|タンパク質が豊富な野菜
枝豆はサヤに入った大豆で、手軽に食べられます。とりわけ塩をまぶしたり醤油をかけたりするとおいしく食べることができ、カップ1杯分で約11グラムのタンパク質を含みます。
【16】ケール|タンパク質が豊富な野菜
高い栄養価で大人気のスーパーフードには、タンパク質もわずかではありますが含まれているものもあります。なので、「スーパーフードであり、タンパク質も豊富なもの」というのをお探しなら、ケールがおすすめです。
調理済みのカップ1杯分のケールを食べると、約3グラムのタンパク質が摂取できます。
【17】レンズ豆|タンパク質が豊富な野菜
レンズ豆はベジタリアン用のチリに最適な食材であり、火を通した半カップ分のレンズ豆には、約9グラムのタンパク質が含まれています。