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【7つのメリット】「断続的断食(ファスティング)」の効果と研究結果
減量以外にも「断続的断食(ファスティング)」には、心臓の健康や筋肉の維持といった驚くべき効果が期待できるようです。
「断食」にチャレンジする人のほとんどは、ひとつの目的を念頭に置いています。それはすなわち、「減量」です。
科学的観点からすると、この断食にはダイエット効果以外にもさまざまな利点が期待できるようです。「終日、隔日および時間限定の断食において、健康上のメリットがあることがいくつかの研究結果で示されている」と説明するのは、医学博士で管理栄養士のキャロリン・ウィリアムズ博士です。
これらの研究に対しての科学者の推測では、「短期の断食にメリットがあるのは、24時間体制の食事に計画的な休息を与えるからではないか?」という仮説が有力となっています。そして、「食事の内容を変えなくても、カロリーが消費される時間をコントロールすることで、絶え間なく食事の攻撃にさらされている身体を休ませることができます」と、ウィリアムズ博士も言います。
「16時間断食」で内臓を休ませる効果|胃腸の疲れをリセット
「本当かな?」、と思っていらっしゃるかもしれませんね。実はウィリアムズ博士も、最初はそう思っていたそうです。そしてその後、彼女はそれらの調査結果を研究したのです。
「それらのデータをよく見て、自分自身で実際に時間限定の断食まで体験してみました。『断食は血糖値に影響を及ぼすだろう』と予測はしていました。なぜなら私は低血糖になりやすく、食事をしないとどうなるか?を、自分でよくわかっていたからです」と、ウィリアムズ博士。
実際、これを行ってみると16時間もの間、何も食べなくても全く問題がなかった自分に、ウィリアムズ博士はたいへん驚いたそうです。彼女のやり方は、「午後7時に夕食を食べたあと、翌朝11時まで何も食べない」という方法です。人気のある「16時間断食(16時間ダイエット=16:8ダイエット)」の絶食パターンで、残りの8時間で食事を摂る方法です。
16時間ダイエットとは? その効果とやり方
「1日16時間の間は食事を摂取せずに、残りの8時間内で適度な食事をする」という断食方法、これH“16:8ダイエット”とも呼ばれています。
「ダイエット」と言いましたが、これは「食事療法」に近いものです。ですが、科学的にも体重を減らす効果が大いに期待できるという研究も報告されています。「16時間ダイエットで、自分がそれほど空腹になっていないことに気がつきました。実際、ときどき昼食を摂るのを忘れそうになることもあるんです」と、ウィリアムズ博士。
ちなみに他にも“5:2ダイエット”と言われる、「週に2日は500キロカロリーに抑える」という断食のやり方もあり、日本では『週2日ゆる断食ダイエット』の著書で有名となりました。
断食(ファスティング)もたらす健康への効果
断食が長期間のダイエットに有効かどうかについては、さらなる調査が必要です。が、短期的には効果があることに議論の余地がありません。
『最低でも12時間、理想的には16時間の間は食事を控えたなら、身体は体内のブドウ糖を燃焼して、脂肪をエネルギーへと変換できるようになります」と、ウィリアムズは説明してくれました。いくつかの研究によると、わずか3週間で体重を3%~8%くらい落とすことも期待できるそうです。
カロリーを制限するダイエットに比べ、この「断続的断食(ファスティング)」にはより腹部の脂肪減少をもたらす傾向があることを示唆している調査もあります。ウィリアムズ博士自身は、「より大きなエネルギーと思考が明瞭化するのを感じる」と言っています。
「断続的断食(ファスティング)」には、他にも潜在的なメリットや健康効果がいくつか報告されています。なので、それらを紹介していきましょう。すべて調査による裏づけがあるものばかりです。
【1】筋肉の維持に役立つ可能性|「断続的断食(ファスティング)」の効果
カロリーを制限して減量した場合、減った体重の一部は筋肉量の減少によるものです。「断続的断食(ファスティング)」でも、通常のカロリー制限ダイエットと同様、それは避けられません。
しかし、少なくともイリノイ大学のキネシオロジー栄養学科が行った研究では、「断続的断食(ファスティング)は、筋肉量の維持しながら脂肪を燃焼させることが期待できる、より効果的なダイエット法である」という結果が導き出されています。
この研究では、2種類の肥満体成人の比較を行っています。片方はカロリー制限ダイエットを行ったグループ、もう一方は体重が同程度で、「断続的断食(ファスティング)」によって体重を減らしたグループです。
そうして12週間後。体重と脂肪を減らす点では、どちらのダイエットも同じくらい効果的であることが確認されました。ですが、筋肉量の減少は断食を行ったグループのほうが少なかったそうです。
【2】腹部の脂肪をターゲットにできる可能性|「断続的断食(ファスティング)」の効果
学術誌『セル・メタボリズム』に掲載された報告によると、肥満の人が1日のうち任意の10時間を食事時間として選び、残りの14時間で食事を控えたところ、「12週間後に腹囲および腹部の内臓脂肪に減少が見られた」とのことです。
【3】糖尿病になるリスクを軽減できる可能性|「断続的断食(ファスティング)」の効果
前項で紹介した『セル・メタボリズム』の研究では、ほかにも「断続的断食(ファスティング)」によって、2型糖尿病や心臓病などの代謝性疾患になるリスクを軽減できる可能性」を示す結果が出ています。
同研究に参加した被験者は全員、メタボリックシンドロームの診断を受けており、高血糖、過剰な腹部脂肪、高血圧、コレステロール値やトリグリセリド値が異常に高いなど、2型糖尿病や脳卒中や心臓病になるリスクを高める健康不安を抱えている人たちです。
12週間後には全被験者において、メタボリックシンドロームの一般的な診断基準となるすべて点での改善が見られたそうです。
さらに学術誌『トランスレーショナル・リサーチ』では、被験者がカロリーを75%制限する「断食日」と、カロリー制限のない「食事日」を交互に繰り返す隔日の断食について調べた同様の研究において、血糖とインスリン抵抗性で臨床的に顕著な減少が見られたという結果を掲載しています。関連記事:「糖尿病」改善が期待できる食べ物&飲み物17選
【4】高血圧を改善してくれる可能性|「断続的断食(ファスティング)」の効果
『ニュートリション・アンド・ヘルシー・エイジング』に掲載された研究では、カロリー計算をしないで「16時間断食(16時間ダイエット)」を行った被験者は、カロリー制限のグループに比べると12週間後に最高血圧で顕著な減少が見られたことが確認されています。
【5】炎症と戦える可能性|「断続的断食(ファスティング)」の効果
「炎症」とは、感染、病気、けがに対する人体が示す自然の防御策のひとつです。ですが、それとは別の種類の炎症もあり、慢性的な炎症は心臓病や糖尿病の静かな引き金になる可能性も報告されています。
喫煙、精神的なストレス、揚物や脂肪分・糖分の多い食べ物を日常的に食べることなどが、その一般的な原因です。「断続的断食(ファスティング)」は、代謝性疾患になるリスクを軽減してくれる抗炎症効果を促進し、また、喘息患者の肺機能を向上させることが複数の研究によって示されているのです。
さらに学術誌『オウビーシティ』によると、短期の断食がもたらす炎症の抑制は、脳を記憶障害やうつから保護することも期待できるとつづられています。
【6】酸化ストレスを軽減してくれる可能性|「断続的断食(ファスティング)」の効果
『セル・メタボリズム』に掲載された研究によると、「習慣的な「断続的断食(ファスティング)」で体重が減らない場合でも、細胞が特別な防御の恩恵を受けている可能性がある」とのこと。
同研究では糖尿病予備軍の男性を集め、「食事が摂れるのは、午前8時から午後2時までの早い6時間だけで、残りは断食する」グループと、「12時間で食事を自由に摂る」グループ2つに分けて調査を行っています。
すると5週間後、前者である食事を早い時間に制限されたグループでは、(予想していたように)血圧とインスリン抵抗性に改善が見られました。その上、不安定な分子構造によってタンパク質やDNAに損傷を与える可能性を有する、生体内で発生する活性酸素種・フリーラジカルの酸化損傷力と体内の抗酸化力との差からなる「酸化ストレス」への抵抗力向上を示す数値も導き出されたそうです。
【7】長寿につながる可能性|「断続的断食(ファスティング)」の効果
ラットを使った研究では、「極端なカロリー制限よりもはるかに続けやすい、断続的断食(ファスティング)は寿命を延ばす可能性がある」という結果が示唆されています。
その研究では、制約なく自由に餌を食べることができたラットと、1日おきに断食したラットを比較した結果、お腹いっぱい食べたラットより、断食したラットのほうが83%長生きした」と報告されています。
さて皆さんは、どう思ったでしょうか? いずれにせよ、身体は人それぞれ。向き不向きがあることは否めません。なので、無理は禁物です。それだけは忘れずに。
ちなみにエスクァイア日本版の小川編集長は、16時間断食を3カ月間実践したところ、その期間でおよそ18キロほどの減少に成功しています。ですが、「同時に筋肉量も落ちてしまって寂しいよ」と嘆いていました。なので、その点は皆さんもご注意ください。
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Source / Men’s Health US
Translation / Satoru Imada
※この翻訳は抄訳です。