「ビットコインの波に乗り遅れてしまった」と悔やんでいる人もいるかもしれませんが、かえってよかったのかもしれません。

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  世界中で注目されている、仮想通貨「ビットコイン」

 ビットコインについては、「インターネット上の不可解な流行」と呼ぶと失礼かもしれません。ですが、この「新たな投資機会」は2012年にフェイスブック上で、ネットワークビジネスとして有名な「Herbalife(ハーバライフ)」を真剣に広めていたような人々の心を掴んできました。しかしながら、新時代の金融専門家となった彼らは今、この通貨にとって過去最大級の下落に苦しんでいます。 

 いま現在、「ビットコインの流行に乗り遅れた」と後悔している人もいるかもしれませんが、結局、それはそれほど重大なことではなかったようです…。 

 この数週間でほぼ半分まで価値が下落したビットコインですが、トップクラスの経済学者たちはその価格がさらに下がると予想しています。

 財務分析およびコンサルティングを行う独立企業のキャピタル・エコノミクス(以下、キャピタル)は最近、英「ザ・ガーディアン」紙の取材に対し、「ビットコインやこれを模倣する通貨が、現在の通貨に取って代わる可能性があるという主張はくだらない」としています。 

 この記事の執筆時点(2018年1月18日)で、1ビットコインの価格は健全とは言い難い8200ポンド(約126万3000円)となっていますが、12月のピーク時の1万3000ポンド(約200万円)からは大きく下落しているのです。 

 これは、「ボラティリティ(価格の変動性)の高い暗号通貨を規制する当局の動きが進むのでないか⁉」という見方を、一般の投資家たちが懸念しているためです。(次ページへ続く)

ビットコイン問題はチューリップ・バブルと似たような現象。

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Photograph/ Getty Images 

  
 キャピタルはビットコイン問題の一因として上げられるのは、この通貨の価格の上昇が何らかの戦略的な見解ではないというもの。それは、「ビットコインの価値は上昇し続けるだろう」という単純な信仰によってもたらされていることを挙げています。つまり、チューリップ・バブルと似たような現象だということなのです。 

 キャピタルの見解は、次のようなものになります。 

「ほとんどの人々は将来的にビットコインが、グローバル通貨になると信じてこれを買っているわけではありません。この通貨の価値が上がると、単に予想して買っているだけなのです ―― このため、ビットコインは古典的な投機的バブルのあらゆる特徴をもっており、最終的にバブルは弾けることでしょう。バブル崩壊の引き金となるのは、規制当局による取り締まりの可能性もありますし、大規模なハッキング行為の可能性もあります ―― ビットコインバブルが完全に弾けるタイミングは誰にもわかりませんし、この通貨の価格がまた上がる可能性もあります。しかしながら最終的には、価格はさらに下落するでしょう」とのこと。 

 
 ただしキャピタルによれば、将来ビットコインが禁止されたり、時代遅れになったとしても、暗号通貨を支えるブロックチェーン技術自体が社会に影響を与える続けることは確かだと言います。 

「ブロックチェーン技術の可能性は、銀行などの仲介者の必要性をなくすことで、経済システムを変えることだけではありません。納税記録や病院記録の管理など、他にも様々な応用の可能性があります。特に興味深いのは、スマートコントラクトと呼ばれる仕組み。この技術はサプライチェーンや貿易金融を一変させる可能性があります」と説明しています。 

 ビットコインに乗り遅れた人も、ブロックチェーン技術の恩恵は将来的に受けられる展望となっています。なので、いまからブロックチェーンはぜひとも予習しておきましょう!


By Finlay Renwick on January 18, 2018
Photos by Getty Images
ESQUIRE UK 原文(English)

TRANSLATION BY Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。


編集者:山野井 俊