ギレイン・マックスウェル
Anadolu Agency//Getty Images
2022年6月28日ニューヨーク連邦地裁にて

「少女たちを世界中のセレブリティに斡旋し、ペドファイル(幼児性的虐待者)の世界的シンジゲートをつくった」とされる実業家ジェフリー・エプスタイン(2019年に逮捕されたものの、勾留中に謎の死を遂げた)。2005年に事件が最初に報道された際には、顧客にはビル・クリントン元大統領やエリザベス女王の次男・アンドルー王子(2022年2月に原告側と和解)、さらに当時、エプスタインの顧問弁護士でもあったハーバード・ロー・スクール名誉教授のアラン・ダーショウィッツ(2018年12月に公開されたニュースサイト「AXIO」の記事には、「法定年齢に達している女性からマッサージを受けた」と認める発言が掲載されている)など、彼に近しいセレブリティが含まれていたと伝えらていました。

エプスタインの元恋人でソーシャライトのギレーヌ・マクスウェルは、この犯罪に深く関わっており、未成年女性たちの斡旋や人身売買など6件の容疑で逮捕されました。2021年12月には、うち5件で有罪判決を受けています。さらに先月(2022年)6月28日には、懲役20年の実刑および75万ドル(約1億円)の罰金が科されました。

ギレイン・マクスウェル
Davidoff Studios Photography//Getty Images
ギレーヌ・マクスウェル(右)とジェフリー・エプスタイン(中央右)。ドナルド・トランプ(左)の別荘マー・ア・ラゴで彼の恋人(当時)メラニア・クナウスと。

これに対してマクスウェル側は、「不服」として控訴。現地時間7月7日、マンハッタンの連邦裁判所に控訴通知が提出されました。

弁護士は、「彼女はエプスタインの犯罪のスケープゴートにされた」と主張。「検察側が合理的な疑い以上の、有罪を証明する証拠を提出できなかったこと」「検察側が彼女を起訴するのに時間がかかりすぎたこと」「陪審員の一人が性的虐待のサバイバーであることに言及しなかったこと」などを挙げ、有罪判決には問題があるとしています。

この控訴手続きには数カ月が必要とされており、ようやく終結したかに見えた被害者の闘いは、これによってさらに続くことになるでしょう。

SOURCE:The Guardian, Al Jazeera, Bloomberg, AXIO