映画『バットマン』や『スパイダーマン』のように当然、高層ビルを飛び越えられるスーツというわけではありません。ですが…、「楽ちん」に歩けるようにしてくれるそうです。
Courtesy of @SEISMIC(via Youtube)
This Robotic Underwear Wants to Help With Aches, Pains, and Poor Posture
サイスミック社(Seismic)という新興の衣類メーカーが、「パワード・クロージング(Powered Clothing)」というラインナップを発表して注目を集めています。それは、筋肉や関節をサポートしてくれる衣類だというのです。
「テッククランチ・ディスラプト(TechCrunch Disrupt)」というスタートアップやテック系企業で賑わうアメリカ西海岸で開催さえたイベントで、同社が発表したこの製品は、2018年末には店頭に並ぶか可能性も示唆していました。
それも、なんと下着です。
「我々の初めての製品となるのは、体幹を重要視した“身にまとうパワー”とでも呼ぶべきものです」と、同イベント「テッククランチ」で力強く演説したのは同社CEOのリッチ・マホーニー氏。
「人体の臀部(でんぶ)、そして背部をサポートし、機動力と体型を支える秘密兵器となるでしょう。活用の幅は限りなく広い製品ですが、われわれはます、本当にこの製品を必要としている人たちにターゲットを絞っていますので…」とさらに語っています。
このサイスミック社は元々、アメリカ国防高等研究角局(DARPA)と関わりのある非営利で技術開発をおこなう「SRIインターナショナル」から派生した企業であり、マホーニー氏もそのSRIの出身です。
DARPAでは、「ウォリアー・ウェブ・プログラム」というボディーアーマーの開発などに従事していたマホーニー氏は、戦地で活動する兵士達の筋骨格への負傷を軽減、予防させるための研究に携わっていました。人工筋肉のような着用可能ロボットの開発を専門としていた人物です。
サイスミック社の新商品は、3層構造になっています。
1層目は、ベースとなる衣類然とした見た目です。3層目はロボット工学を駆使し、臀部から背部へかけての強度を生み出します。ロボット工学により筋肉、腱、靭帯(じんたい)を模したもので、収縮と緩和をまるで本物の筋肉のように機能し、運動を補助します。
そして、同社がインテリジェント・レイヤーと呼ぶのが3層目になります。IoTスタイルのデバイスで、背中の下部に位置します。従来の衣類にはない、この外部デバイスが動作や姿勢に関するデータを提供するわけです。
マホーニー氏はプレス向けのリリースで、「インパクトのあるロボット工学製品を生み出すのが、私たちの目的です」と述べています。また、「サイスミック社設立のきっかけは、実にシンプルでした。誰もが衣服を着用していますが、ロボットを身にまとう人はまだいないかったからです」と。
サイスミック社は自社の製造する衣類を、外骨格(がいこっかく=皮膚骨格とも呼ばれる骨格構造のこと)とは見ていないとのこと。人間の機動性を強化するための着用可能なロボットを開発する企業は、他にも出はじめています。ロッキード・マーチン社は、脚力増強を目的とした外骨格を生み出しましたし、フォード社の製造ラインの技術者たちは、クルマの製造に役立つパワースーツの開発に取り組んでいるようです。
すでにテクノジーと人間の肉体は、互いに優しく詰め寄り、接点を持つ時代となっているのです。衣類にそれが用いられても、何の不思議ではないことは…ご理解いただけますね。
Source:「TechCrunch」
From POPULAR MACHANICS
By David Grossman
Sep 7, 2018
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。
Edit / Lumiere Copper, Kaz OGAWA