記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がEsquireに還元されることがあります。
記事中に記載の価格は、記事公開当時の価格です。
その当時は、自分がこれほど幸せになれるとは思っていなかったそうです…。そんなキングリーさんはあるとき、自らの生き方を変えるほどの出来事が起ったのでした…。
【Before&Afterの写真と一緒に】人生を立て直したキングリーさんに拍手を!
ノア・キングリーさんは2007年当時、ブラジルのあるプロ・サッカークラブのユースチームでプレーしていました。アスリートであったころの彼は、フィールドで信じられほど厳しい練習をこなしていました。さらに、そのほかにもウェイトルームでたくさんの時間を過ごし、また健康的な食事をたくさん口にしていたのです。
ですが、そんなキングリーさんが18歳のときです。苦痛に満ちた決断を迫られましたのでした…。
ブラジルに残ってプロを目指すか、それとも長距離恋愛していたガールフレンドとの関係を修復するために生まれ育った米国テキサス州・ダラスに戻るか? そしてキングリーさんは結局、ガールフレンドを選んだのです。それは当然の結果ですが、サッカーとは永遠に手を切ることになったのでした…。
しかし、思った通りには物事は進まず…キングリーさんは大きな打撃を受けたのでした。
「私は高校生時代アスリートとして知られていましたが、そんな人間が急に肥えたものだから、みんなが『まあ、驚いた。いったいどうしたの?』と言っていたのを覚えています」と、キングリーさんはインタビューに答えてくれました。「当時の私は鬱(うつ)状態で、アルコール依存症になりつつあったんです」と。
そんなキングリーさんは、2009年にロサンゼルスに移り住み、「Prep Couture」という自分のファッションブランドを立ち上げました。「Prep Couture」の顧客のなかには、カニエ・ウェストやジャスティン・ビーバーといった有名人もいました。ところが、外面的にはすべてを手に入れたようにみえたキングリーさんでしたが、心の中では苦しみが続いていました。「自分のつくったものを、自分ではひとつも着られなかった…」と彼は言います。
「私は実際に人に見られたくなかったんです。それで、いつも裏方にまわっていました」と。
その1年後、キングリーさんに追い打ちをかけるような、悲しい出来事が起こります。彼のもっとも親しい友人のひとりが、酔っ払い運転の自動車にひかれて亡くなったのです。このことで、彼は再び現実に打ちのされました。
そしてキングリーさんはこのとき、「人生はいかに儚いものであるか」ということを突然悟ったのでした…。
「『オーケー! 酒を断って、この状態をなんとかしなくてはならない。高校時代のサッカー選手だった自分に戻らなくてはならない…』と、自分に言い聞かせました」と彼は言います。
そしてキングレーさんは、サッカー選手時代と同じ食事を摂り、同じワークアウトをするように生活を変えました。
それまで毎日口にしていた7000カロリーもある中華料理のビュッフェをやめ、代わりに簡素な自然食品を食べるようにしました。ジム通いの習慣も復活させ、トレッドミルやエリプティカル・マシンを使った有酸素運動に精を出すようにもなりました。また、筋肉をつけるためにウェイトリフティングも再びするようになりました。
さらにキングリーさんは、お酒(アルコール類)を断ちました。
その結果、彼の体重は徐々に減少し、最終的には67キログラムの減量に成功! 「ただし、当時、私の自尊心はまだ根付いていなかったんです。私は依然として356ポンドあったころと同じように感じていました」と、キングレーさんは言います。「いつもそんな思いと戦っていたんです」と…。
9カ月後、キングレーさんは努力する前の元の状態に戻ってしまいました…。
「自分の気分がどれほど悪いかといったことについて、もう考えたくなかった…。それで私はアルコール中毒の状態に戻ってしまった」と、彼は言っています。
ワークアウトをさぼり、脂っこいファストフードを口にするなど、飲酒以外の不健康な習慣も復活してしまいました。キングレーさんは再び320ポンド(約145キログラム)まで太り、かつて減量で落とした体重はほとんど帳消しになってしまったのです…。
「当時の私は、お金に関することではすべてを手に入れたように感じていましたが、個人的には自分は空っぽだと感じていたのです。そして、そんな状態を続けていくのが嫌でした――それである日、私はウォッカの瓶と片手いっぱいの鎮痛薬を手に、自分の住んでいたビルの31階まで昇っていました。そう、そこから飛び降りたかったからです…」と。
「ところがそのとき、私の仲の良い友だちから電話があり、私がこれからしようとしていることを彼に話すと、彼が急いで駆けつけてきてくれたんです。次に私が覚えているのは、『どんな人間でも変わることができる、だとすればお前にだってできる! ただし、それには自分を見つけなくてはならない。それに気づかなければ、何もお前を変えることはできない…』と話してくれた友人の姿だったのです。そんな友人の言葉に、頬を叩かれた気がしたんです。もしあなたや皆さんの知り合いの方が同じように苦しんでいるのなら、どうかためらわず、国際自殺防止ホットラインに連絡してください」。
キングレーさんはこの出来事をきっかけにして、何かの依存症になりやすい自らの性格を、前向きなものへと転化しようと心に決めたのでした。そして今度は、絶対に後戻りしないということも…。
「ジムが私の聖域になりました」と彼は言います。「自分のルーティンについて、戦略的かつ自分にとって上手く機能するものかを見つけ出すことに徹しました…」と。
キングレーさんは減量に関して、1度目のときにとてもうまくいっていたことから、今度も同じやり方を採用しました。ほぼ毎日トレッドミルかエリプティカル・マシンを30分こなしました。それが苦もなくこなせるようになると、彼は筋力トレーニングもメニューに加えました。
キングレーさんの現在のルーティンは、次のようになっています。
週に5日ジムに通い、まずは「ステアマスター(Stairmaster)」を20分こなして心拍数を上げる。その後はダンベルを使った筋トレに移り、1セット10回から15回のエクササイズを5セットこなす(ウェイトの重さは1セットごとに増やすようにする)。この筋トレのメニューには、上腕二頭筋のカール、チェストフライ、ダンベルプレス、スクワットなどのほかに、プルアップスや上腕三頭筋のディップスのような自重トレーニングも含まれています。
キングレーさんは、こうして引き締まった体を取り戻しました。
この成功の秘訣について、体幹を鍛えるために「腹筋ローラー」のようなツールを使っていることをあげています。また、栄養が格別大きなインパクトを及ぼしたとも述べています。彼は1日に4回食事を摂りますが、ワークアウトの直前直後には、炭水化物をたくさん含んだ食事をそれぞれ食べるようにスケジュールを立てています。
また、キングレーさんはプロテインもたくさん摂っています。具体的には赤の肉や卵、ギリシャヨーグルトといったもので、これは無駄のない筋肉をつけたり、維持したりするためです。いちばん頼りにしているスナックは、ギリシャヨーグルトに味のついたプロテインパウダーかピーナツバター・パウダーをまぶしたもので、これなら糖分を摂らずに甘党の欲求を満足させることができるそうです。(筋トレでシックスパックをつくろうとしているときに食べたい6つの食物をリンク先のページで紹介しています)。
「自分が食べるものを大好きにならないといけない」と彼は言います。「もし自分がこれから3ヶ月間これをやっている姿を想像できなければ、その方法はうまくいかないからです」と。
キングレーさんは現在、30歳になりますが、彼の体重は166ポンドのままです
「自分の生き方を変えたい」と考えている人たちに対する彼のアドバイスは、「自分自身を前に進めることに役立つもので自分にできることに集中し、過去の出来事にクヨクヨするな」というものです。
「昨日の出来事を変えることは私たちにはできないが、自分が今日何をするかで明日を変えることはできる」と、キングレーさんは最後に話してくれました。
From Men's Heaith
Courtesy of @transformationaltruth(Instagram)
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。