※本記事は、肉体強化コーチでエクササイズ生理学者のベン・グリーンフィールド氏の寄稿になります。

*****

「色あせた白い外壁の建物の駐車場にレンタカーで乗り入れたとき、既にどこかで体験したことのよう既視感(きしかん)のようなものが私を襲いました…。もっと具体的に言うと、既視感に襲われたのは私の股間のあたりでした。私は2カ月前に「ゲインズウェイブ」というそのクリニックを訪れていました」。

そこは、男性が(時には女性も)「性的能力最大化」と呼ばれるもののために内緒で足を運ぶところでした。

「私(体験者のグリーンフィールド氏)が前回「ゲインズウェイブ」を訪れときには、“体外衝撃波療法(ショックウェーブ療法)”として知られる特別な治療を受けていました」。

20分ほどかけて行われたこの療法は…、

  1. 治療を受ける人のセックスライフの質を高めること。
  2. 性衝動の問題を処置すること。
  3. 勃起に関わる機能不全を取り除くこと。
  4. 男性器のサイズを大きくしたり、ペニスの血行を促進したりすること。

…などのもので、医薬品やサプリメントまたはガソリンスタンドで売られているような、精力増進剤は一切使用しないものだったようです。

ペニスに音波を当てて血行を促進することを狙ったこの療法を受けた後には、効果を示す証拠である徴候が私の身体に現れていました」とグリーンフィールド氏。

さらに…「この療法は成功しましたが(私にとっては成功しすぎ…)、高周波の音波を使って男性器にショックを与えるという方法は、もはや私の好奇心を満足させるものではなくなっていました。そこで私は、音波を使ったショック療法と同時に、「ピーショット」とよばれる施術を受けることにしました」。

そう聞いて興味を持った読者の皆さんのために、ここで「ピーショット」について簡単に説明します。

◇彼が試した新療法「ピーショット」とは?

ギリシャ神話に登場する“プリアポス(Priapus、生殖力の神で男根をもって表された)”にちなんで名付けられたこの療法は、治療を受ける人の血液からPRP組織(Platelet-Rich Plasma)、つまり新しい組織や細胞の成長を促す栄養素を取り出し、それを男性器の特定の部分に注入するというものです。

具体的には、たとえば腕から採取した少量の血液を10分ほど遠心分離器にかけ、血小板を豊富に含むプラズマ(PRP)組織とそうでないプラズマ組織を分離し、そしてPRP組織を試験管から取り出して男性器に注入するというやり方をとります。これにより血行が刺激され、男性器のサイズが大きくなるとともに、若返るとされています(また女性向けのオーショット=O-shotと呼ばれるものもあります)。

そんな療法は、「正気の沙汰ではない」と思えるかもしれません。が、このPRP療法は、実は何年も前から使われてきているものなのです。

「たとえばタイガー・ウッズのようなアスリートは怪我の回復に役立てるために、自分の身体の一部から採取したPRP組織を別の部位に注入していました。また、米国のソーシャライトで有名なキム・カーダシアンは、2013年に、PRP療法のバリエーションである「ヴァンパイア・フェイシャル」と呼ばれる施術を受けたことが有名になりました。この療法については、効果があったとされているはものの、『些細な問題もある』ということを示唆する証拠も存在しているようです。が、しかし、PRP療法がこれだけ人気を集めるようになったことを考えると、私は試してみなくてはならないと思うようになりました」

◇施術の流れ

instagramView full post on Instagram

「私が『ゲインズウェイブ』のオフィスに到着すると、そこにいた事務係の女性から感覚を鈍磨(どんま)させるクリームの入った大きなガラス瓶を渡され、これを男性器や睾丸の部分によく塗り込んでおくようにと指示されました。そうしておけば、男性器に注射されても痛みを感じなくて済むということでした。私はさっそく股間全体にそのクリームを塗りました。男性器だけでなく、細かく震える会陰(えいん)や肛門など、隅々までたっぷりとクリームを塗ったので、そのあたりがバースデーケーキのようになってしまいました(笑)。どの部分を無痛状態にする必要があるかが分からなかったので、そういうことになってしまいました」。 

「アソコに注射を打ったことは、まだないのです…」

「次に私は診察台に横になり、下着を引きおろし、そして診療看護師が来るのを辛抱強く待ちました。そうしている間に、私の股間のあたりはゆっくりと無感覚な至福の状態になっていきました。しかし、最初に顔を見せたのは、たくさんの注射器や血液採取用の試験管を手にしたディック・ゲインズ医師でした」。

「『痛みなどこれっぽっちも感じないでしょう。これで神経をブロックしますから』と、ゲインズ医師は言いました。彼は別の長い注射器を私に見せて『ほんのちょっとピクッとするだけです。分かりましたか?』と。私が無理やり笑いを浮かべている間に、ゲインズ医師は私の二の腕の部分から試験管いっぱいの血液を採取したのです…」。 

デリケートな部分に注射をされました…

「ゲインズ医師は私の血液を採取し終えると、診察室を出て、ラボに姿を消しました。そして彼と入れ替わりに、今度は魅力的な若い看護師が診察室に軽やかな足取りで入ってくると、さっそく仕事にとりかかりました。彼女は私の男性器をつかんで脇にどけ、睾丸が見えるようにしました。最前に塗った無感覚クリームが効き始めていたので、私の男性器を扱う彼女の手さばきは、まったく感じられませんでした。ですが、それでも股間のあたりで何か真面目な再配置の作業が行われていることは感じ取れました。それが済むと、彼女は診察台の脇に掛けてある巨大なバイブレーターのような形をしたものに手を伸ばしました」。

「『さあ、はじめますよ!』。そう言いながら看護師が音波発信器のスイッチを入れると、ハンマーでものを叩くような音が聞こえはじめました。その音を聞きながら、私は彼女が自分の仕事に関わる細々とした事柄について友人や家族に、どう説明するのだろうかと考えていました」。

「ドゥルルルル、ドゥルルルル、ドゥルルルル…。それはまるで私の股間のあたり全体がふたつのハイファイ・スピーカーの間に置かれ、そしてナイン・インチ・ネイル(米国のロックバンド)の曲を最大の音量で流されているような感じでした。男性器が収まった杖状の装置は震え、強く振動し、そして、ラタタタタァッという大きな音を立てていました。看護師の女性はまる20分も私の局部を相手に作業をしていましたが、その様子はどことなく溶接工に似ていました。その間、私は仰向けになり、天井を見つめながら『彼女は朝食に何を食べたのだろうか』『タマゴとソーセージだったのではないか』などと想像を巡らせました。しかし、仕事に集中している彼女を邪魔するのが怖くて、実際に質問を口にすることができず、結局私は携帯電話を手に取り、股間のあたりをぶるぶると震えさせたまま、メールの返信を出すことにしました」。

「20分後に音響ショック療法が終了しました。私の男性器は、無感覚クリームによる攻撃を受け、音波を浴びせられたせいで、相変わらずピンクに近い赤みがかった色をしていました。が、私はそんな性器をさらしたまま身を横たえ『パート2』へ。つまり、恐ろしい“ピーショット”の始まりを待っていたのでした」。

「ゲインズ医師が診療室にふたたび現れました。彼の片手には、2本の小さな注射器が握られていました。どちらにも遠心分離器を使って抽出した私の血液のPRP組織が、たっぷり詰まっていました。『これが左側に注入するもの、そしてこっちが右側用』と、ゲインズ医師は言いました。彼のもう一方の手には、もう少しサイズが大きく、その分不吉な感じのする注射器がありました。『そしてこれが神経ブロックです』と…。私は息を飲み、そして、うなずきました。ゲインズ医師は私の脚を少し拡げ、そして…」。

「…(略)。私は人生で初めて、自分のデリケートな部分の、上のほうの肉が詰まったあたりに注射をされましたのです。運の良いことに、わずかばかりのプレッシャーを感じただけで、ほとんど何も感じませんでした。『これが神経ブロックです。そして、もう終わりましたよ』と、ようやくゲインズ医師が言いました。私はスパルタ人のような自分の回復力にニヤリとしました。『今度はプラズマを入れます。用意はいいですか』と、ゲインズ医師が言いました。私はうなずき、注射の針が尿道の入り口にささることはないと知って、正直な話、少しほっとしました」。

「グリーンフィールドさん、またお会いできて嬉しいです」と、ゲインズ医師は私に言いました。私は不安を感じながら息を飲み込み、そのあと足を組みながら医師に向けて手を差し出しました。

「ゲインズ医師、また会えて嬉しいよ」と挨拶することはできました(笑)。

「ゲインズ医師は、手にしていた採血用試験管のひとつを取り上げると、笑みを浮かべ、そしてPRP療法の仕組みについて説明を始めました。そして私は、『説明のパンフレットには目を通しました』と言いました。『アソコに注射を打ったことはまだないのです。どれくらい痛いんですか?』、そう聞いてゲインズ医師はニヤリとしました。「この男は自分の仕事が大好きでしかたがないようだ…」と、私は息を飲みながらそう思いました」。

「ゲインズ医師がプラズマ注入を終えると、看護師がクリニックの名前「ゲインズウェイブ」のロゴが入った、黒い長方形の箱を手に戻ってきました。彼女からその箱を渡されたゲインズ医師は、クリスマス・プレゼントをもらった少年のように、さっさとフタを開けていました。『ベン、これが君の最新のオモチャです。こういうのを今まで使ったことがありますか』。彼が箱のなかから取り出した巨大な缶に、私は目をやりました。その缶の片側にはミニUSBポートとたくさんのボタンが付いていました」。

◇ペニスポンプの体験

「『うーん、それはいったい…』と私は言いかけると、『ペニスポンプだよ』とゲインズ医師が答えました。彼はそのペニスポンプがデジタル方式であり、圧力や強さは自動的に調整されるので、何もする必要がないと説明してくれました。『これを1日に2度、それぞれ10分間ずつ使うこと。それを30日間続けると、血行が増大し、治療から最大の効果が得られますよ』と、ゲインズ医師は話してくれました」。

「大人の男性として、恥ずかしい行為をしなくてはならないと私は眉をひそめました。が…私はその時点では、すでに後戻りできないところに達していました。そこで私は、人生で初めて自分の男性器をポンプのなかに差し入れ、そしてそれがチューブの内側で引っ張られ、10インチ(25センチメートル)を越える大きさに育つ様子を目を丸くして眺めていました。『うわぁ』と。『ええ、すごくいいでしょう?』と言って、ゲインズ医師はポンプのスイッチを切り、それを箱のなかに戻すと、私のほうに手を差し出してきました。『ベン、楽しかったです。これから2カ月ほど、ポルノ男優のように頑張る心の準備をしておいてくださいね』」。

「私はゲインズ医師のがっしりとした手に目をやりながら、その日すでに何人くらいの男性の股間にその手が触れたのだろうと思い、その後で自分の手を差し出すと軽い握手をしました。『ありがとう。楽しかったよ』。まったく楽しい治療でした。血を流し、騒々しい音を流され、3度も注射され、そして自分の男性器を“シリー・パティ(ゴムでできたオモチャ)”のようにひっぱられたのです。あとは、実際に効き目が出ることを祈るしかありません」

妻がものすごいオーガズムを経験するようになったのでした…

「4時間後、ホテルの部屋に戻った私はペニスポンプと格闘しながら、クリニックの人たちがどうやって私の男性器をそのなかに押し込んだかを思い出そうとしていました。やがて、男性器がきちんと収まると、私はポンプのスイッチを入れました。ポンプがしっかり動き出しました。私はその場に腰を下ろしたまま10分にわたって、ポンプがさまざまな音を発しながら男性器を吸引している様を眺めていました。それは10インチ越えという、驚くほど満足度の高い大きさになっていたのです」。

「そのあとポンプを外してから数分後、無感覚クリームの効き目がすっかり切れたまさにその頃に、私はあることに気づきました。私の男性器は、実際に大きくなっていました。そして脈打って、ポルノ男優の一物のような、かすかに震える、固い皮で包まれた肉の塊となっていました。その晩眠りについた後で、私はシーツの下に巨大なテントができているのに気づいて目を覚ましました」。   

◇施術後の感想

「そして翌朝、自分の男性器に在る神経をすべて痛めてしまいはしなかったか、あるいは後々まで残るようなダメージを与えてしまわなかったかと、心配しながら目覚めた私はシーツの下をのぞき込んで、愉快な驚きを発見しました。そこには大きくて、健康そうで、しっかりと血の通った、朝の固い木が立っていたのでした」。

「この治療を受けて、もっとも良かったことが実は別にあります。それは、妻がものすごいオーガズムを経験するようになったことです。マラソンのように長く続く…、何分間にもわたる…、そして、脚のつま先を丸めて快感に耐えて、ベッドを揺らすようなオーガズムです。そんなオーガズムを彼女が味わったことが、私にも伝わりました。しかし、忘れてならないのは、彼女もまた私が受けたのと同じ治療、つまり女性の大切な部分に振動を与え、そこに自分の血液を注入する治療を受けられるということです。結局のところ、このPRP組織を使って強化した性器というのは、何もないところから生じたものではありません。それは唇を固く噛みしめ、たくさんの注射に耐え、そして、ゲインズ先生の上手な処置を受けた結果なのですから」。

◇筆者ベン・グリーンフィールド氏について

…筆者のベン・グリーンフィールドさんは、自分を実験台にしていろいろなことを徹底的に試す「セルフ・エクスペリメンター」であり、肉体強化コーチ、エクササイズ生理学者、「Beyond Training: Mastering Endurance, Health and Life」という書籍の著者。また、「BenGreenfieldFitness.com」という自身のブログで、フィットネス、栄養、健康に関する記事を公開しています。

Source / Men's Health US
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。