ヒーロー映画と言えば、マーベル・スタジオが手がけている『アイアンマン』シリーズや『アベンジャーズ』シリーズなどが大ヒットしています。そんななか、ライバルのDCエクステンデッド・ユニバースはマーベル作品に少しでも近づくため、ある計画が進行中であることをほのめかしています…。
(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC, Getty Images
Maybe DC Has Finally Figured Out the Formula to a Good Superhero Movie
2017年、DCエクステンデッド・ユニバース(以下、DCフィルムズ)はDCコミックスの世界最大のスーパーヒーローたちを救うために、ワーナー・ブラザーズの幹部たちを派遣して『ジャスティス・リーグ』を製作しました。
しかし、結果的には興行成績は振るわず、批評家からの批評もあまりよくありませんでした。
その後、ワーナー・ブラザーズとDCフィルムズは、マーティン・スコセッシ監督でレオナルド・ディカプリオやホアキン・フェニックスを主演とする映画『ジョーカー』（『バットマン』のヴィラン、ジョーカーを主人公とするスピンオフ映画）を含む、多くの高尚なプロジェクト計画を発表ししています。
写真：DCエクステンデッド・ユニバース最新作『ジャスティス・リーグ』の場面写真。(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC
さらにDCフィルムズとワーナー・ブラザーズは、すでに髙い評判を得ている2つの大きなプロジェクトの計画を発表しました。
その１つが、（DCコミック初のアジア系女性初監督である）キャシー・ヤンが監督をつとめる、マーゴット・ロビー主演の『スーサイド・スクワッド』のスピンオフ映画『Birds of Prey』（原題）。
ヤン監督は、サンダンス映画祭で見事アンサンブル演技賞を受賞した『Birds of Prey』（原題）で監督デビューした人物です。『バラエティ』誌によれば、この映画は「壮大で躍動感があふれ、粋ですが、さらにアルカセルツァー（米国製の発泡錠剤）のように気持ちを“シュワシュワ”と興奮させてくれる」と評判になっています。
ザック・スナイダーをクリエイティブ・ディレクターにして、何年も無難に製作をしてきたDCフィルムズにとって、この決断は『ワンダーウーマン』の驚異的な成功の後にさまざまな声を受けたにせよ、新たな風を吹かせるための大胆な決断と言えるでしょう。
もう１つのプロジェクトは、スティーブン・スピルバーグ監督が手がける『Blackhawk』（原題）です。
第二次世界大戦時の戦闘機のパイロットがヒーローとなるこの映画は、スピルバーグが好む時代背景のため、とてもよいマッチングといえそうです。しかし、もっと重要なことは、スピルバーグが今回、DCフィルムズを制作する権限をもっていることです。この権限により、『Blackhawk』（原題）が今までのDC作品の単調なトーンから逸脱できる可能性を秘めているため、『インディ・ジョーンズ』のスーパーヒーロー版のようなナチスをやっつけるエースパイロットが誕生するかもしれません…。
さらに、第1弾に引き続いてパティ・ジェンキンスが監督をつとめる『ワンダーウーマン』の第2弾の公開が発表されたことは、DC作品の“スーパーヒーロー映画”にとって有望な新時代の幕開けのようにも感じられるのです。
これはDCフィルムズが多様性を追求し、確かな才能に投資をすることに対して真剣に取り組んでいるという表れです。
もちろんマーベル・スタジオの成功に追いつくためには、まだまだ遠い道のりがあります。ですが、スピルバーグ、ヤン、ジェンキンスといった素晴らしい監督陣に手によって、現状のDCフィルムズの状況は間違いなく打破されることでしょう…そう期待して止みません。
By Matt Miller on April 18, 2018
Photos by (C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC, Getty Images
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Nana Takeda
※この翻訳は抄訳です。
編集者：山野井 俊
