名作映画の猫たちに、勝手にニャカデミー賞を授与
映画史に残る名作には、観客を魅了する猫たちが登場します。時にコミカル、時にシリアス、その存在感は作品に深みを与え、私たちの心を掴んで離しません。そこで今回は、勝手に「ニャカデミー賞」を授与し、名作映画の猫たちにスポットライトを当てました。
猫を愛してやまない人のために猫が登場する名作映画を厳選ラインナップしました。つまりは、「アカデミー賞」改め「ニャカデミー賞」を勝手に贈呈なわけです（笑）。
こちらに揃った、存在感たっぷりの名優猫たちを存分にお楽しみください。
【受賞リスト】
1．ニャカデミー賞 主演俳猫賞：
『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』（2016）
2．ニャカデミー賞 助演俳猫賞：
『シャム猫FBI／ニャンタッチャブル』（1965）
3．ニャカデミー賞 監督賞：
『ハリーとトント』（1974）
4．ニャカデミー賞 脚本賞：
『ペット・セメタリー』（1989）
5．ニャカデミー賞 編集賞：
『奇跡の旅』（1993）
6．ニャカデミー賞 歌曲賞：
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』（2013）
7．ニャカデミー賞 美術賞：
『ティファニーで朝食を』（1961）
8．ニャカデミー賞 衣装デザイン賞：
『キアヌ』（2016）
9．ニャカデミー賞 視覚効果賞：
『キャッツ＆ドッグス』（2001）
10．ニャカデミー賞 外国語映画賞：
『子猫物語』（1986）
11．ニャカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞：
『猫が教えてくれたこと』（2016）
ニャカデミー賞 主演俳猫賞：『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』（2016）
目標も見出せず薬物依存からも抜け出せず、ドン底人生を送るストリートミュージシャンのジェームズ（ルーク・トレッダウェイ）はある日、ケガを負った1匹の野良猫を見つけます。猫を「ボブ」と名づけ、なけなしの金をはたいて看病。常に一緒に過ごすようになった彼らは、徐々に人々の話題になり…。
ベストセラーにもなった実話の映画化で、なんと実際のボブが本人（本猫）を演じている点も興味深い、猫こそ主役！な再生の物語です。
ニャカデミー賞 助演俳猫賞：『シャム猫FBI／ニャンタッチャブル』（1965）
『メリー・ポピンズ』（1964）のロバート・スティーヴンソン監督による、ディズニー製作のコミカルサスペンス。散歩中に銀行強盗の隠れ家に紛れ込んだシャム猫DCは、人質のマーガレット（グレイソン・ホール）を見つけます。
彼女は自分の腕時計にSOSを刻みDCの首に巻きつけ、それに気づいたDCの飼い主パティ（ヘイリー・ミルズ）は、猫が苦手なFBI捜査官ジーク（ディーン・ジョーンズ）と捜査開始。
DCの賢い活躍ぶりに加え、60sファッションも必見。1997年にはリメイクもされています。
ニャカデミー賞 監督賞：『ハリーとトント』（1974）
猫＆老人という一風変わったコンビのロードムービーは、猫好きにはたまらないはず。ニューヨークで茶トラ猫のトントと暮らすハリー（アート・カーニー）は、区画整理のためアパートから立ち退きを命じられてしまいます。
ひとまず長男のもとへ転がり込むがうまくなじめず、結局彼は、娘シャーリー（エレン・バースティン）のいるシカゴを目指し、トントとともに中古車で長旅に出ることに…。
カーニーは本作で、第47回アカデミー賞主演男優賞を獲得。趣深い傑作に仕上げた監督には、監督賞を捧げたくなります。
ニャカデミー賞 脚本賞：『ペット・セメタリー』（1989）
ホラー文学界のキング、スティーブン・キングが自著を脚本化した、恐ろしくも悲しいホラー。新生活に夢を抱き、田舎町に越してきたクリード一家ですが、大型トラックが終始行き来する道路が家の前にあることが気がかりに…。
家から続く小道の奥に、道路で轢かれて死んだペットを埋葬する墓地（ペット・セメタリー）があると聞かされるのですが、さらにその奥に、命を蘇らせる禁断の土地があると知るのです。その後、飼い猫のチャーチルがトラックに轢かれて死んでしまい…。30年のときを経て、2019年4月にはリメイク版も全米公開されます。
ニャカデミー賞 編集賞：『奇跡の旅』（1993）
往年のディズニー実写映画、『三匹荒野を行く』（1963）のリメイク版となるこの作品。ヒマラヤンのサシー、アメリカンブルドッグのチャンス、ゴールデンレトリバーのシャドウの3匹は、事情でペットが飼えなくなってしまった飼い主一家のもとから、遠く離れた家に預けられてしまいます。
ですが、3匹は元飼い主に会いたい一心で旅に出る。3匹の動きや表情を巧みに編集したこちらは、ニャカデミー賞にふさわしい名作です。猫派はもちろん犬派も楽しめ、続編もあるので気になる人はチェックを。
ニャカデミー賞 歌曲賞：『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』（2013）
1961年のニューヨークを舞台にした、コーエン兄弟監督によるカンヌグランプリ作品になります。うだつの上がらないフォークシンガーのルーウィンは、不運続きで夢を諦めかけていました。
知り合いの家を転々としながら暮らすうち、なりゆきから、名も知らない茶トラ猫を世話することになってしまうのですが…。
ルーウィンに抱かれ、なすがままの猫のなんとも言えない表情が印象的。『スター・ウォーズ』シリーズのオスカー・アイザックによる、味わい深い美声には歌曲賞を贈りたいところです。
ニャカデミー賞 美術賞：『ティファニーで朝食を』（1961）
NYで暮らす自由奔放な女性ホリー（オードリー・ヘプバーン）のアパートに、作家を目指すポール（ジョージ・ペパード）が越してきます。不思議な魅力をもつホリーに彼は徐々に惹かれていくのですが、ホリーには秘密がありました。言わずと知れたヘプバーン主演の不朽のラブロマンスには、キュートな茶トラ猫がなんとも味のある存在として登場しています。
雨に打たれて切なそうな顔を見せるラストシーンは、主役の2人より目が釘づけに！ この猫を筆頭に、ファッションやインテリアなど、映画の魅力を引き立てている美術は、今でも全く色褪せていません！
ニャカデミー賞 衣装デザイン賞：『キアヌ』（2016）
人気お笑いコンビが主演となったアクションコメディ。彼女にフラれ失意のどん底にいたレル（ジョーダン・ピール）のもとに、ある日子猫がやってきます。
猫をキアヌと名づけ、かわいがっていたのですが、ある日強盗がキアヌを誘拐。レルはキアヌを救うべく、いとこのクラレンス（キーガン＝マイケル・キー）とともにギャングに潜入するのですが、なんとギャング一味もキアヌにメロメロ…。
ミニサイズのギャングの衣装を着こなすキアヌのかわいさに、ノックアウト必至です。あの名優も声で出演していますので。
ニャカデミー賞 視覚効果賞：『キャッツ＆ドッグス』（2001）
猫 VS 犬の壮絶バトルが繰り広げられる、ファミリー映画。犬アレルギーを治す新薬を開発中のブロディ教授（ジェフ・ゴールドブラム）の愛犬バディが、世界征服を企む猫族のリーダーのティンクルズに誘拐されてしまいます。それを知った犬族は、優秀なエージェント犬を送り込むのですが、手違いで未熟なビーグル犬のルーが送られるうちに…。
猫族が悪役という設定ではあるものの、さまざまな種類の猫を楽しめる図鑑のような良作です。マペットとCGを駆使したコミカルな映像には、視覚効果賞がぴったりです。
ニャカデミー賞 外国語映画賞：『子猫物語』（1986）
ムツゴロウさんこと畑正憲が原作・脚本・監督を手がけた、動物アドベンチャー。雄大な自然が広がる北海道を舞台に、母猫とはぐれてしまった茶トラ子猫のチャトランがパグの子犬・プー助とともに冒険を繰り広げ、成長してゆく姿を描いています。
協力監督には市川昆、音楽監督には坂本龍一、さらに谷川俊太郎の詩を小泉今日子が朗読するなど、贅沢なスタッフが結集しており、日本国内では大ヒットを記録しています。ニャカデミー外国語映画賞ゲットは確実ですね。
ニャカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞：『猫が教えてくれたこと』（2016）
監督・製作は、トルコ生まれアメリカ育ちのジェイダ・トルン。世界有数の古都イスタンブールで自由気ままに暮らす個性的な7匹の野良猫と、彼らを取り巻く人間たちの愛すべき関係性を猫の目線から収め、異例のヒットを記録した秀作です。
愛すべき野良猫の世界に迫った映像は、長編ドキュメンタリー賞に値するはず。イスタンブールに今すぐ行きたくニャること請け合いです。
