アメリカの教育方針として、大学でよく学び、
よく遊ぶことが掲げられています。
本作では1980年のアメリカが
忠実に描かれており、
その時代のトレンドや名曲たちが
物語を盛り上げます!
© 2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
映画『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はぼくらの手の中に』
みなさんはアメリカの大学生活が果たして、どのようなものか想像したことはありますでしょうか? 海外ドラマでは、友人たちと旅をしたり、朝までクラブで踊っていたり、友人の家でパーティを行ったりなど、元気溢れるイメージが先行するかと思われます。そして、今挙げたそれらの例は決して間違っていなく、まさに大学生たちが日頃行う代表的なイベントと言えるのです。
本作では、野球推薦で入学したジェイク(ブレイク・ジェナー)が、授業が始まるまでのワクワク感と自由を満喫する物語。日本での強豪校のように、アメリカにも野球部のための宿泊施設があり、そこで待ち受けていたのは個性溢れる野球部員たち。慣れない場所での共同生活を強いられるジェイクですが、彼らとパーティや音楽を聴いているうちに少しずつ打ち解けていきます。
そして、学生生活において欠かすことができないのが異性との交流。ジェイクは、ふとしたことから演劇を専攻予定の同級生ビバリー(ゾーイ・ドゥイッチ)と出会い、少しずつ親睦を深めていきます。野球と演劇、交わることのなかったはずの2人はお互いのことが気になりはじめ、少しずつ距離を縮めていきます。
写真:主人公ジェイク(ブレイク・ジェナー)は、インテリジェンス溢れるビバリー(ゾーイ・ドゥイッチ)と次第に惹かれ合います。© 2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
本作の注目ポイントは2つあります。1つ目は、鑑賞中にどこか懐かしさを感じる、80年代のアメリカンファッション。誰もがTシャツとジーンズを好み、各キャラクターがオリジナルのスタイリングを見せてくれます。シンプルなジーンズを好むキャラクターが多いのですが、部員のなかには少しボロボロのジーンズを好む人もおり、ジーンズ好きにはたまらない映画となっています。
写真:80年代のアメリカの学生ファッションは、とにかくみんなジーンズを好みます。でも、上半身はみんなそれぞれの好みがあるようです。© 2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
2つ目の注目ポイントは、1970年代から1980年代にかけて披露された数々の音楽です。全盛期であったロックから、パンク、ディスコ、ニューウェーブ、ヒップホップすべての音楽を楽しむことができ、ヴァン・ヘイレンの「エブリバディ・ウォンツ・サム」やシュガーヒル・ギャングの「ラッパーズ・ディライト」などの時代を代表する名曲のオンパレードなのです。
鑑賞していくうちに、学生時代にやり残したことや思い残したことをふと考えさせられる本作。大人になった今だからこそ感じられることを少し考えながら、リラックスして鑑賞するとより楽しめます。
ヒューマンドラマ映画において、巨匠として知られるリチャード・リンクレイターが手がけた本作。彼が2014年に手がけた『6才のボクが、大人になるまで。』とは、また違ったアングルのヒューマンドラマをテーマにしており、心地良いストーリーに仕上がっています。アクション映画のような大きな波はありませんが、安定したストーリー展開は目を見張るものがあります。
友人同士でもパートナーと鑑賞しても、楽しむことのできる本作。鑑賞後には、自身の学生時代をきっと思い出すことでしょう。
【ストーリー】
野球推薦で大学に入学することになった主人公・ジェイク(ブレイク・ジェナー)は、個性豊かで騒々しいチームメイトたちと、野球はもちろん、女の子、お気に入りの曲、パーティ、お下劣なジョーク等…あらゆることに全力で打ち込み、新たな出会いと恋を経験し少しずつ大人になっていく。
監督、脚本、製作:リチャード・リンクレイター
製作:ミーガン・エリソン、ジンジャー・スレッジ
出演:ブレイク・ジェナー、ゾーイ・ドゥイッチ、グレン・パウエル他
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はぼくらの手の中に』
2016 年/アメリカ/カラー/英語/117分
原題:Everybody Wants Some!!
配給:ファントム・フィルム
現在公開中
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公式サイト
>>>everybodywantssome.jp/
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編集者: 山野井 俊