ジャンニ・ヴェルサーチ殺害事件を描いた『アメリカン・クライム・ストーリー』シーズン2をめぐって、ヴェルサーチ家はケーブル局FXと製作総指揮を務めるライアン・マーフィーを相手に、バトルを繰り広げていることがこのたび明らかになりました…。

Blond, Sitting, Furniture, Long hair, Fashion design, pinterest

 American Crime Story

 2018年1月8日(現地時間)に公開された声明によれば、ヴェルサーチ家は同テレビシリーズを「許可なく制作されたフィクション」を表現し、原作本『Vulgar Favors』も「不正確な内容」と批判しました。

 それに対しFXは「我々は『Vulgar Favors』の著者モーリーン・オースの味方です」、ライアンも「彼女の調査や書き上げた内容は、約20年間にわたり入念にチェックされています」とのコメントを返したのです。

 すると今度はヴェルサーチ家が、再び声明を発表。

 原作本が「噂や憶測で塗り固められている」「矛盾だらけ」と猛攻撃開始。とくに「ジャンニがHIV陽性であった」という内容が事実と異なるため、怒りを感じていると米『エンターテインメント・ウィークリー』誌は報じています。(次ページへつづく)

これはThird partyの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

ヴェルサーチ家が発表した声明の全文紹介。

Watch the OFFICIAL TRAILER for #ACSVersace. The next installment of FX’s award-winning original series premieres January 17. pic.twitter.com/popBjBvwId

— AmericanCrimeStoryFX (@ACSFX) 2017年11月15日

   
「前にも申し上げましたが、ミスター・ジャンニ・ヴェルサーチの死をテーマにしたテレビシリーズはフィクションであり、ヴェルサーチ家は一切関与していない上、許可もしていません。番組制作スタッフは、モーリーン・オースの書籍をもとに描いていると言いますが、その本自体が噂や憶測で塗り固められています。ヴェルサーチ家は、オースに情報を提供したことはありません。そのため、ジャンニ・ヴェルサーチや他の家族の私生活に関する正しい情報はもっていないはずです。彼女は矛盾だらけの受け売りをもとに、センセーショナルなストーリーを書き上げただけなのです」 

 
「ひとつの例としてオースの本には、『検視の結果を見たという人間から、ジャンニ・ヴェルサーチの病状を聞いた』と書かれています。普通の人は検視の結果を見ることなどできないのです。そして、その行為が違法です。彼女は自分の主張を貫くため、ジャンニと一緒に暮らしながら働き、彼のことを一番よく知るヴェルサーチ家の反証を無視したのです」 

「ジャンニ・ヴェルサーチは、とても勇敢で正直な男性でした。人々のために人道的な活動も行っていました。彼の人生やレガシーに関するさまざまな伝記があるなかで、プロデューサーたちはモーリーン・オースの書いた偽りだらけの書籍をドラマ化することに決めたのです。そのことを大変残念に思っています」 

「ヴェルサーチ家はこの一件について、これ以上コメントすることはありません」


『アメリカン・クライム・ストーリー』シーズン2は、2018年1月17日(現地時間)に放送予定。果たしてどんなストーリーが描かれているのか…たとえフィクションだとしても、観てみたいものです! この心理を読んでの作戦だったのでしょうか…。いずれにせよ、ウェルサーチ家はこれでバトルで終了ということでしょうか? ならばクレーム止まりでクライムにはならないようですね…。

From Harper’s BAZAAR
Photograph / Getty Images
Translation / Reiko Kuwabara編集者:小川和繁