ドラマの大半がカナダにあるブリティッシュ・コロンビア州のポートムーディとユクルーレットで行われました。

戦国スペタクル・ドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」の舞台は17世紀初頭、江戸時代初期における封建時代の日本を舞台にしたフィクション作品です。このシリーズでは映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023年)など、最近では米国での活動を拠点とする俳優 真田広之(プロデュース/主演:吉井虎永 役<史実で相当するのは徳川家康>)と、Netflix映画『説得』(2022年)に出演したコズモ・ジャーヴィス(主演:ジョン・ブラックソーン/按針 役<史実で相当するのはウィリアム・アダムス>)という2人が、異なる世界の二人の野心家が意外なパートナーとして激動の時代を駆け抜けます。

これはジェームズ・クラベルが1975年に発表した同名小説の2度目の映像化で、リミテッドシリーズとしてこの春に全10話が配信されます。登場人物は徳川時代に実際にあった出来事に基づいて描かれていますが、ストーリーはオリジナル小説の構想に沿ったものになります。

真田広之主演「shogun 将軍」
(c)2024 Disney and its related entities
真田広之プロデュース/主演の「SHOGUN 将軍」場面写真

そしてこの「SHOGUN 将軍」シリーズの大半の撮影は、カナダで行うことに決定します。このことから、この作品が歴史的な正確さを一番に求めているのでないことも理解できます。主人公を演じた2人の出身地である日本とイギリスで撮影された部分もありますが、大部分はカナダのブリティッシュ・コロンビア州ポートムーディ*⁴と、ユクルーレット*⁵という町で行われました。

プロデューサーの一人、エリン・スミス*⁶はバンクーバーのCTVニュース*⁷にこう話しています。

番組のオープニングは、ユクルーレットのワイア・ポイント・ビーチ*⁸の美しい風景で飾りたかったんです。とても美しい場所なので…。日本からのキャストやスタッフもたくさんいましたが、日本に似ていることにとても魅了され、圧倒されていましたよ」


これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
『SHOGUN 将軍』|本予告|「全てを欺き、天下を獲るー」真田広之とハリウッドが”日本の魂”を本気で描いた天下分け目の戦国スペクタクル|Disney+ (ディズニープラス)
『SHOGUN 将軍』|本予告|「全てを欺き、天下を獲るー」真田広之とハリウッドが”日本の魂”を本気で描いた天下分け目の戦国スペクタクル|Disney+ (ディズニープラス) thumnail
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スミスによると、およそ340人のスタッフと10人から15人のキャストがブリティッシュ・コロンビア州での撮影に参加しました。「撮影は本当に大変だった」と言います。パンデミックの時期は特に。

「役者もエキストラも全員、当時の髪型を再現した特別なウィッグをつけなければなりません。朝それを全部準備して、1日の終わりにそれを全部もとに戻すのには多くの人手が必要だったんです」

スタッフたちは撮影が終わって撤収するとき、地域住民への感謝の気持ちを込めてロケ地に松の木を植えたと言います。この木は、衣装や宝飾品、家具、武器類、そして古い封建時代の象徴でもある鎧など日本から持ち込まれた何百ものアイテムの中のひとつでした。

「SHOGUN 将軍」以外にもNetflixドラマ「アバター:伝説の少年アン」が、カナダのブリティッシュ・コロンビア州で撮影されました。

「shogun 将軍」usプレミア(左から西岡德馬、平岳大、真田広之、浅野忠信)
(c) 2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks
2024年2月14日(現地時間)、ロサンゼルスのアカデミー・ミュージアムで開催された「SHOGUN 将軍」USプレミアにて(左から西岡德馬、平岳大、真田広之、浅野忠信)。

ちなみにNetflixの人気ドラマ「アバター:伝説の少年アン」*⁹も、大半を同じブリティッシュ・コロンビア州で撮影しました。映画やテレビ番組のロケを誘致するフィルム・コミッショナーのジョアン・ミラー*¹⁰は、前出のCTVニュース*⁷でこう語っています。

「この夏、ユークルーレットは私たちにとってちょっとした話題のスポットでしたね。でも、私たちは訓練を受けたスタッフたちを雇用することができたので、地元のクルーのデータベースを拡大することの大きく貢献でできました」

冒頭でこの作品に対して、「歴史的な正確さを一番に求めているのでない」と言いました。ですが、カナダのニュースサイト「トライシティ・ニュース」*¹¹によると、「SHOGUN 将軍」のセットにはより注意が必要だったとのこと。大人数で構成されたスタッフは近隣にあった古い製材所を再利用し、真田演じる吉井虎永のために印象的かつ時代考証に可能な限り忠実な日本家屋を建てたそうです。

「shogun 将軍」
(c)2024 Disney and its related entities
アメリカでの連続ドラマ初主演&プロデューサーを務める真田広之をはじめ、ジョン・ブラックソーン役のコズモ・ジャーヴィス、戸田鞠子役のアンナ・サワイ、石堂和成役の平岳大、戸田広松役の西岡徳馬、ジャスティン・マークス(エグゼクティブプロデューサー /ショーランナー)、レイチェル・コンドウ(エグゼクティブプロデューサー)、ミカエラ・クラベル(エグゼクティブプロデューサー)ら。

真田広之は今回のリミテッド・シリーズ「SHOGUN 将軍」で、プロデューサーにも初挑戦しました。この作品はキャストとしてもスタッフとしても、彼にとって大きな節目の作品となりました。

真田は昨年、エスクァイアUS版が行ったインタビュー*¹²でこう言っています。

「プロデューサーとして1日中撮影現場にいることは、肉体的にとても大変なことでした。でも、精神的にはとても幸せです。若い俳優たちがいい演技をしてくれるのは、私自身の演技が素晴らしかったと言われるよりも、ずっとうれしいです」

[脚注]

*1:Cosmo Jarvis(1989年9月1日生~)イギリス出身の俳優。2009年から俳優として活動しており、映画、テレビドラマ、舞台で幅広く出演している。映画『レディ・マクベス』(2020年)、ドラマシリーズ『ピーキー・ブラインダーズ』(2019年の第5シーズンの3エピソード)、映画『説得』(2022年)などの出演。ストリーミングコンテンツに関連する情報を集めたオンラインデータベース「IMDb」の当該ぺージを参照

*2:James Clavell(1924年10月10日生~1994年9月7日没) イギリス生まれの作家・脚本家・映画監督であり、東南アジアを舞台とした歴史小説で知られている。小説の代表作は『タイパン』(1966年)、『SHŌGUN』(1975年)など。映画では『大脱走』(1963年)、『いつも心に太陽を』(1967)年の脚本を手掛けている。

*3:2024年2月27日(火)より独占配信がスタート。1つの物語を完結させるために製作されるリミテッドシリーズで全10話。初回は2話配信、その後毎週1話ずつ配信する。「SHOGUN 将軍」公式サイト

*4:Port Moody カナダのブリティッシュコロンビア州南西岸にある小都市。もともと先住民が夏の滞在キャンプ地として利用していた地。公式サイトを参照

*5:Ucluelet カナダのブリティッシュコロンビア州、バンクーバー島の町。同島南西部に位置し、ユークルーレット半島によって太平洋から隔てられた天然の良港をもつ。北西にある町トフィーノとユクルーレットの間に広がるロングビーチは、パシフィック・リム国立公園最大の見どころの一つ。公式サイトを参照

*6:Erin Smith ハリウッドで活躍する映画プロデューサー。Amazonテレビドラマシリーズの「高い城の男」(2015~2019年)、ホラー映画「The accursed(原題)」(2022年)などでプロデューサーを務める。「IMDb」の当該ぺージを参照

*7:CTV News カナダのCTVテレビジョンネットワークのニュース部門。掲載された当該ページを参照

ブリティッシュ コロンビア州ユーコン準州のユーコン川沿いにある砂利浜。このビーチは、町の中心部から車で約 7 キロ離れたところにあり、キャンプ、釣り、水泳で人気のあるスポット。広くて開けたビーチで、澄んだ水と砂利浜が魅力。Google mapを参照

*9:「アバター:伝説の少年アン」 Netflixの公式サイトを参照

*10:Joan Miller Vancouver Island North Film Commissionのエグゼクティブ・ディレクターを務める。Vancouver Island North Film Commissionの公式サイトを参照

*11:Tri-City News カナダのブリティッシュコロンビア州にあるトライシティ地域(コキットラム市、ポートコキットラム市、ポートムーディ市)を拠点とするローカルニュースメディア。掲載された当該ページを参照

*12:2023年4月4日公開のエスクァイアUSの当該ページを参照


ディズニー+で独占配信中ドラマ「SHOGUN 将軍」(全10話)

「shogun 将軍」
(c)2024 Disney and its related entities

【出演】真田広之、コズモ・ジャーヴィス、澤井杏奈、浅野忠信、金井浩人、平岳大、穂志もえか、西岡徳馬、阿部進之介、倉悠貴、二階堂ふみ

【スタッフ】エグゼクティブ・プロデューサー:ジャスティン・マークス(代表作『トップガン マーヴェリック』、『ジャングル・ブック』)、レイチェル・コンドウ、ミカエラ・クラベル、エドワード・L・マクドネル、マイケル・デ・ルーカ
プロデューサー:真田広之

【制作】FXプロダクション

「SHOGUN 将軍」公式サイト

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Text / Yoko Nagasaka
Edit / Minako Shitara

From: Esquire US