ランボルギーニは、最新のコンセプトカー「ランザドール(Lanzador)」を公開しました。同社初となるBEVのデビューが2028年に予定されていますが、この2+2(ツーバイツー)仕様のグランドツアラーこそ、まさにその姿を予見させるものと言えるでしょう。

「ランザドール」のデザインは、「2011年の『セストエレメント』、そして現行モデルの『カウンタック』がインスピレーションになっている」とランボルギーニ首脳陣は語ります。いかにもランボルギーニらしい容姿でありながら、キャビンの背後にあるのはエンジンではなく、ハッチバック式のトランクです。トランクはフロント部分にも配置されていて、かつてない収納スペースを備えた“ランボ”となります。「ジャルパ」や「ディアブロ」と言うよりも、「エスパーダ」や「イスレロ」に近い印象です。

最高出力は1メガワット以上に達する

前後輪の2基の電気モーターにパワーを送り込むのは、次世代型の高性能バッテリーです。そのパワーについて具体的な数値は公開されていませんが、1メガワット(1341馬力)を超える最高出力であることが明かされています。「リアに装備されたアクティブeトルクシステムにより、あらゆるコーナーに的確に対応するパワー配分を可能にしている」と言います。

ランボルギーニ「ランザドール」
AUTOMOBILI LAMBORGHINI

最新のダイナミクスコントロールシステムについて、ランボルギーニは大きな自信をのぞかせています。「ランザドール」の挙動やパワーデリバリーを微調整しながら、ドライバーにとって最適な状態を保つのがこのシステムの目的です。

同社のルーヴェン・モールCTO(最高技術責任者)は声明の中で、「アクティブコントロールシステムにまつわるあらゆる戦略によって、ランボルギーニの未来が定義され、他との差別化が図られることになる」と語っています。

「ランボルギーニの統合的ドライビングダイナミクスコントロールは、過去に市販されたあらゆるスポーツカーとは完全に一線を画す、全く新たな次元への到達を目指しています。パワー、パフォーマンス、航続距離、エアロダイナミクスといった諸要素のバランスの最適化が、開発段階における最大の課題であることは確かです。しかし挑戦こそ、ランボルギーニの研究開発における核心であり、理念なのです」とモールCEO。

ランボルギーニ「ランザドール」
AUTOMOBILI LAMBORGHINI

航空機をデザインの源に

「ランザドール」には、フロントとリアそれぞれにアクティブエアロダイナミクスが採用されています。フロント部分にはエアシャッターとスプリッターが装備され、例えばシャッターの開閉によってブレーキダクトと冷却装置に空気が送り込まれます。リアディフューザーの両サイドに伸びたエアブレードによって、スポイラーのダウンフォースが向上しています。また、ホイールに取りつけられたルーバーには、高速走行時にホイールが受ける抵抗を減らし、車体が浮き上がろうとするのを防ぐ効果があります。

キャビンは航空機からインスピレーションを得てデザインされていますが、これはランボルギーニ流のスタイルと言えます。ジェット機をほうふつとさせるY字型のセンターコンソールがドライバーと助手席の間を隔てていますが、ここにエンターテインメントや空調などさまざまな機能のコントローラーが配置されています。

ランボルギーニ「ランザドール」
AUTOMOBILI LAMBORGHINI
ランボルギーニ「ランザドール」
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ダイナミクスシステムは、ステアリングに設置されたコントローラーで操作します。インテリアパーツに用いられているオーストラリア産メリノ種の羊毛からつくられた100%天然ウールやタンレザーは、いずれもサステナビリティに配慮して生産されたもので、またプラスチックパーツにはリサイクルプラスチックが使われています。

「市販モデル第4シリーズを見据えながら、ランボルギーニのDNAに忠実にデザインされたコンセプトカーが『ランザドール』です」、と声明を発したステファン・ヴィンケルマンCEO。

「私たちがフロントエンジンを採用した当初のクーペも、スポーティかつエレガントでありながら、日常的に乗れるグランツーリスモを目指した2+2でした。『ランサドール』は来たるべき第4シリーズのため、新技術を果敢に取り入れた大胆なデザインのスーパースポーツカーという、ランボルギーニの哲学をそのまま踏襲したコンセプトカーとなりました。

ランボルギーニの4番目の生産モデルのコンセプトは、私たちの哲学であるスーパースポーツ性と勇敢な新技術、そして大胆不敵なデザインを融合させたものです」と続けます。

Source / Road & Track
Translation / Kazuki Kimura
Edit / Ryutaro Hayashi
※この翻訳は抄訳です