日本でも今年2月に鈴鹿サーキットでランボルギーニ創立60周年記念イベント「60thアニバーサリー・ランボルギーニ・デー」が行われましたが、そのときに日本初公開されたのが「ウラカン ステラート」です。

ランボルギーニのスーパーカー「ウラカン EVO」をベースに、未舗装路もガンガン走れる仕様です。「ウラカン」とは、実在した闘牛の名前に由来するのは有名な話ですが、「ステラート」とはイタリア語で「ダート」や「オフロード」という意味。

ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
AUTOMOBILI LAMBORGHINI
ランボルギーニ最後のピュアエンジンモデルとなる「ウラカン ステラート」。なるほど、集大成はこう来たか、と。
ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
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試乗会の舞台は、アメリカ・カリフォルニアにあるチャクワラバレー・レースウェイ。

ドライブモードに「ラリー」が追加

ベースは「ウラカン EVO」ですが、そこから全長が5mm、全幅は23mm、そして全高も44mmサイズアップされ、ボディサイズがひとまわり大きくなっています。そして見た目もワイルドに変身。ボディプロテクションやサイドシル、ディフューザー、ホイールアーチなどで武装されています。きれいな空気をエンジンに送るためのリアフードのエアインテークも印象的です。

パワートレインを確認すると、5.2リッターのV10 エンジンに7速デュアルクラッチトランスミッションという組み合わせ。最高出力610ps、最大トルクは560Nmに達し、電子制御された全輪駆動となります。ブレーキも強化され、アルミ製のモノブロックキャリパーとカーボンセラミック製のディスクブレーキを搭載。タイヤはブリヂストンとの共同開発となる19インチのランフラットタイヤ「Dueler AT200」を履いています。

ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
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ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
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ドライブモードセレクターに「ラリー」が追加されました。
ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
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「ウラカン ステラ―ト」は、最後のV10モデルとされます。

「ウラカン ステラート」の1番のトピックは、走りを統合制御する最新の「ランボルギーニ・ダイナミカ・ヴェイコロ・インテグラータシステム(LDVI)」が搭載されたことと、ドライブモードに「ラリーモード」が設定されたことでしょう。

荒野にも強み

ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
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走りを統合制御する最新の「ランボルギーニ・ダイナミカ・ヴェイコロ・インテグラータシステム(LDVI)」を搭載。
ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
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「ウラカン」と言えば他のスーパーカー同様、これまでオンロードでの最高速が主命題とされてきました。「ウラカン EVO」の最高速度は325km/h、0-100km/h加速は3.2秒と、かなりのハイスペックモンスターです。もちろん、そんな速度を素人に出せるはずも、出せる場所も、出す機会も一生訪れないかもしれませんが、「そのスピードを出せる実力がある」ということが大切なのです。その速度が出せるということは、ブレーキをはじめその他すべての性能が高いということとほぼ同義ですから。

しかし、今回試乗する「ウラカン ステラート」の最高速度は260km/h。0-100km/h加速は3.3秒。「ウラカン EVO」と比べて、見劣りする印象を受けるかもしれません。ですが、その代わりに舗装路以外の未舗装路も走行できるという、これまでの「ウラカン」シリーズではかなわなかった楽しみが加わります。つまり、オンロードもオフロードも楽しめるということ。また、新しく加わった「ラリー」モードでは、わざとグリップを低下させることで滑りやすく(ドリフトしやすく)なり、これによって、まるでラリーカーのように未舗装路でのドライビングが可能となります。

舞台は西海岸の砂漠

ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
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最高速度は260km/h。0-100km/h加速は3.3秒。
ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
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さて、今回の試乗会の舞台はアメリカ・カリフォルニアにあるチャクワラバレー・レースウェイ。砂漠のど真ん中にあるサーキットで、舗装された路面と未舗装のダートコースの両方を楽しめるという、オン&オフロード対応の特別なコースです。なるほど、だからイタリアの車なのに北米での試乗なのかもしれませんね。

さすがに砂漠だけに、日中はジリジリと焦げるような暑さ。ですが、ここはサーキットなのでヘルメットを着用し、いざコースイン。ベテランのインストラクターが助手席からサポートしてくれます。まずは舗装路のサーキットコースをドライブモードセレクターの「アニマ(ANIMA)」でスポーツモードに。すると後輪駆動となり、グイグイと後ろから押される感じ。そのフィーリングは力強い走りそのもの。

荒野 × スーパーカー × ドリフト

そしてお次は、待望のオフロード走行です。舗装路を外れて未舗装のダートコースへ差し掛かり、運転モードを「ラリーモード」に変更。ラリーモードに入れることで前輪への駆動配分が増え、アクセルの感度はラフになり、アクセルペダルの踏み込みに対してトルクの出方が緩やかに。

ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
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車の動きがスローになったように感じられ、まるでラリードライバーになったかのように巧みに車を操れるのです。オフロードでも簡単にドリフトができて、自分の運転がうまくなったように感じられます。もちろん、LDVIの電子制御によるサポートの恩恵もあるようですが、それに気がつかないほどにさりげない介入です。こんな運転、楽しくないはずがありません。

ランボルギーニ最後のピュアエンジンモデルとなる「ウラカン ステラート」。「なるほど、集大成はこう来たか」、と思わずにはいられませんでした。確かに、これまでのランボルギーニではめったにお目にかかれない楽しみ方を提供してくれました。スーパーカーで大人の砂遊び、最高です。価格は3116万5367円(税抜き)。世界限定は1499台ですが、ほぼ完売とのこと。

ウラカン ステラ―ト(huracan sterrato)
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