映画『007』シリーズでスタントドライバーも務める

F1マシンのドライバーズシートは、男性のためだけにあるわけではありません。

アストンマーティン・アラムコ・コグニザントF1チーム(以下アストンマーティン)でドライバーアンバサダーを務めるジェシカ・ホーキンス選手は、9月21日(木)にハンガリー・ブダペストにあるハンガロリンクでアストンマーティン「AMR21レーシングカー」のF1マシンをテストしました。最新のF1マシンをテストした女性は、彼女が5年ぶりのこととなります。

現在28歳のホーキンス選手は、イギリスのカートチャンピオンであり、2019年から2022年にかけて開催されていた女性だけで競われるフォーミュラカーレース「Wシリーズ」で表彰台に立った実績を誇ります。映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』などのハリウッド映画では、スタントドライバーとしての実績も誇ります。

ドライバー・アンバサダーとしてアストンマーティンに加入したのが2021年、翌2022年からはイギリス・シルバーストーンにあるチーム本部のドライビング・シミュレーターで練習を重ねていました。そして先月末、ようやく彼女の夢が実現したのです。

今後も女性をエンパワーメントしていきたい

「ここにたどり着くまで、血と汗と涙の限りを尽くしてきました。最初に『F1マシンを運転できる可能性がある』と聞いたときは、とても信じられませんでした」と、ホーキンス選手は語ります。

ジェシカ・ホーキンス選手
Mark Thompson//Getty Images
Wシリーズに参戦中、トレーニングに励むホーキンス選手。2020年撮影

「他のモータースポーツの車両を見ても、F1マシンの加速とブレーキングに匹敵するものはありません。データを確認して、自分自身のパフォーマンスを本当に誇りに思っています。『AMR21』をドライブすることは私にとって夢のようなことで、長年実現させたいと願い続けていました。もちろん、これで満足することはありません。さらなる高みを目指して自分自身を鼓舞し続け、その過程で他の女性たちをエンパワーメントしていきます。それがどんな夢であっても、自分の夢を追いかけるべきだということを伝えていきたいと思っています」

今回のF1マシンの運転はもちろん、彼女にとって重要な瞬間でした。ですが、これで彼女の旅が終わったわけでは決してありません。

2024年からは、F1全10チームが女性だけのレースシリーズをサポートすることを決定しています。各チームは女性ドライバー1名を擁し、それぞれのF1チームのカラーリングが施されたマシンを操縦するのです。ホーキンス選手はそのシリーズに参戦することが、現時点で決定しています。今後の活躍に期待しましょう。

Source / Road & Track
Edit & Translation / Ryutaro Hayashi
※この翻訳は抄訳です