今知っておきたい世界の自動車業界のトピックを、ざっくりお届けする【WORLD CAR NEWS】。今回はスバルとトヨタの兄弟車の世界公開、BMWの工場のEV対応について。そして、フォードのピックアップトラックのEV化の現状についてお届けします。
スバル「BRZ」、2020年11月18日に全世界で公開
共同開発された兄弟車、スバル「BRZ」とトヨタ「86」。初代モデルが生産されたのは早8年以上前のこと。そろそろ新世代のときとなります…。
スバルは日本時間11月18日23時に、2022年モデルの「BRZ」を世界公開すると発表しました。トヨタは次世代「86」について何の噂もしていませんが、近い将来デビューする予定です。より剛性の高いシャシーとより多くのパワーを期待できそうです。そして(ありがたいことに)、マニュアルトランスミッションはまだ標準装備となりそうです。
モデルイヤーは2022年なので、発売は2021年夏以降となります。北米スバルのティザーサイトでは世界公開までのカウントダウンが始まっています。さらに、大自然の中を疾走する「BRZ」のムービーも公開されています。車体が映るのはほんの一瞬ですが、最新モデルへの期待を上げてくれること間違いありません。
BMWの全てのドイツ工場は、2022年までにEVを製造する予定です
BMWは、フルEVに真剣に取り組んでいます。「i4」、「iNEXT」、そして、おそらく7シリーズEVを今後数年で発売する予定です。それらが生産体制に入れば、同社の全ドイツ工場をEVに対応させ積極的に生産すると、BMWのブログは指摘しています。
しかしながら、それはBMWのドイツの工場が全て電気自動車の生産のみを行うということではありません。例えばバイエルン州南部にある街、ディンゴルフィングでは「iNEXT」と並んで5シリーズの生産も続けます。しかし、EVは標準的な内燃機関製品とは異なるため、生産施設がEV生産を行えるようにすることが重要となります。
フォード「フルサイズのピックアップトラックのEV化はもう少し先」
フォード「Fシリーズ」のトラックは、世界で最も売れている車両です。トラックの販売だけでも、雑誌『フォーチュン』が毎年発行する全米上位500社リストに掲載される多くの企業よりも、多額の収益を収めています。
つまり、Fシリーズの電動化は大きな一歩であるばかりか、未来のことを見据えて、フォードは今後数年のうちに「F-150」の全電動化に踏み切ることになるでしょう。
ですが、「F-250」や「F-350」が「F-150」のすぐ後を追うように電気化されることは期待できないでしょう。フォードのアメリカ・インターナショナルマーケットグループの社長はクレディ・スイスのフォーラムにおいて、「それ(『F-250』や『F-350』のEV化)は機能しません」と語りました。また、フォード幹部のクマール・ガルホトラ氏は、「現時点ではその予定はありません」と話しています。
重い荷物の牽引や運搬を行うと、電気自動車の航続距離は大幅に減少してしまいます。そのため、フォード幹部の反応は大きな驚きではありません。フォードのスーパーデューティー(フルサイズのピックアップトラック)のラインナップは、「F-150」よりも多くの牽引と積載量を必要とする人々を対象としています。よって、EVがその市場を満たし、牽引中に使用可能な範囲を提供できるようになるまでには、少し時間がかかる場合があると言えるでしょう。