8月4日(金)、日本自動車輸入組合(JAIA)2023年7月の輸入車販売台数を発表しました。販売総台数は1万8164台で、前年同月比約15%アップ。EV(電気自動車)の販売台数は同3.5倍アップの1322台でした。

ブランド別にみると、トップはメルセデス・ベンツで3704台、前年同月比約11%アップ。続いてフォルクスワーゲンが3578台、同約60%アップ。3位はBMWで2243台。前年同月比では約1.8%ダウンとなりました。

続いて、日本自動車販売協会連合会が8月4日(金)に発表した「7月の乗用車ブランド通称名別順位」によると、1位はトヨタ「ヤリス」で1万8854台。「ヤリス」は2023年に入ってから毎月トップの売り上げ台数を記録しています。2位はトヨタ「カローラ」で1万2792台、3位はトヨタ「シエンタ」で1万2489台となっています。

トヨタ以外の主要メーカー別の最多販売台数モデルは、日産が「ノート」で販売台数が8357台で7位、ホンダが「フリード」で6043台の10位。スズキが「ソリオ」で3424台の18位、スバルは「フォレスタ-」が2797台の22位、マツダが「CX-5」で2158台の28位、レクサスは「UX250H」が1532台で35位、三菱は「デリカD5」が1274台で39位でした。

フォードのEV化への道のりに暗雲も

数値データ関連では、7月末にアメリカから気になるニュースが飛び込んできました。アメリカ大手フォード・モーターが発表した2023年4~6月期の決算では、純利益が19億ドル(約2600億円)で前年同月比約3倍と堅調な伸びを見せました。ところが、注力しているEV事業では10億ドルを超える赤字が続いています。販売台数こそ伸びているものの、その規模は依然小さく、開発費の増大などの現状を受けて利益を出せる状況には至っていません。

フォードceo、ジム・ファーリー
Bill Pugliano//Getty Images
フォードのジム・ファーリーCEO。

マスタング「マッハE」や「F-150ライトニング」など、同社の目玉となるEVには発表当初こそ注文が殺到したもののその需要も鈍化。「F-150ライトニング」では、価格の引き下げも行われています。こういった状況を受けて、当初は2023年末までに年間60万台のEV生産が計画されていましたが、それを2024年に延期することが決定。より長期的な目標としては、2026年をめどに年間200万台のEV生産目標も掲げられていましたが、アメリカのテレビネットワークCNBCによると現在は、その目標達成時期目安も不透明となっているとのことです。

しかし、ジム・ファーリーCEOは同社の四半期決算を発表するリリースの中で、このニュースを前向きにとらえている姿勢を鮮明にしました。

「EVの短期的な普及ペースは予想よりやや遅れています。これはフォードのようにいちはやくEV化へ注力したアーリームーバーにとっては有利に働くでしょう。初期のフォードのEVが市場に大量に出回ることで、忠誠心の高い電気自動車購入者を取り込めるのですから」

とは言え、数字が物語るのはバラ色ではない未来でしょう。

EV事業を統括するフォードのモデルe事業部門は、前の四半期に18億ドル(およそ2550億円)の損失を計上しています。が、フォードは今年、それを上回る約45億ドル(およそ6337億円)もの損失を予想しています。確かにこれは目を覆いたくなるような金額に違いありませんが、フォードにはまだ余力が残されていて、黒字を維持できます。

EVの販売が予想を下回ったにもかかわらず、フォードは今期の業績見通しを引き上げています。そればかりか、EV事業を黒字化する道を引き続き歩み続ける姿勢を打ち出しています。しかしながら、EV需要が鈍化を見せる中、1台当たりの利益率がすぐに向上することは予想し難いと言わざるを得ないでしょう。

Source / Road & Track
Edit / Ryutaro Hayashi
※この翻訳は抄訳です