トヨタの欧州法人であるトヨタモーターヨーロッパ(TME)は、2026年にヨーロッパにおける新車販売台数の20%をBEV(バッテリー式電気自動車)とすることをベルギー・ブリュッセルで発表し、新たに6モデルのBEVを投入。BEV全体で25万台以上の販売を目指すことを明らかにしました。

トヨタは「世界のどこに住んでいても、どんな状況であっても、誰もがモビリティが提供する機会にアクセスでき、誰一人取り残されることがない」ことを念頭に、「マルチパスウェイ戦略」を展開しています。これは、EV(電気自動車)の選択肢の幅を広げ、その地域に合ったEVの解決策を提供することを目標に、BEV、ハイブリッド(HV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、燃料電池車(FCV)などの全てを全方位(マルチパスウェイ)で開発・販売する戦略のことです。この戦略を活用して、2040年までのカーボンニュートラル実現へと向かっていくことも併せて発表されました。

新たに6モデルのBEVを投入

トヨタ スポーツ クロスオーバー コンセプト、アーバンsuvコンセプト
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左が「スポーツクロスオーバーコンセプト」、右が「アーバンSUVコンセプト」

今回6台の新型モデルの投入が発表されましたが、そのうちの4台は「bZ4X」をはじめ、レクサス「LF-ZC」、今年のジャパンモビリティショーでも展示された「FT-3e」、スポーツカーの「FT-Se」とすでに公開されているモデルとなります。今回お披露目されたのが、「アーバンSUVコンセプト」と「スポーツ クロスオーバー コンセプト」です。

Bセグメントの新型SUV「アーバンSUVコンセプト」
トヨタ アーバンsuvコンセプト
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斬新なフロントフェイスで近未来感あふれるデザイン

「アーバンSUVコンセプト」は、今後欧州最大のBEV市場の一つになるとトヨタが見込んでいるBセグメントのSUVカテゴリーへの投入が予定される1台です。BEVではないものの、サイズ的にはトヨタ「ヤリスクロス」がこのカテゴリーに該当します。近未来的なフェイスと幾重にも重ねられたキャラクターラインを持つ「アーバンSUVコンセプト」は、ドライビングポジションが高めに設定され、本格的なSUVの存在感が漂うデザイン。

トヨタ アーバンsuvコンセプト
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トヨタ アーバンsuvコンセプト
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全輪駆動と全輪駆動の2種類のパワートレインが用意され、航続可能距離や予算など自身の車との付き合い方に合わせて、バッテリーは二つの容量から選択が可能です。ボディサイズは、全長4300mm、全幅1820mm、全高1620mm。インテリアは必要に応じて、乗員スペースや積載スペースの調整が可能とのこと。この「アーバンSUVコンセプト」をもとにした量産モデルは、2024年上半期の販売が予定されています。

トヨタの新型「スポーツクロスオーバーコンセプト」

トヨタ スポーツ クロスオーバー コンセプト
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流麗なファストバックとして登場した「スポーツクロスオーバーコンセプト」

「スポーツクロスオーバーコンセプト」は、洗練されたエアロシルエットと特徴的なファストバックラインを備え、同社のBEVラインアップのデザインアイコンとなる1台です。5つのドアと大きなトランク、広々とした後部足元スペースを備えるなど、実用性と快適性を兼ね備えた1台として、トヨタは「初めてEVを購入する顧客にとって魅力的な提案であり、SUV に代わるスタイリッシュな選択肢になる」とリリースでは伝えています。

トヨタ スポーツ クロスオーバー コンセプト
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トヨタ スポーツ クロスオーバー コンセプト
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この「スポーツ クロスオーバー コンセプト」、もともとは今年4月に開催された上海モーターショーで公開されたモデルで、当時は「bZ スポーツ クロスオーバー コンセプト」という名称で発表されていました。トヨタとBYDが中国に設立した合弁会社「BYD Toyota EV Technology Co. Ltd.」によって、中国と欧州の両方の市場向けに開発されています。この「スポーツ クロスオーバー コンセプト」をもとにした量産車の欧州での販売は、2025年が見込まれています。

なお、「アーバンSUVコンセプト」「スポーツ クロスオーバー コンセプト」ともに、日本国内での販売は発表されていません。