50周年に合わせて、
秘蔵のコンセプトモデルを公開

1973年、アメリカにおけるトヨタのデザイン拠点として「キャルティ・デザイン・リサーチ(Calty Design Research, Inc.)」がカリフォルニアに設立されました。ここでの主な業務はエクステリアデザインの制作で、2代目「セリカ」や初代「エスティマ」、3代目「ソアラ」などのデザインをつくり上げてきました。

今年(2023年)10月には設立50周年を記念して、市販化には至らなかったスポーツカーやスーパーカーのデザインを「Hidden Gems:隠された宝石」と題して公開。そして今回、設立から50年にわたるキャルティのデザインの中から、ついぞ使用されることのなかった秘蔵のコンセプトモデルを新たに発表しました。

なかでも最もエキサイティングなのは、上の写真。「86」をベースとした5ドアのスポーツクーペの形状を持ったステーションワゴン、つまりシューティングブレークです。2012年に誕生したコンセプトカーで、その名は「X86D」。初代「86」のスポーツカーという前提を取り払い、壮観なリアガラスのラップアラウンドを備えたドラマチックな印象の1台に仕上がっています。駆動は全輪駆動で、エンジンは「86」と同じフラット4でしたが、ドアと駆動輪が追加されたことで最終的な仕上がりは全く異なるものになったことでしょう。

トヨタ「86」の幻のシューティングブレーク
toyota
1989年に発表されたユニークなフューチャー・ハイパフォーマンス・コンセプト。ボディからエンジンが出てくるのが特徴で、ボタンを押すと、ミッドマウントされたパワープラントが車体から浮き上がり、走行中に冷却効果を発揮するものだった。そして運転席側のフロントガラスは、駐車時には完全に閉じることができました。

上記のモデルも今回発表された未使用のコンセプトカーのひとつで、1989年に発表されたフューチャー・ハイパフォーマンス・コンセプトカーです。冷却性能を強化するために車体から浮き上がるエンジンと、駐車中に閉じることができる動くフロントガラス構造という特徴を備えていましたが、このプロジェクトもまた日の目を見ることはありませんでした。

新型「ランクル」にも
幻のコクピットの存在があった

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今回キャルティが公開したアーカイブの最新ルックの中には、惑星間探査車の機能と「FJ40ランドクルーザー」のデザインを融合させた1台で、今年10月に公開された「ベイビー・ルナークルーザー」も登場しています。

さらに、現地時間12月1日には、今年8月に発表された最新「ランドクルーザー」で使用されることのなかったインテリアのコンセプトイメージがインスタグラムにポストされました。

すでに販売が終了している「FJクルーザー」のコンセプトをさらに一歩進めたデザインで、大きなブロック状のアクセントとユニークな素材を組み合わせた独創的なインテリアに仕上がっています。運転時の車両情報は4つのスクリーンと伝統的なアナログメーターに表示され、他の車にはない印象を醸し出しています。

トヨタが最終的に選択した新型「ランドクルーザー」の、シンプルかつモニターを中心とした構成のインテリアは多くの購入者に適しているかもしれません。ですが、このコンセプトモデルのインテリアもまたインパクトがあり、多くの人の記憶に残るものであることは間違いないでしょう。

Source / Road & Track
Edit & Translation / Ryutaro Hayashi
※この翻訳は抄訳です