“ザ・ロック”の愛称で知られるドウェイン・ジョンソンは、数々の大作映画に出演してきた大物俳優です。もはや、元プロレスラーであることを忘れている人も多いかもしれません。そんな彼が大ヒット映画シリーズの中でも「史上最強の主役」である…あの007を演じたいと考えていても、なんら不思議ではありません。

そんなわけでジョンソンは、Esquireの動画シリーズ「Explain This」の中で次のジェームズ・ボンド役の候補として自ら名乗りをあげたのです。

動画の冒頭で、ジョンソンは自身の家族とこの長寿スパイ映画との関わりについて、「私の祖父は、ショーン・コネリーがジェームズ・ボンドを演じた『007は二度死ぬ』でボンドの敵役を演じたんです。すごいですよね」と語ります。彼の祖父 ピーター・メイビア(ちなみに祖父も元プロレスラー)は、コネリー演じるボンドと戦う脇役の悪者の1人を演じていたのです(つまり、撮影で日本にも訪れているときわけです…)。

さらにジョンソン自身もこの作品の大ファンであることを認め、より高い目標を掲げていることを明かしました。「祖父のキャリアをたどって私も007に出演したいです。ただし悪役ではなく、次のボンドになりたいですね」

ドウェイン・ジョンソン
Getty/MGM

ダニエル・クレイグが15年間務めたボンドは、2021年に公開された『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で幕を閉じましたが、次のボンドに向けた扉はしっかりと開かれたままです。

007シリーズの背後にいる人たちはある程度オープンに考えているようで、「ボンドは男性でなければなりませんが、白人に限定されるべきではない」と話しているようです。プロデューサーのバーバラ・ブロッコリも、アメリカ エンターテイメント業界誌『Variety』に、「ボンドはどんな人種でも構いませんが、男性であることが条件です」と語っています

ジョンソンが苦労しそうなのは、ジェームズ・ボンドがイギリス人でなければならないという点(単なる筆者 Evan Romanoの好みかもしれませんが)で、彼はこの条件にまったく当てはまりません。

ブロッコリと共に007シリーズを製作してきたプロデューサーのマイケル・G・ウィルソンは、「ボンドはイギリスもしくはイギリス連邦の出身だと思われていますが、イギリスというのは非常に多様な場所です」と話しています。ジョンソンがイギリス訛(なま)りに挑戦するところを見たことはありませんが、見てみたいかと言われると微妙なところです…。

つまり、ジョンソンが挑戦するとしたら、アルフレッド・ヒッチコック監督の『北北西に進路を取れ』やクリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』のような、“別世界”のボンド映画と呼べるものになるかもしれません。ボンド映画のようなスパイアクションで迫る映画ですが、異なる名前のキャラクターが登場する(そしてジャンルやスタイルがもう少し柔軟な)映画です。

そしてジョンソンなら優秀な監督を雇って、そんな映画を軌道に乗せることだってできるでしょう。そう、シリーズ化も夢じゃありません。彼にノーと言う人など、いないはずですから。

Source / Esquire US
Translation /Yuka Ogasawarauka
※この翻訳は抄訳です