先日発表になった2023年度カンヌ国際映画祭出品作リスト。そのリスト中にあった巨匠ペドロ・アルモドバルの新作は、ファッションブランド「サンローラン」の製作であることが正式に発表されました。 

サンローランは子会社として、映画製作会社「サンローラン プロダクション」を設立。本格的な映画製作を進めていくことを発表することにより、史上初の映画製作を直接手掛けるラグジュアリーブランドになりました。

アンソニー・ヴァカレロはこれに際し、こうコメント。「長年にわたり私にインスピレーションを与えてくれた偉大な映画界の才能のある方々と共に働き、そのためのスペースを提供したい」と述べています。 

サンローラン カンヌ国際映画祭
FESTIVAL DE CANNES
『Strange Way of Life』

サンローランと映画。長年続く蜜月関係 

サンローラン・プロダクションが第76回カンヌ国際映画祭に参加し、オフィシャルセレクション(公式出品作)としてプレミア上映するペドロ・アルモドバル監督の『Strange Way of Life(原題)』はイーサン・ホークとペドロ・パスカルが出演しています。プロアクションの待機先としては、デヴィッド・クローネンバーグやパオロ・ソレンティーノとの共作が含まれるともブランドはアナウンスしています。

これについてもアンソニー・ヴァカレロは、「私はこの2名の監督の作品に必ずインスピレーションを受けます。ある意味、彼らが映画界にもたらす特異で過激なビジョンが、今の私をつくったのです」と語っており、制作されるすべての作品に、アンソニー・ヴァカレロによるサンローランの衣装が採用されているとのこと。

catherine deneuve dans le film 'belle de jour' en 1966
REPORTERS ASSOCIES//Getty Images
『昼顔』

サンローランと映画のつながりはよく知られているように、深く長いもの。イヴ・サンローランは、ルイス・ブニュエルの『昼顔』(1967年)でいくつものアイコン的衣装をデザインしています。フランスBBC(※)の一角、リュック・ベッソンの『サブウェイ』でイザベル・アジャーニのドレスなどの印象的衣装を手掛けています。 

※ 1980年代に仏映画の新潮流を生み出し「アンファン・テリーブル(恐るべき子どもたち)」と呼ばれた3人の監督、ベッソン、ジャン=ジャック・ベネックス、レオス・カラックスを指す。

on the set of subway
Patrick CAMBOULIVE//Getty Images
『サブウェイ』より

以前から続く、映画とファッションの関係。今後その距離がますます近づく、その一歩として映画祭での作品の評価にも注目が集まっています。 

お問い合わせ
サンローラン クライアントサービス
TEL 0120-95-2746
公式サイト