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キリアン・マーフィーの出演映画ベスト12｜『オッペンハイマー』や『インセプション』など
核爆弾を使った計画に携わる物理学者（2作）、アイルランド・コーク出身の若者（2作）、バットマンのヴィラン（3作）などを含むおすすめ作品を厳選しました。
ドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』や映画『オッペンハイマー』などの出演ですっかり世界的な俳優となった俳優キリアン・マーフィーは、アイルランドのコークで活動する若手舞台俳優の一人でした。1996年に上演された舞台『ディスコ・ピッグス（日本未公開、原題：Disco Pigs）』に出演したことがきっかけで、2001年の映画化作品もピッグ役で出演。そこからマーフィーのキャリアは急展開を迎えます。
この演技に強く感銘を受けたダニー・ボイル監督は、マーフィーを黙示録的世界を描いたサスペンス『28日後...』の主役に抜擢。その後、『麦の穂をゆらす風（原題：The Wind That Shakes the Barley）』に主演し、アイルランド独立運動を描いたこの作品で、アイルランドのインディペンデント映画として歴代最高（当時）の興行収入を記録したとされています。
その後、マーフィーがクリストファー・ノーラン監督作品の常連俳優となったことは説明するまでもありません。『バットマン ビギンズ』の他、『ダークナイト』『インセプション』『ダンケルク』、そして今回の『オッペンハイマー』などに出演。マーフィーは自身のキャリアを通して、華やかなシーンにはなかなか登場していませんが、数少ないインタビューからは鋭いユーモアのセンスがうかがえます。
彼はかつて英「サンデー・タイムズ」紙のインタビューで、「議論を巻き起こすようなことはしません」と語り、「多くの女性と付き合ったり、外で泥酔したりはしません」とタブロイド紙に載らないように気をつけて生活していることを明かしました。
『オッペンハイマー』は間違いなくマーフィーのベスト作品の一つですが、『ピーキー・ブラインダーズ』、サスペンスホラー『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』や『サンシャイン2057』なども、彼の代表作としてふさわしい作品です。『オッペンハイマー』の衝撃覚めやらぬ人や『ピーキー・ブラインダーズ』の映画化を楽しみしている人はぜひ、このリストを参考にしてください。
『オッペンハイマー』（2023年）
キリアン・マーフィーは、このクリストファー・ノーラン監督最新作で過去最高の演技を見せています。興行成績に関しては“バーベンハイマー”効果の後押しがあったかもしれませんが、批評家たちからの絶賛がこの映画自体が成功作であることを証明しています。
「原爆の父」とも呼ばれ、歴史上でも特に物議を醸した人物の一人を体現するため、マーフィーは“毎日アーモンド1粒”しか口にしないダイエットで、徹底した役づくりをしたそうです。
現在公開中（日本未公開）
『ピーキー・ブラインダーズ』（2013～2022年）
本作は映画ではなく、第一次大戦後の英国を舞台にギャングの生き様とその時代背景を描いたドラマシリーズですが、今後映画化される予定です。『オッペンハイマー』以前は、この英テレビドラマシリーズ『ピーキー・ブラインダーズ』がマーフィーの最も知られた代表作でした。
シーズン6まで続いたこのシリーズで、彼はギャング集団「ピーキー・ブラインダーズ」のリーダー、トミー・シェルビーを演じました。映画版は、現在製作が進んでいます。
『バットマン ビギンズ』（2005年）
クリストファー・ノーラン監督の傑作映画「ダークナイト3部作」の第1作『バットマン ビギンズ』で、マーフィーは実写版初登場のヴィラン「スケアクロウ」を演じました。
元精神科医のジョナサン・クレインというキャラクターは、大好評を博した第2作『ダークナイト』（2008年）にも登場しますが、この第1作ではメインのヴィランとして描かれています。
『28日後…』（2002年）
「目が覚めたら世界は終末を迎えていた」という状況は、どう考えても寝覚めのよいものではありません。昏睡状態から目覚めた主人公が目にしたのは、なにせゾンビがはびこる黙示録的世界…。言わずと知れた『ウォーキング・デッド』は2003年から続くシリーズですが、2002年公開の『28日後...』では、キリアン・マーフィ演じる主人公ジムが昏睡状態から覚めると、そこは人間を凶暴化させるウイルスに感染した人々が殺人鬼となってさまよう悪夢のような世界だったのです。
『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』（2020年）
音に反応する未知の存在が人間を襲う荒廃した世界でサバイバルに挑む家族を描いた『クワイエット・プレイス』（2018年）の続編。本作でマーフィーは、妻子を失った謎の生存者「エメット」という人物を演じました。
当時、彼は映画誌『トータルフィルム』に対し、自身の役どころを“このストーリーの現在地を示す人物”であり、“とうとう万事休すかと思われる瞬間”にカギとなるキャラクターだと説明していました。
そう言えば、マーフィー演じるエメットは人気サバイバル・アクションゲーム『ラスト・オブ・アス（The Last of Us）』の主役ジョエルに似ていると話題にもなりました。そんなゲームのストーリーは、前述の『28日後...』のように謎の寄生菌による感染者と生存者がせめぎ合う世界がテーマでした。
『インセプション』（2010年）
マーフィーは、『インセプション』の主要ターゲットとなる会社後継者ロバート・マイケル・フィッシャーを演じています。レオナルド・ディカプリオ演じるドム・コブと仲間の産業スパイは、全編を通じてフィッシャーの夢の中に入り込み、父親から受け継いだ会社を解体するように説得します。
『TIME / タイム（原題：In Time）』（2011年）
全ての人間は25歳で成長が止まり、その後の余命時間が“通貨”となるという近未来を描いたSFアクションサスペンス。人々は食費や家賃、薬代も「分」や「秒」単位の時間で支払い、時間を使い果たせばそれがその人の寿命となります。
スラム街で母と暮らすウィル・サラス（ジャスティン・ティンバーレイク）は、ギャングから時間を奪われようとしていた富裕層の男性を助け、多くの「時間」を受け取ります。が、そこにタイムキーパーのレイモンド・レオン（キリアン・マーフィ）がウィルを調査するために派遣されます…。
『サンシャイン2057』（2007年）
キリアン・マーフィーはこの作品でも、核爆弾の威力を分析する物理学者役を演じています。時は2057年。燃え尽きかけている太陽を巨大な核爆弾で再活性化させるという危険なミッションに挑む宇宙飛行士たちを描いた作品です。
『ディスコ・ピッグス』（2001年）
マーフィーがスクリーンで演じた初期の作品の一つ。アイルランドのコークで同じ日に生まれ、隣同士で育った「ピッグ」（キリアン・マーフィー）と「ラント」（エレイン・キャシディ）。
しかし、17歳になり再会した二人は、あらゆることが変わっているという現実に翻弄（ほんろう）されていきます。
『麦の穂をゆらす風』（2006年）
1920年代のアイルランドで、独立運動に身を投じたコーク出身の兄弟を描いた作品。2006年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。
『パニック・フライト（原題: Red Eye）』（2005年）
マーフィーは航空会社にとって登場されたら最悪の人物、国際的暗殺者「ジャクソン・リップナー」を演じています。これ以上ないというほど、明確な役どころですね。
『ダンケルク』（2017年）
![Dunkirk - Trailer 1 [HD] thumnail](https://img.youtube.com/vi/F-eMt3SrfFU/maxresdefault.jpg "Dunkirk - Trailer 1 [HD] thumnail")
これもクリストファー・ノーラン監督作品の一つですが、この『ダンケルク』でのマーフィーの役名は「震える兵士」。海で民間船に救助された彼は恐怖体験を象徴する存在となり、船に乗っていた人々にも緊張感が広がっていきます。
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source / ESQUIRE US
Translation / Keiko Tanaka
Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です<
