チャールズ皇太子は自身初となるファッション・コレクションを、オンライン・ファッション通販サイトの「ユークス・ネット・ア・ポルテ」らと提携し、2020年11月に発表しました。そして、次に彼が計画しているのは、ウールスカーフのデザインです。

 2010年に開始した、「キャンペーン・フォー・ウール」というプロジェクトの10周年を記念した限定版スカーフをリリース。情報筋によると、チャールズ皇太子は限定版スカーフの色やデザインの選択に“深く関わっている”そうです。

 価格約150ポンドとなるユニセックスのスカーフは、サステナブルなブランド「マザー・オブ・パール(Mother of Pearl)」 と共同製作され、「ジョンストンズ オブ エルガン(Johnstons of Elgin)」によって製造されています。

 チャールズ皇太子は、「キャンペーン・フォー・ウール」プロジェクトの記念日が祝えることを「喜んでいる」とコメントしたほか、繊維製造のプロセスに変革をもたらす必要性について語っています。

 「業界で設定された国連の気候変動に関する目標に近づくためには、衣料品や繊維の産業、使用、廃棄についての考え方を改める必要があると感じました」とのこと。また、オンラインで出された公式声明で次のように述べています。

「例えば、繊維や衣類が持続可能な方法で生産され、長期間使用され、生分解する材料を使用してつくられる…といったように、一方通行で終わるものではなく、サークルシステムのようなものに移行する必要があります。耐用年数の終わりを遂げたときには、迅速に自然へと帰ることができるように」

murray wool jacquard scarf
NET-A-PORTER
elgin wool jacquard scarf
NET-A-PORTER

 言うまでもなく皇太子がこのたび手掛けた新しいスカーフは、ウールが持つ高い持続性による環境や社会への貢献度と共に、その耐久性を高さを強調するために製造されました。ここで使用しているウール素材は、オーストラリア・ニュージーランド・南アフリカ・英国から集めたウールをブレンドしたものになります。

 「持続可能で生分解されるというウールの特性を活かしたこのアイテムは、環境貢献への価値と、購入にあたっての価値における関連性の再評価すべきだと示唆しているのです。私たちは『自然』をただの素材として使ってただ運営するのではなく、『自然』を私たちの運営の中心に起き、経済モデルを進化させる…人と地球を世界的な価値創造の中心に置く必要があるのです」と、さらにチャールズ皇太子は話します。

 スカーフのデザインをサポートした「マザー・オブ・パール」の最高経営責任者であるエイミー・パウニー氏は、「英国の伝統的チェックである『プリンス・オブ・ウェールズ』柄にデザイン的なひねりを加えました。それは天然ウールをジャカード織りで構成することで、適切にデザインすることができました」と語っています。また、「私は古典と現代を融合させ、過去から何を継承すべきか、そして、未来のために何を守るべきなのかを、ここで再検討する素晴らしい機会となりました」と締めくくってくれました。

 チャールズ皇太子が2010年にスタートさせたこのプロジェクトは、羊毛のメリットを消費者に再確認する機会を与え、それと共に羊毛の豊富な製品を全国のユーザーにプロモーションすることで、羊毛産業の支援と発展の後押しするためのもの。

 10周年記念のスカーフは、「NET-A-PORTER」 、「ジョンストンズ オブ エルガン」(UK版サイト)で購入可能です。そして、これで得た利益は、テキスタイルをつくる職人らを育てるためのプロジェクトに充てられます。

Source / TOWN&COUNTRY