「スーパースター」の軌跡

 「スーパースター」開発のキッカケに関して、アディダス公式の資料記事にはこう書かれています。「アディダスの製品をアメリカで販売していた、ある代理店からの提案だった」と。

 その提案の内容を振り返ると…、1960年代当時バスケットボールシューズでのトップブランドと言えばコンバースやプロケッズでした。そんな時代にこの代理店は、「これらに対抗できるシューズをアディダスでつくってください」と申し出たそうです。

 そうして開発され、1960年代初頭に誕生したモデルが「コンバースよりもグリップ性能が高い」という意味合いから命名したローカットモデルの「SUPER GRIP(スーパーグリップ)」であり、プロ仕様という意味を込めたハイカットモデルの「PRO MODEL(プロモデル)」。これが「スーパースター」の前身となるモデルになります。ちなみにこの新商品を最初に受け入れたチームは、当時NBAの最下位チームであったサンディエゴ・ロケッツだったとのこと。キャンバス製が主流だった時代に登場したレザー製のこのシューズに、当初選手たちは懐疑的だったそうです。

「スーパースター」人気のきっかけ

 そして1969年に、ローカットモデルを「SUPERSTAR(スーパースター)」と改名し、翌1970年正式にリリースします。その間もサンディエゴ・ロケッツは着用し続け、試合を重ねる毎にそれがプロモーションとなって「スーパースター」愛用者が増え始めていったそうです。

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 このサンディエゴ・ロケッツが着用したことをきっかけに、バスケット選手の間でも人気が爆発。当時ロサンゼルス・レイカーズで活躍したカリーム・アブドゥル・ジャバー選手(映画『死亡遊戯』の中で、ブルース・リーと闘うあの背の高い悪役「ハキム」です)はこんな言葉を残しています。

milwaukee bucks v baltimore bullets
Focus On Sport//Getty Images
1970-71年シーズン、ミルウォーキー・バックス時代の#33カリーム・アブドゥル・ジャバー選手。1975-76シーズンからロサンゼルス・レイカーズへ移籍します。そして足元に注目を!

「まるで素足に三本線が
プリントされているようだ」

 この彼の言葉こそ、「スーパースター」の革新性を物語っているのではないでしょうか。事実1970年代の半ば頃には、半数以上のNBAプレイヤーが「スーパースター」を着用するほどコート上を席巻したとのことです。

 中でも特に、名門チームであるボストン・セルティックスが1974年に優勝を果たしたとき、ファイナルMVPに輝いたジョン・ハブリチェック選手もこの「スーパースター」を履いていました。このことが最大のきっかけとも言えるでしょう。事実、その後オーダーは殺到したそうです。

 このころになると、オールレザーだからこそ軽快な履き心地の良さが浸透。さらにそのパフォーマンスはもちろんのこと、デザインにおいてもセンスの高さが評価され、一挙にアディダスはバスケットボール黄金期を築き上げたのでした…。

さらに80年代になると、
ストリートでの市民権を獲得

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
RUN DMC - Walk This Way (Official HD Video) ft. Aerosmith
RUN DMC - Walk This Way (Official HD Video) ft. Aerosmith thumnail
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 1980年代に突入すると、バスケットだけに留まらずストリートカルチャ―でも注目を集めていくことになります。そのきっかけが、ニューヨークのヒップホップグループであるRUN-DMC(ラン・ディーエムシー)のMV(ミュージックビデオ)です。彼らは普段から「スーパースター」をレースなしで愛用し、それをそのままMVでも披露したわけです。

 これを後発で知ったアディダスは、彼らをオフィシャルでサポートします。そうして次第にヒップホップやストリートシーンでの人気も火がつくことに…。その人気は世界の各都市へ。もちろん東京でも一大ブームとなり、ファッションアイテムとしても確固たる地位を築き上げたのです。

 1990年代以降は、言わずもがな。スケートボード界のカリスマであるマーク・ゴンザレス氏とのコラボレーションが実現したのち、2000年代以降は数々のコラボレーションが立て続けに話題を呼びます。「NEIGHBORHOOD(ネイバーフッド)」や「HYKE(ハイク)」とのコラボのほか、NIGO氏がディレクションを手がけたモデルなど、東京発信のものも数多く登場しました…。

 そうして2014年より、adidas Originals(アディダス オリジナルス)とパートナーシップを締結しているファレル・ウィリアムス氏が、2015年には彼にとって最初の「スーパースター」とのコラボレーションモデル、「Supercolor(スーパーカラー)」をリリースします。これは生誕45周年を記念したモデルであり、なんと50種類ものカラーバリエーションを展開。世界中から注目を集めました。


そして2020年7月3日(金)、
「PHARRELL WILLIAMS SUPERSTAR」登場!

 長くなりましたが、ここでカレンダーを現在に戻しましょう。

 2020年は「スーパースター」にとって、50周年となるアニバーサリーイヤー。現在アディダスでは、「スーパースター」生誕50周年を記念して各界20人のアンバサダーを招聘したキャンペーン「Change is a Team Sport(チェンジ・イズ・ア・チームスポーツ)」を始動しています。

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adidas Originals | SUPERSTAR SS20
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 そうして長き歴史を祝福するモデルが続々とラインナップされる中、やはりファレル・ウィリアムス氏とのコラボレーションモデルを世界の多くの方が待ち望んでいることでしょう…。

「pharrell williams superstar」、ファレル・ウィリアムスとアディダスオリジナルスがクラシックなスーパースターのスタイルを祝う写真でディテールを見る!
adidas Originals
2020年7月3日(金)発売の「PHARRELL WILLIAMS SUPERSTAR」 各1万8700円(税込)※カラー:ブラックは10:00より予約販売開始。カラー:ホワイトは通常販売となります。

 そして皆さん、お待たせしました。2020年7月3日(金)に、待望のファレル・ウィリアムス氏とのコラボレーションによる50周年アニバーサリーモデルが発売となります。通常はレザー素材やシェルトゥが象徴となっているところ、この「スーパースター」はセンセーショナルにも、プライムニット素材で再構築しているのです。

 台形にカットされたシュータンや、ヒールにステッチワークで配された“HUMAN RACE(ヒューマンレース)”のテキスト、さらにアッパーにはカラーブロックメッシュを重ね合わせたパッチワークのようなデザインを施すなどなど、シューズの全面にファレル・ウィリアムス氏のセンスが濃縮された遊び心あふれる仕上がりになっています。今回のカラーバリエーションは、ホワイトとブラックの2色展開。本人のインスタグラムを見ると、ホワイトのほうを愛用しているようです。

 モデル名は「PHARRELL WILLIAMS SUPERSTAR」、価格は税別1万7000円。アディダス オンラインショップやアディダス オリジナルス フラッグシップ ストア トウキョウ、アディダス オリジナルスショップなどで展開するとのこと。お見逃しなく!

◇詳細
モデル名/PHARRELL WILLIAMS SUPERSTAR

発売日
/2020年7月3日(金)
※カラー:ブラック(FY1787)は10:00より予約販売
※カラー:ホワイト(FY2294)は通常販売
価格/1万8700円(税込)
カラー/
ホワイト(フットウェアホワイト/ボールドゴールド/ライトパープル)、ブラック(コアブラック/テックパープル/レガシーパープル)
取扱店舗
アディダス アプリアディダス オンラインショップ、アディダス オリジナルス フラッグシップ ストア トウキョウ、アディダス ブランドセンター(渋谷/新宿)、アディダス ブランドコアストア(名古屋)、アディダス オリジナルスショップ(六本木ヒルズ/GINZA SIX/池袋 P'PARCO/ダイバーシティ東京 プラザ/ラゾーナ川崎プラザ/心斎橋/福岡)

●お問い合わせ先
TEL 0570-033-033(アディダスお客様窓口)
公式サイト