夏はアイスコーヒーが美味しい季節です。が…、家で淹れるアイスコーヒーとお店で飲むアイスコーヒーを比べると、お店で楽しむコーヒーのほうが断然美味しく感じませんか? 使用できる機材やコーヒー豆も違うので、なかなかお店の味に近づけるのは難しいかもしれません。ですが、自宅でも美味しいアイスコーヒーをつくる方法をお探しなら、水で低温抽出したコーヒー…つまり、「水出しコーヒー」をつくってみるのがおすすめです。
通常のドリップで淹れたコーヒーに比べ、完成までに時間は掛かります。ですが、水でゆっくりと抽出された水出しアイスコーヒーはコクと旨味があり、風味も豊か。一度味わうと、もう戻れなくなるほどの美味しさです。そこでこのページでは、水出しコーヒーの特徴と器具の種類、おすすめの水出しコーヒー用商品をご紹介します。今年は水出しコーヒーで、美味しい夏をお過ごしください。
水出しコーヒーの特徴
水出しコーヒーとは、水で低温抽出したコーヒーのこと。熱を与えるとコーヒー豆が酸化してしまいますが、そのような事態を防いで豆本来の旨味を引き出すことを目指すアイスコーヒーの抽出方法となります。低温で長時間かけてコーヒーを抽出するため、カフェインやタンニンが溶け出しにくく、香り高くまろやかな味わいのコーヒーを楽しめることでしょう。
水出しコーヒーの出し方は2種類
1.浸漬式
ティーポットのような形状の器具で、コーヒーの粉を水に浸して抽出する方法です。“ストレーナー”と呼ばれる、こし網の中にコーヒーの粉を入れて水に浸します。水とコーヒー豆の比率は、商品や好みによって多少前後します。が、1リットルの水に対して、100グラムのコーヒー粉が目安となります。
時間は若干掛かりますが、比較的手間が掛からず簡単に水出しコーヒーをつくれるとあって、最もメジャーな方法です。味の特徴ですが、クリアですっきりとした味のアイスコーヒーに仕上がります。
ちなみにコーヒーの粉を水に浸しておく時間ですが、淹れる量やコーヒー豆の種類によっても前後します。目安として「5時間~12時間ほど水に浸しておく」、と覚えておくといいでしょう。
2.滴下式
水を1滴1滴、コーヒー粉に落として抽出する方法です。常温の水でコーヒーを抽出するので、豆本来の旨味やコクを引き出すことができます。滴下のスピードによっても味が微妙に変化するので、自分の好きな味をとことん追求したい方には、特におすすめとなります。コーヒーが出るまでの所要時間ですが、目安は3~5時間となります。
おすすめの水出しコーヒー器具5選
ハリオ 水出し珈琲ポット
最もメジャーな浸漬式のコーヒーポットです。つくり方は、コーヒー粉を軽く湿らせて水を注ぐだけ。あとは冷蔵庫で8時間寝かせれば完成。失敗しにくいので、水出しコーヒー初心者の方に特におすすめです。また、抽出後に数時間が経過しても味の変化が少なく美味しいコーヒーを楽しめます。ストレーナーは底が外れるので、洗いやすく清潔に保てます。1回で約8杯分のアイスコーヒーができる大容量タイプなのも、うれしいポイントです。
- 抽出方法:浸漬式
- サイズ:幅13.8 × 高29.4 × 口径8.8センチメートル
- 容量:1リットル
キントー PLUG アイスコーヒージャグ
目の細かいメッシュフィルターなのでコーヒー粉が漏れにくく、雑味のないクリアな味わいの水出しアイスコーヒーができます。開口部が広いので洗いやすく、フィルターも取り出しやすい設計なのでお手入れも簡単です。密閉性が高いので、冷蔵庫で横向きに収納しても大丈夫。すっきりとシンプルなデザインも人気があります。
- 抽出方法:浸漬式
- サイズ:幅15 × 高27 × 口径9.5センチメートル
- 容量:1.2リットル
マイダッチ 水出しコーヒードリッパー
コンパクトサイズで、手軽に水出しコーヒーを楽しめます。マイダッチ独自のクリーンドリップバルブは、最後の一滴までクリアな味のコーヒーを抽出できます。水が詰まらないバルブ設計なので、抽出時間も自由に調整可能。容器に水を入れれば冷蔵庫内でも抽出できるので、完成後は氷を入れなくともすぐに冷たいアイスコーヒーが飲めるはずです。
- 抽出方法:滴下式
- サイズ:上部径8.8 × 下部径8.6 × 高24センチメートル
- 最大容量:約350ミリリットル
ハリオ ウォータードリッパー
全て耐熱ガラスでできたクリアなウォータードリッパーは、インテリア性を重視したい方に特におすすめです。幅150 × 奥行129 × 高 さ455ミリと、ある程度のスペースが必要なので購入前に置き場をチェックしておきましょう。
淹れ方はシンプルで、コーヒー粉を容器に入れ、軽く水で湿らせて1秒に1~1.5滴落ちるようにコックを調整すれば、3~5時間程度で水出しコーヒーが完成します。一滴一滴時間をかけて抽出された、至極の一杯をお楽しみください。
- 抽出方法:滴下式
- サイズ:幅15. × 奥行12.9 × 高45.5 × 口径7.7センチメートル
- 最大容量:780ミリリットル
イワキ Uhuru
実用性とデザイン性を兼ね備えたイワキの「SNOWTOP(スノウトップ)」シリーズ。その中でも最高峰とされる「Uhuru」は、ウッドフレームの曲線と耐熱ガラスの組み合わせにうっとりしてしまうでしょう。
水の滴下スピードと量を調整できるので、好みの味を極めたい人におすすめです。初心者の方でも簡単に使える構造なので、本格的な水出しコーヒーに挑戦してみたい方におすすめとなります。
- 抽出方法:滴下式
- サイズ:幅13 × 高さ47.5 × 奥行19センチメートル
- 最大容量:440ミリリットル
水出しコーヒーにおすすめの「コーヒー豆」と「水」について
さらに味わいにこだわるなら、コーヒー豆と水の選び方にも注意が必要です。水出しコーヒー初心者の方が知っておきべきコーヒー豆の挽き具合と煎り具合、そして使用する水の種類についてご紹介します。
1.挽き具合は、ほどよい濃さになる「中挽き」から
大きく分けて3段階(粗挽き・中挽き・細挽)挽き具合がありますが、粗挽きになると味が薄めで、挽きが細かいと味わいは濃くなります。最初のうちは適度な濃さと設定されている「中挽き」をおすすめします。
2.煎り(ロースト)は「深煎り」
コーヒー豆の焙煎は時間が短いと酸味が増し、時間が長くなると苦みとコクが増します。水出しコーヒー初心者の方は、「深煎り」からお試しいただくことがおすすめとなります。
3.水は「軟水」からお試しを
水出しコーヒーは熱湯から淹れるコーヒーと違い、水の影響を受けやすいのが特徴となります。マグネシウムやカルシウムなどを含む硬水と違う、コーヒーの味に影響を与える成分が少ない「軟水」から始めてみるといいでしょう。