[目次]
ワインをベストな状態に保ってくれるワインセラー。家庭用のワインセラーも増加中で、手頃な価格の小型ワインセラーや高性能で電気代にも有利なコンプレッサー式の製品も登場し、ご自宅でも手軽に使えるようになりました。
そこでこのページでは、ワインセラーの基礎知識と選び方を詳しく解説。さらに、amazonで買える製品を中心に、さくら製作所やルフィエール、フォルスター、アイリスオーヤマ、コストコでも売られているデバイスタイルなどの有名メーカー製品も含め、おすすめのワインセラーをご紹介します。
ワインセラーの基礎知識
ワインセラーは開封したワインを良い状態で保管したり、未開封のワインを熟成させるために使われる電動式の「貯蔵庫」です。
ワインは環境によって風味が劣化しやすく、赤ワイン・白ワインともに温度を15℃前後、湿度を70%程度に保ち、光に可能な限り…特に日光(紫外線)に当てないことがベストの保管状態とされています。なぜなら、光によって酸化し劣化してしまうからです(ワインに当ててもよい光は白色光とされ、それでも必要なときだけ点灯できることが条件とされています)。その環境を最も手軽に、可能な限り理想に近づけるのがワインセラーというわけです。
ワインセラーには、2つの目的・使い方があります。使い方の1つ目は、購入してから飲むまでの短期間の保管や飲みかけのワインの保存用としてです。
もう1つは、ワインセラーの中で数年から数十年間寝かせて熟成させる使い方です。こちらは基本的には高価なワインが保管されることになるので、そのためのワインセラーもより高い信頼性が求められます。
冷蔵庫の温度は約2~5℃が一般的で、ワインの適温よりもだいぶ低い温度です。頻繁に扉を開閉する使い方のため、温度の変動も起こりやすく光も当たってしまいます。
「短期間の保管なら、冷蔵庫でも問題ない」とされていますが、「より美味しく飲みたい」という願いが強い人には、やはり家庭用のワインセラーを用意すべきでしょう。
家庭用ワインセラーの選び方
ペルチェ式とは? メリット・デメリットは?
ペルチェ式のワインセラーは製品の価格帯が安く(1万~4万円代)、動作音も静か。ワインの収納本数は6~28本ほどで、設定温度はおよそ5℃~16℃。個人向けや初心者向けとして人気があり、最初の1台として導入しやすい点がメリットです。ナイトキャップ用のセラーとして、寝室に設置したい人にも向いています。
デメリットとしては、冷却力が弱いために長時間運転となってしまう点があります。庫内の温度変化が大きくなりがちな上に、コンプレッサー式よりも電気代が掛かる製品が大半です。
コンプレッサー式とは? メリット・デメリットは?
4万円を超えるワインセラーは、多くの家庭用冷蔵庫と同じコンプレッサー式が主流です。ワインの収納本数は、10本程度から300本近いものまであります。
メリットとしては、冷却力が高いため長期の保管・熟成に適しています。見逃せないのは、ペルチェ式との電気代の差です。製品にもよりますが、同じサイズならペルチェ式のおよそ1/4程度しかかからないでしょう。
デメリットとしては、作動音と振動の大きさが挙げられます。ですが、その動作音は冷蔵庫と同程度とされています。寝室に置かなければ、それほど大きな問題にはならないでしょう。
ワインが好きな人なら、セラーの導入で今まで以上にストックを増やす人も多いはず。後悔しないよう、やや大きめのものを買うことをおすすめします。ワインを年単位で熟成させる予定であれば、なおのこと余裕のあるものを選びましょう。
湿度が低い場所にワインを保管すると、乾燥でコルクが縮み、ボトル内に空気が多く侵入しワインが酸化します。そんなときに役立つのが、「湿度保持機能」です。日本は高温多湿ですが、冬は乾燥します。高級ワインを熟成させるなら、ぜひ欲しい機能です。
また、セラー内が15℃以下になったときに温めるヒーター機能が搭載された製品を選ぶことで、冬場の冷えすぎを防ぐことができます。そして、これらの機能がしっかり働くよう、保証の充実した信頼できる製品を選ぶことも大切です。
動作音が静かなペルチェ式と、安定した保存が可能なコンプレッサー式。その2台を併用する方法もあります。ワインの保管はコンプレッサー式の中型~大型ワインセラーで行い、飲み始めたものは小型のペルチェ式のワインセラーに移すという使い方です。
この方法なら、安定した温度管理とリビングや寝室での静かさを両立できます。メインのワインセラーの扉を開け閉めする回数も減るので、保存状態の向上にもつながるでしょう。
ワインセラーのおすすめ7選
アイリスオーヤマ PWC-251P-B
「最近ワインが好きになって、手頃なワインをいくつか買って気分で飲み分けている」といった、ワイン & ワインセラー初心者におすすめなのがコチラ。1万円程度で購入できて、しかも1年間のメーカー保証が付いています。
- サイズ:小型ワインセラー
- 冷却方式:ペルチェ式
- 設定温度:8℃~18℃
- 収納本数:8本
- 保証期間:1年
- サイズ:幅176 × 奥行321 × 高さ344mm
ルフィエール LW-S12
12本収納できるワインセラーの中ではリーズナブルで、amazonでも人気の高い製品です。内部にやや余裕を持たせていて、普通のワインボトルより幅の広いシャンパンボトルも収納できます。シンプルで気軽に使えるワインセラーを探している人に、これはぜひともおすすめです。
- サイズ:小型ワインセラー
- 冷却方式:ペルチェ式
- 設定温度:4℃~22℃
- 収納本数:12本
- 保証期間:1年
- サイズ:幅280 × 奥行567 × 高さ675mm
さくら製作所 FURNIEL SAB-50G
コンプレッサー式としてはかなりリーズナブルな製品ですが、それにも関わらず、加温用のヒーターと湿度を維持できる加湿循環方式を採用。長期保管にも使えるほどの高性能ぶりです。しかも、5年のメーカー保証付きなのでリーズナブルなワインセラーからのステップアップにもぴったりです。
- サイズ:小型ワインセラー
- 冷却方式:コンプレッサー式
- 設定温度:0℃~22℃
- 収納本数:22本
- 保証期間:5年
- サイズ:幅390 × 奥行530 × 高さ710mm
PlusQ BWC-008P(W)
PlusQのワインセラーは、ワインを置く棚が木でできています。これは高価格帯の製品と同じ方法で、廉価な製品では滅多にありません。冷却のためのペルチェ素子も日本製の高品質なものを使っており、コスパは抜群。ホワイトの本体色も、探すと意外と少なく貴重です。
- サイズ:小型ワインセラー
- 冷却方式:ペルチェ式
- 設定温度:4℃~22℃
- 収納本数:8本
- 保証期間:1年
- サイズ:幅270 × 奥行525 × 高さ450mm
PlusQ BWC-024P
ペルチェ式としては最大クラスとなる、24本収納の製品です。特徴は上下で温度帯を分けられること。どちらも4~22℃の間で設定できるので、赤と白で保管温度を微妙に変えたいなどのこだわりにも応えてくれます。木製棚を使った高級感あるデザインも魅力です。
- サイズ:中型ワインセラー
- 冷却方式:ペルチェ式
- 設定温度:4℃~22℃
- 収納本数:24本
- 保証期間:1年
- サイズ:幅410 × 奥行525 × 高さ713mm
さくら製作所 ZERO CLASS SB38
特許技術で、液体(ワイン)そのものの温度ブレを最小限にしてくれるワインセラーです。冷却時に外気を取り込まない設計なので、庫内の湿度も安定させることもできるでしょう。長期保管に向いたワインセラーの中では小型の製品なので、設置スペースがあまり大きくない人でもこれなら設置の可能性も広がります。ワイン熟成初心者の人にもぴったりの製品です。
- サイズ:中型ワインセラー
- 冷却方式:コンプレッサー式
- 設定温度:0℃~20℃
- 収納本数:38本
- 保証期間:5年保証
- サイズ:幅380 × 奥行527 × 高さ1160mm
- そのほか:加温ヒーター・湿度維持機能
デバイスタイル Angelshare CE-C7W-W
狭い隙間にも設置しやすい、スリムなワインセラーです。前面吸排気構造になっていて、家具やキッチンなどへのビルトインにも対応します。ホワイトを基調とした主張しないデザインで、インテリアにもなじみやすいはず。
収納できる本数は縦に7本(750mlボルドーで換算)。コンパクトですが本格的なコンプレッサー式なので、長期の保管や熟成も可能で、電気代も抑えられます。
- サイズ:小型ワインセラー
- 冷却方式:コンプレッサー式
- 設定温度:5℃~18℃
- 収納本数:7本
- 保証期間:本体1年
- サイズ:幅146 × 奥行520 × 高さ860mm
人気のワインセラーメーカーを紹介
庫内ではなく、液体の温度を制御する特許技術を持ち、レストランでの導入も増えている新進気鋭のメーカーが「さくら製作所」です。日本の住宅環境を考えたスマートな製品が多く、日本の気候に合わせたハードとソフトの設計も徹底して行われています。個人向け製品は通販でも人気です。
ワインセラー専門店「セラー専科」の看板ブランドで、酒店リカーマウンテンのグループ企業でもある「ルフィエール」。プロ向けの製品も手掛け、約10年で10万台の販売実績があります。手頃なものから大型製品まで用意されているので、好みに合ったセラーが見つかりやすいはずです。
国内トップシェアを誇る「フォルスター」のワインセラー。日本のレストランで使われる業務用ワインセラーに大きなシェアを占めているのが強み。とは言え、業務用だけでなく個人用も幅広くラインナップしています。しかも、修理体制が整っているのも魅力です。
家電や家具はもちろん、ペット用品やガーデニング用品、ついにはオリジナル米まで販売している「アイリスオーヤマ」。手の届きやすい価格帯の製品を多くラインナップしていますが、ワインセラーも例外ではありません。抜群のコスパで、初心者も気軽に購入できます。
「デバイスタイル」はワインセラーをメインに、コーヒーメーカーや冷蔵庫なども手掛ける日本のメーカーです。スタイリッシュなデザインでありながら、価格が手頃で実用性も高いのが特徴。「コストコで販売されているワインセラー」としても知られており、人気があります。
家電通販サイトの運営や、ウェブサイトの作成などを行う「デンマート」が手掛ける異色のワインセラーブランドが「Plus Q」です。お客の声をヒントに、真面目につくり込まれているのが特徴で、日本の厳しい気候も考慮しています。木製棚を使ったシックなデザインも魅力です。
1976年に世界で初めてワインセラーを販売したメーカーが、「ユーロカーブ」です。レストランの業務用ワインセラーや家庭用の高級ワインセラーで、世界から圧倒的な支持を受けています。価格は高いですが、「最高のワインセラーが欲しい」という人の期待に対し十二分に応えてくれるでしょう。
まとめ
ひと昔前に比べてワインセラーをつくるメーカーが増え、価格そのものも安くなりました。技術の進歩によって、高性能なコンプレッサー方式も4万円程度から買えるようになり、選択の幅が広がっています。
ここで紹介した選び方を参考に購入すれば、自分の使い方に合ったワインセラーがきっと見つかるはずです。中でも、このページで紹介した商品はどれも評判の良いもの。ぜひ購入の参考にしてみてはいかがでしょうか。