英国産スパークリングワイン「ナイティンバー(Nyetimber)」は、従来の計画通り、ブドウ畑の拡張に着手したことが発表されました。

 ロンドンの南東に位置するケント州に新たに取得した42ヘクタールの土地に、19万5000本のブドウの苗木を植え、イングランド南部の地域ウェスト・サセックス州にある「ナイティンバー」の主たるブドウ畑のうち2.5ヘクタールにある1万本のブドウの植え替え計画も進んでいるようです。

 この2件により、新しい畑で育つブドウが成熟する2023-2024年には、「ナイティンバー」は現在よりも年間平均22万本、生産量を増やすことができることとなります。
 

◇「ナイティンバー」のワインの需要増加予測

 この計画は昨今の厳しい状況下でも進んでおり、「ナイティンバー」の30年の歴史の中で、2番目に大規模なブドウ植樹プログラムとなっているそうです。

 この計画は、イギリス国内および海外における「ナイティンバー」のワインの需要増加の長期的予測に基づいています。

 新しいブドウ畑はケント州のサーナム村の近く、ケントダウンズのかつての農作地につくられ、ブドウ品種は「ピノ・ノワール」と「シャルドネ」で構成されます。地理的な条件、土壌の質、斜面の方角などあらゆる要素を満たす必要があったため、適した土地を見つけるために何年にも及ぶ調査が行われたそうです。

 

◇土壌について

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醸造責任者のシェリー・スプリッグス氏(写真左:Cherie Spriggs)と醸造家のブラッド・グレイトリックス氏(写真右:Brad Greatrix)

――そして、この地は何世代にもわたり農家が耕してきた土地であり、ワイン用ブドウを生育させるのに適した石灰ローム層の土壌です。

 「ナイティンバー」は、通常99%の植樹成功率(=苗木を植樹した際に、枯れることなく成長し、実をつけるブドウとなる率)で、それぞれのブドウ畑から収穫されるブドウの味を一様にすることを目指していません。「それぞれの土地で栽培されるブドウがその地特有の風味を持つべきであり、そうすることで醸造家にさらなるブレンド構成要素を与えることができる」と考えているからです。

 ナイティンバーはウェスト・サセックス州、ハンプシャー州、ケント州に11ヶ所のブドウ畑を所有していますが、2020年は所有する全327ヘクタールのうち、260ヘクタールでブドウを栽培する予定とのこと。

ナイティンバー,ceo,エリック・ヘレマ
Courtesy of Nyetimber
ナイティンバーのオーナー兼CEOエリック・ヘレマ氏。

「ナイティンバー」のオーナー兼CEOエリック・ヘレマ氏(Eric Heerema)は、今回の計画について次のようにコメントしています。

「ブドウ畑を拡張することは、私たちのブランドが持続的長期的に成長するという自信の証です。新しいブドウの樹が、最大のポテンシャルを発揮してくれる日が待ち遠しいです。そして、今回の植樹プログラムは、『ナイティンバー』が追求してきた英国最高級のスパークリングワインを造るという自信、責任、努力をはっきりと示すものです」


◇日本語ウェブサイトとテイスティング動画リリース

 2020年5月27日に、日本語の「ナイティンバー」公式ウェブサイトがローンチされ、さらに日本語字幕付き動画シリーズがYouTubeにアップロードされています。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 「ナイティンバー」の長い歴史を紹介するアニメーション動画や各ワインを紹介する動画シリーズが紹介されています。

 動画が制作された「ナイティンバー」の思いは、「今後、ライフスタイルが大きく変換され、より長い時間、消費者が心地よい自宅で過ごすときに、これらの動画は、「ナイティンバー」のスパークリングワインを楽しみながら、各ワインの詳しいテイスティングノートとペアリングの提案を見出せるように…」、という思いが込められています。

 「ナイティンバー」のワインで、ラグジュアリーなひとときを味わってみてはいかがでしょう。

ナイティンバー公式ウェブサイト(日本語)