【INDEX】

▼ F1 2023年、王者の強さが際立つ1年に

 ・ フェッラーリがF1の公式ワインに

▼ F1の熱気が充満した2023年9月の鈴鹿

 ・ パドッククラブから観戦

 ・ フェッラーリBar がF1体験と日常をつなぐ

▼ 伝統と未来への革新が宿るフェッラーリ

 ・ シェフ・ド・カーヴに注目の人を登用

▼ そして、歓喜の瞬間へ


F1 2023年シーズンが終了。
王者の強さが際立つ1年に

2023年11月24日(金)~26日(日)にかけて開催されたアブダビ・グランプリで、2023年シーズンの幕を閉じた国際自動車連盟(FIA)による第74回フォーミュラ1世界選手権(F1)。今シーズンは世界的なF1の大ブームも追い風に、昨シーズンよりも1レース多い23レースの開催が予定されました(イタリアのエミリア・ロマーニャ・グランプリは豪雨被害のため中止となり、実際に行われたのは22レース)。41年ぶりにアメリカ・ラスベガスにF1がカムバックし、史上最も派手なグランプリとして大きなニュースに。さらに最終戦のアブダビ・グランプリでは日本の角田裕毅選手(スクーデリア・アルファタウリ)が8位入賞、さらに自身初となるドライバー・オブ・ザ・デイにも選出されるなど、最後まで話題に事欠かないシーズンでもありました。

アブダビ・グランプリ2023
NurPhoto//Getty Images
最終レースとなったアブダビ・グランプリでも、優勝を飾ったのはマックス・フェルスタッペン選手でした。今季19勝目で、通算54勝は歴代3位の記録です。
f1 grand prix of las vegas race
Clive Mason - Formula 1//Getty Images
41年ぶりの開催となったラスベガス・グランプリ。開催費用750億円以上にものぼり、ド派手なグランプリレースとなりました。

今シーズンが終了して改めて振り返ってみると、2019年12月初旬に中国・武漢市で最初の症例が報告されて以降、わずか数カ月で世界的な流行となった新型コロナウイルスですが、まるでコロナ禍を経て世の中の在り方が変わるのと時を同じにするかのようにF1シーンも大きく様変わりを遂げた感がありました。

2021年まで8シーズン連続でコンストラクターズチャンピオンを獲得し、無敵の強さを誇っていた「メルセデス AMG ペトロナス・フォーミュラ・ワン」に代わり、「レッドブル・ホンダRBPT」が昨年、今年と2連覇を達成しました。チームのエースドライバーであるマックス・フェルスタッペン選手においては、2021年から3年連続でドライバーズチャンピオンシップを獲得。2014年以降7シーズンで6度の世界チャンピオンに輝いたルイス・ハミルトン選手(メルセデス)から、王位を継承したとも言える無類の強さが印象的なシーズンとなりました。

「フェッラーリ」がF1公式スパークリングワインに

そしてもうひとつ、歴史に残る大きな変化がありました。2021年シーズンから、「F1公式スパークリングワイン」のサプライヤーがイタリアの「フェッラーリ・トレント」社へと変更されています。これはイタリアのワイン生産者として史上初となる偉業。「シャンパン・セレブレーション(日本ではシャンパン・ファイトのほうが一般的)」という呼び名が一般化していることからも察しがつくかもしれませんが、1967年にF1オフィシャルパートナー制が導入されて以来、シャンパーニュメゾン(フランス・シャンパーニュ地方のワイナリー)が各レースの勝者を讃える役割も担っています。

フェッラーリ、スパークリングワインセレブレーション
Getty Images
2021年から、F1公式スパークリングワインとなった「フェッラーリ(Ferrari)」。1902年創業のイタリアが誇る名門です。

F1は言わずと知れたモータースポーツの最高峰です。最新のテクノロジーと情報解析技術が1台のフォーミュラカーとして具現化され、メンタル・フィジカル共に超人のごとく鍛え上げられたアスリートがマシンを操ります。それこそが、精神や肉体の限界と人類の叡智を掛け合わせた至極のスポーツともされる所以。そんなスポーツの歓喜の瞬間に登場するのが、「フェッラーリ」のスプマンテ(Spumante:イタリア語でスパークリングワインの総称)なのです。

そこで、熾烈(しれつ)かつ華やかなF1と世界観を共有し、この祝祭を共に盛り上げる「フェッラーリ」の姿を目の当たりにすべく、今年9月に開催されたF1日本グランプリへ。果たしてフェッラーリのスプマンテは、どのように最高の瞬間をサポートしているのか。VIPラウンジの「パドッククラブ」の模様と合わせてご紹介します。


F1の熱気が充満した
2023年9月の鈴鹿

2023年9月23日(金)から25日(日)にかけて開催されたF1日本グランプリ。今年は3日間でおよそ22万2000人もの観客が三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットに押し寄せました。

ご存じの人も多いかと思いますが、2007年と2008年のF1日本グランプリは静岡県の富士スピードウェイで開催されましたが、今年の観客数は2009年に鈴鹿開催に戻って以降の最多観客数を記録。パンデミック収束の兆しを力強く実感させるものともなりました。

a crowd of people at a concert
SHIN ARAKI
開催三日間晴天にも恵まれ、約22万2000人もの観客数を記録。2009年以降最多の観客数となりました。
日本グランプリ2023@鈴鹿サーキット
SHIN ARAKI
日本グランプリ2023@鈴鹿サーキット
SHIN ARAKI
f1 grand prix of japan
Mark Thompson//Getty Images

その盛り上がりは、サーキットの入場ゲート付近からも明らかでした。応援チームのウェアをまとい、選手名が書かれたプラカードを掲げるF1ファンの数の多いこと。一番人気は、やはり(2023年シーズンの年間チャンピオンとなった)フェルスタッペン選手。続いて現在唯一の日本人F1ドライバーで、今回のレースがホームカミングとなる角田祐樹選手。3番人気は復活のシーズンとなったフェルナンド・アロンソ選手(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)でしょうか。

職業柄、日本国内でモーターレースを取材することはありますが、実は日本と海外との温度差を感じることも少なくありません。それはメディアが集まるプレスセンターに足を踏み入れるとさらに顕著で、海外メディアの数の多さと熱の入れようには毎回驚かされます。国内ナンバー1の集客力を誇るSUPER GTは別としても、久しぶりにモータースポーツの熱さを感じる機会となり、「F1は別物」という思いをまた新たに刻みました。

圧倒的なホスピタリティ。
「パドッククラブ」から観戦

さて今回のF1は、「パドッククラブ」と呼ばれるエリアからの観戦です。パドッククラブとはホームストレート脇、各チームがピットを構える棟の上層階に位置し、目の前を高速で走り抜けるF1マシンの雄姿やチームのピットワークを具(つぶさ)に観察できるVIPラウンジです。

日本グランプリ2023@鈴鹿サーキット
SHIN ARAKI
パドッククラブ内のダイニング&観戦エリアと、併設されたテラスからの眺め。ガレージのちょうど上に位置し、眼下を猛スピードでF1マシンが駆け抜けていきます。その迫力はまさに圧巻で、耳をつんざくようなF1マシンのエンジン音が響き渡ります。

ちなみに、今でこそF1優勝者のセレブレーションの場に欠かせない存在となったスパークリングワインですが、その歴史が始まったのは1950年のこと。地元企業の伯爵が、フランスグランプリの勝者にシャンパンを振る舞ったことに端を発します。それ以降、モータースポーツとシャンパンは切っても切れない関係性として、つながりを深めていきました。

なお、シャンパン・セレブレーションの始まりについては諸説ありますが、1966年のフランス、ル・マン24時間レースの表彰式であるとの説が有力とされています。ここで1~3位まではフォード・マークIIが独占。その中で優勝したのはクリス・エイモン/ブルース・マクラーレン組でした。そんな中、ポルシェ906を駆ったジョー・シフェール/コリン・デイビス組は4位ながら、排気量と走行距離から算出される性能指数賞 (Index of Paformance) を獲得して表彰。そのときのこと…。ジョー・シファート選手に贈られたシャンパンボトルのコルクが誤って飛び出し、シャンパンシャワーが発生するというハプニングが。

それを面白がった翌年の覇者、陽気なイタズラ好きのダン・ガーニーによって表彰式で贈られたボトルを故意に振って前年のシーンを再現。そうしてその場を盛り上げたことで以降、表彰式でシャンパンの泡を飛ばし合うシャンパン・セレブレーションに発展したということ。そのブームはF1にも波及し、現在では広く定着するようになったのだとか…。

フェッラーリBar が
F1体験と日常をつなぐ

そのままパドッククラブ内を進むと、F1マシンのシミュレーターやDJブース、日本の伝統工芸のインスタレーション、日本酒の鏡割りなど、趣向を凝らした催しの数々が行われています。少し歩けば、F1の歴代スターや各界の大御所、有名人やインフルエンサーの姿も多数見かけるなど、VIPたちの社交場としてのF1の顔が色濃く覗かせていました。

実際にレースを観戦するのは、各チームやスポンサーに割り当てられたテラス付きの大きな部屋から。一流レストランクオリティのハイレベルなケータリングサービスと共にフェッラーリのスプマンテが振る舞われ、祝祭の場に華が添えられます。美食と美酒で味覚を満足させれば、レースへの気分は否が応でも高まります。

フェッラーリのスパークリングワイン
Ferrari Trento
f1日本グランプリ2023@鈴鹿サーキット
SHIN ARAKI
和傘に筆で加彩するデモンストレーション。外国からの来場者を中心に、多くの人が足を止めていました。
f1日本グランプリ2023@鈴鹿サーキット
SHIN ARAKI
フェラーリなどで活躍した元F1ドライバー、ジャン・アレジ氏が鏡割りのセレブレーションに登場。
f1日本グランプリ2023@鈴鹿サーキット
SHIN ARAKI
フェッラーリのスプマンテ。パドッククラブ内では、フリーフロー(飲み放題)で楽しめます。
a group of people standing next to a race car
SHIN ARAKI
パドッククラブでの観戦では、チームのガレージツアーも催されます。これはアルファロメオのガレージを見学した際の一コマ。ピットインを想定したトレーニングが行われていました。

高揚感と夢見心地に包まれたまま、一度パドッククラブを離れ、GPスクエアと呼ばれるグッズショップやキッチンカーなどが並ぶ広大なスペースへ。すると、会場中央付近にはひと際大きな賑わいを見せる「フェッラーリBar」を発見。フェッラーリのスプマンテを求めるゲストたちの列です。

F1ファンにはワインファンも多いのか、または摂氏28度という当日の暑さもあり、人の列が絶えることがありません。サーブされるスプマンテの味わいは爽やかで、軽く、心地よい熟れた果実の余韻が長く続くバランスのよいテイスト。渇ききった喉を、冷たく爽やかな刺激が駆け抜けていきます。

f1日本グランプリ2023@鈴鹿サーキット
SHIN ARAKI
「フェッラーリBar」、さらには隣に設けられた、ポディウムのフォトブースには行列が絶えることなく続いていました。
フェッラーリのスパークリングワイン
Ferrari Trento
日本のF1ファンなら誰しもが反応する『鈴鹿(SUZUKA)』の名が施された、ギフトボックス付きのボトル『フェッラーリ F1®リミテッド・エディション “スズカ”』750ml、8030円。

さらにフェッラーリBarでは、「フェッラーリ・F1®・リミテッド・エディション」として、5つのサーキット名(鈴鹿、マイアミ、シルヴァーストーンモンツァメキシコ・シティ)を冠した特別限定ボトルも販売されていました。レース本番開始前にも関わらず、限定ボトルを購入していく人たちの後ろ姿を眺めながら、フェッラーリのスプマンテはF1体験と日常をつなぐキーアイテムであることを改めて考えさせられた気がしました。

そして、フェッラーリBarのすぐ隣には、ポディウムが設置されたフォトブースが用意され、フェッラーリのセレブレーションボトルを掲げ、チャンピオンさながらの写真撮影も可能とあり、多くのゲストがフェッラーリと共に体験する歓喜の瞬間を写真に収めていました。

伝統と未来への革新が宿る
フェッラーリのスプマンテ。
それは歓喜の瞬間の象徴

2021年からF1公式スパークリングワインとなったフェッラーリですが、その歴史について簡単に振り返ってみましょう。

フェッラーリのスパークリングワイン
Ferrari Trento

誕生したのは1902年。イタリア北部の街トレンティーノで創業しました。創業者はヨーロッパでブドウ栽培を学んでいたイタリア人のジュリオ・フェッラーリ氏です。彼は学びの果てにたどりついたフランス・シャンパーニュ地方の気候や土壌がトレンティーノと類似している点に着目し、伝統的製法であるメトド・クラッシコ製法(選抜された酵母と糖分を加えて瓶内に泡を取り込み貯蔵するフランス・シャンパーニュ地方発祥の製法。シャンパン製法とも呼ばれます)とシャルドネの苗を母国に持ち帰ります。

イタリアに戻るとシャルドネの栽培をスタートし、シャンパン製法によるイタリアンスパークリングワインづくりを開始しました。1902年に最初の商品をリリースし、そのわずか4年後にはミラノ万博で金賞を受賞するなど、ブランドとしての地位を確立していきます。

現在では比類なき個性を備えたイタリアンスパークリングワインの代表格として、そしてグランメゾン・シャンパーニュと比肩(ひけん)する存在として、世界的な評価を集めるブランドにまで成長しています。イタリアの大統領官邸や、公式行事では必ず提供されるスパークリングワインであり、ファッションやカルチャー、スポーツなど華やかな舞台における祝福の象徴としても親しまれています。

今年9月に開催された「シャンパン&スパークリングワイン・ワールド・チャンピオンシップ(The Champagne & Sparkling Wine World Championships)」では、史上最多となる6度目のスパークリングワイン・プロデューサー オブ・ザ・イヤーを獲得。現在のフェッラーリの勢いをうかがい知ることができます。

フェッラーリのスパークリングワイン
Ferrari Trento
シェフ・ド・カーヴに注目の人を登用。
さらなる挑戦と進化へと突き進む

さらに2023年、フェッラーリは大きな変革の時を迎える年となりました。ワイン醸造における最高責任者であり、メゾンのスタイルを決めるとまでされる重要な役職のことをシャンパーニュ地方では「シェフ・ド・カーヴ(chef de cave)」と呼びますが、そのシェフ・ド・カーヴにシャンパーニュのトップメゾンで同職を務め、メゾンの品質と評価を著しく向上させたシリル・ブラン氏を招聘したのです。

シャンパーニュのシェフ・ド・カーヴがイタリアのワイナリーにフルタイム醸造家として参画するのは、ワインづくりにおける長い歴史を振り返っても史上初のこと。どれほどの変革が起きているのか、お分かりいただけるでしょう。

1969年生まれのブラン氏は大手メゾンを経て、1851年創業の老舗メゾン「シャルル・エドシック」のシェフ・ド・カーヴを務めます。そこで、傾きかけていたメゾンの名声を高めることに成功します。そして2019年と2022年には、「IWCスパークリングワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」も受賞するなど、業界内でも大きな注目を集めています。

フェッラーリ社当主のマッテオ・ルネッリ氏は、次のように話します。

「長い歴史を持つF1の世界ですが、チームやマシンはレースを通じて日々進化を遂げています。ドライバーの後ろには、その彼を支える数十人、数百人ものエンジニアがいます。そして多くの人の知恵と技術を結集することによって、さらなる高みへと昇っていく…それがF1チームという実態です。その点においては、ワインづくりも全く同じです。トラディション(伝統)、パッション(情熱)、イノベーション(進化)、それら全てを併せ持つ、F1と共通の価値観がこのフェッラーリには流れているのです」

そして、歓喜の瞬間へ

肝心のレースは、昨年に鈴鹿に続き今年もフェルスタッペン選手が優勝を飾り、今シーズン13勝目を記録。さらにこの日の結果によって、所属チームのドライバー2名の合計獲得ポイントによって競われるコンストラクターズチャンピオンのタイトルをフェルスタッペン選手が所属するレッドブル・レーシングにもたらしました。

f1日本グランプリ2023@鈴鹿サーキット
BSR Agency//Getty Images
formula 1 lenovo grand prix of japan 2023
NurPhoto//Getty Images

そうして遂に、F1日本グランプリもクライマックスへ。優勝したフェルスタッペン選手、2位のランド・ノリス選手(マクラーレン・レーシング)、3位のオスカー・ピアストリ選手(同)がポディウムと呼ばれる表彰台へ上がり、鈴鹿に集まった大勢のファンからの祝福を受けます。ジェロボアムサイズ(3000ml=レギュラーサイズ4本分)のフェッラーリを口へ運んだ後は、3選手によるスパークリングワイン・セレブレーション。フェッラーリの透明の美しい泡がF1最高の瞬間を彩ります。

「勝利の美酒」という甘美なる響き。最高の瞬間を彩るお酒は数多くありますが、その規模や積み重ねてきた歴史から考えてみても、F1グランプリにおける祝福の象徴であるスパークリングワイン、つまりフェッラーリは、勝利の美酒の最たるものに違いありません。

何か祝福したいことのある特別な夜、皆さんもその象徴であるフェッラーリのスパークリングワインを選んでみてはいかがでしょうか。F1チャンピオンばかりでなく、数々のスポーツやファッション、カルチャーの祝福の瞬間も彩ってきたワインです。フェッラーリの味わいに身を委ねれば、そのオーラによってさらなる歓喜に満ちた夜に仕立ててくれるでしょう。

●問い合わせ先
日欧商事
TEL 0120-200-105
公式サイト