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人気観光地の軽井沢にあり、別荘のような居心地のよさと感性を刺激する体験に満ちているホテルインディゴ軽井沢。以前は快適なワーケーションプランを体験しましたが、なにやら面白そうなイベントが開催されていると聞き、約1年ぶりに来訪することにしました。

そのイベントとは、ワインメーカーズディナー。メーカーズディナーとは、ワイン生産者やインポーターなどを迎えて開かれる、ワインと食事を楽しむ会のこと。ワインイベントとして人気のスタイルですが、ホテルインディゴ軽井沢のワインメーカーズディナーはどのような会になっているのでしょうか。 期待に胸を膨らませ、軽井沢の地に降り立ちました。

絶品のペアリング料理と
長野ワインに酔いしれる

ワインメーカーズディナーの会場は、ホテルインディゴ軽井沢のオールデイダイニング「KAGARIBI」2階になります。「KAGARIBI」の1階は宿泊の有無に関わらず食事ができる開かれたダイニングですが、2階は企業研修やこうしたイベントのときに使われる特別なスペース。隠れ家サロンのような雰囲気でワクワクさせてくれます。

ホテルインディゴ軽井沢のオールデイダイニング「kagaribi」2階
ホテルインディゴ軽井沢のオールデイダイニング「kagaribi」2階

ホテルインディゴ軽井沢のワインメーカーズディナーは、この日で4回目の開催。今回企画したのは、このホテルのソムリエを務める傍ら、長野県原産地呼称管理委員会が長野ワインの審査・認定をする「GI長野(Geographical Indication:地理的表示)」の官能審査委員会で、オブザーバーとしてその審査や認定にも関わっている上野光洋氏です。ワインメーカーズディナー立ち上げのメンバーであり、「ここでしかできない体験をしてほしい」という想いから、長野の食材を活かしたスペシャルコースと厳選した長野ワインをペアリングで提供するワインメーカーズディナーを開催してきたとのこと。

長野ワインに精通している上野氏から見た“長野ワインの魅力とは?”と尋ねると、次のように教えてくれました。

「長野県のワイン生産者は、現在70軒以上あり、日本全国の中でもトップクラスの生産地です。大手ワイナリーから家族経営の小規模なワイナリーまで、素晴らしいワインを造られています。ワイナリーの数はこれだけありますが、同じ長野県内の生産者、同じブドウ品種でも、その土地の風土や生産者が理想とするワイン造りの考え方は多様なため、それぞれに違った魅力を感じられるのです。日本全国や海外のコンクールでも受賞されるレベルの魅力的なワインが数々あります」

では、今回のイベントのワイナリーは…というと、エッセイスト・画家として知られる玉村豊男氏がオーナーを務めるブティックワイナリー「ヴィラデストワイナリー」です。長野県東御(とうみ)市の風光明媚な丘の上にあるワイナリーで、ここのワインは日本ワインコンクールの金賞・最優秀カテゴリー賞をはじめ、世界最大規模のコンペティションであるデキャンター・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)とインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)における「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2020」の“Silver”など、数々の賞を獲得。世界的に高い評価を受けており、北海道洞爺湖サミットや伊勢志摩サミット、G20大阪サミットで提供されるワインにも選ばれました。

ワインメーカーズディナーではこうした長野ワインを、長野の食材を盛り込んだこの日だけのメニューとのペアリングで楽しめるというわけです。長野の魅力が凝縮したこの特別なディナーには、胸が高鳴らずにはいられません。

ヴィラデストワイナリーのワイン
各ワインのエチケットの絵柄は、オーナーの玉村氏によって描かれたもの。

時間になると、ワインメーカーズディナーがいよいよスタート。まず、ヴィラデストワイナリーの代表取締役社長で栽培醸造責任者である小西 超(とおる)氏による、ワイナリーの紹介から始まります。

スライドショーにはヴィンヤード(ブドウ畑)やワイン造りの様子が映し出され、その説明では「上質な世界品質のワインを目指したい」という想いのもと行われているワイン造りのこだわりや、ヴィラデストワイナリーのワインの魅力が語られます。こうしたストーリーに包まれながら味わうワインは、格別に違いありません。実際、間違いなく筆者は、学びと感動が織りなす充実した時間を過ごすことができました。

ヴィラデストワイナリーの小西 超氏
ヴィラデストワイナリーは約12ヘクタールの自社畑で、試験的に栽培されているものを除くと、シャルドネやメルローなど全8品種を栽培。そのブドウを使って、品種や土地の個性を丁寧に抽き出すワイン造りを行っています。

ヴィラデストワイナリーが今回のディナーに用意したのは、「ヴィラデスト シードル」「ピノ・グリ 2022」「ピノ・ノワール ロゼ 2022」「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2021」「ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2020」でした。伊勢志摩サミットで提供されたものとはヴィンテージが異なりますが、「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2021」は個人的に気になる1本です(伊勢志摩サミットで提供されたのは2014年のヴィンテージ)。

ヴィラデストワイナリーのワイン

乾杯は「ヴィラデスト シードル」で。アミューズの「四角豆のフリット」とともにいただきます。「ヴィラデスト シードル」はきりっとして爽やかで、カレー風味のクランブルと軽快なハーモニーを奏でます。ディナーの始まりとしてぴったりです。

四角豆のフリット
「四角豆のフリット」

次に登場したのは、「ピノ・グリ 2022」。こちらはスキンコンタクト(白ワインを醸造する過程で、果皮の成分を抽出するために果皮を果汁に漬け込む工程)を採用していて、リッチな味わいの白ワインに仕上がっています。

これに合わせてテーブルに並べられたのは、アンティパストミスト(前菜の盛り合わせ)です。カボチャといった食材やペペロナータのような煮込み料理を使った一品など、冬らしさも感じられるメニューとなっていました。

アンティパストミストをいただいている途中に登場した「ピノ・ノワール ロゼ 2022」は、イチゴのような果実味と酸味がある1本。食事と合わせやすいということでしたが、確かに繊細な味わいながらそれぞれの料理とのバランスがよく、幅の広さを感じさせます。

ヴィラデストワイナリーの小西氏
食事の途中で、順番にテーブルを回って各ワインの説明をしてくれます。ワイン生産者とこうして交流ができるのも、メーカーズディナーの醍醐味。
アンティパストミスト
アンティパストミスト。全4品で構成されています。

次にグラスに注がれたのは、「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2021」。シャルドネは、ヴィラデストワイナリーで最も広い栽培面積を誇る品種で、この「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ」は、自社畑産の中でも最高品質のブドウを厳選して造る“フラッグシップワイン”にあたるとのこと。この1本はフレンチオーク樽で約7カ月熟成されたもので、ボリュームがありながらもすっきりとしていました。こちらはムール貝が添えられ、アメリケーヌの濃厚なソースが絡んだ「リングイネ」といただきます。

リングイネ
「リングイネ」
ワイン
これだけたくさんのグラスが並べられているのは、実に壮観です。

最後のワインは、「ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2020」。2023年4月に開催された「G7長野県軽井沢外相会合」の夕食会で提供されたものとまさに同じヴィンテージの赤ワインです。
ここで登場するのは、「KAGARIBI」が得意とする薪(まき)グリル料理。外はカリっと香ばしく中はしっとりとジューシーに焼き上げられた長野県のブランド牛・蓼科(たてしな)牛のリブロースは、噛むたびに旨味があふれ、「ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2020」を口に含むと優しく溶け合いました。

そして美味しいワインと食事の余韻に浸りながら、これまた絶品のデザートとコーヒーをいただき、とても満たされた気持ちでこのワインメーカーズディナーを後にしました。

蓼科牛リブロースの薪グリル
「蓼科牛リブロースの薪グリル」

「ネイバーフッドストーリー」として、その地域の魅力を発信するホテルインディゴ軽井沢が開催するというだけあって、ワインメーカーズディナーもこの地域、長野の個性がたっぷり詰まっていました。イベントには宿泊者以外も参加できますが、ここに宿まれば帰りの交通手段を気にせずにすみますし、歩いて宿泊している部屋まで戻れる気軽さも大きな魅力です。

ワイン好き、その土地の食材やお酒を味わう旅が好きな人は、必見のイベント。2024年度も開催が決定していますので、ぜひ次の軽井沢旅行の候補にしてみてはいかがでしょうか。

◇「ホテルインディゴ軽井沢 ワインメーカーズディナー」概要
開催日時/【1回目】3月8日(金)マンズワイン
     【2回目】6月14日(金)ヴァンヴィ
     【3回目】7月5日(金)サンサンワイナリー
     【4回目】11月22日(金)シャトー・メルシャン
     ※いずれも18:00受付、18:30食事スタート
     ※日程は変更になる可能性があります
開催場所/ホテルインディゴ軽井沢 オールデイダイニング「KAGARIBI」 2階
住所/長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉字屋敷添18-39
料金/1人1万8000円(税サ込)
   
※料金は変更になる可能性があります。
参加可能人数/
24名まで
電話番号/0267-42-1100

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