ここ最近で成長し続けているジン市場。市場調査・コンサルティング会社のMordor Intelligence社によるレポートでは、「2023年の8億2000万リットルから、2028年には10億7000万リットルに成長する」と見込まれています。

ジンは世界のさまざまな国で造られていて、その種類も増え続けています。スーパーやコンビニで、ボンベイサファイアやビーフィーターのような昔からなじみのあるもの以外の銘柄を目にすることも増えてきたのではないでしょうか。

ですが、「ジンはそもそもどういうお酒なんだろうか?」「種類がありすぎて、何を選んだらいいかわからない…」という人もいるでしょう。そこでエスクァイア日本版では、100種類以上のジンを取りそろえる日本初のジントニック専門店「Antonic(アントニック)」のディレクター武田さんに、「これを知っていたら、ジンをもっと楽しめるようになる」という銘柄をピックアップしてもらう連載を実施し、ジンの歴史やトレンド、楽しみ方などを紹介してきました。

ここでは、その連載に登場した全6本をまとめて紹介します。

[目次]

▼ (1)ヘンドリックス

▼ (2)シップスミス

▼ (3)モンキー 47

▼ (4)ナンバーエイトジン

▼ (5)グリーンフック ジンスミス

▼ (6)タンカレー No.10

おすすめのジン(1)
ヘンドリックス

ウイスキーやワインなどと違って、ジンは蒸留に関する細かなルールがなく、とても自由度の高いお酒です。だからこそ、現在では“造り手が自由な発想で造る個性豊かなジン”が数々登場しています。そんななか、スコットランド生まれの「ヘンドリックス」はそうしたクラフトジンブームの火付け役と言える存在です。華やかなフレーバーを大胆に表現し、「ジンは香りのお酒」というイメージを打ち出した点で革命的でした。

ボタニカルによって香りの抽出しやすさが異なるため、ヘンドリックスではフレーバーの種類に合わせて2種類の蒸留器を使い分けています。11種類のボタニカルに、バラとキュウリのエッセンスが加えられているのが特徴で、華やかで清々しいフレーバーを持つジンです。

ヘンドリックスのテイスティングノート
  • 原料:11種類のボタニカル。バラとキュウリのエッセンス
  • 香り:華やかで清々しさのあるフレーバー
  • アルコール度数:44度

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おすすめのジン(2)
シップスミス

「シップスミス」は、ジンの中でも正統派と言われるロンドンドライジンのプレミア版といった存在。ロンドンにはゴードンやビーフィーターなど古くから造られるジンがありますが、シップスミスが誕生したのは2008年で、ロンドン市内で約200年ぶりにできた新しい蒸留所でした。

このジンは、よりクリアで完成度の高いアルコールを目指し、アルコールの雑味や嫌な香りをそぎ落として造られています。ゆえに非常に寛容でスタンダード、フレーバーに偏りがない分、ジントニックやジンバックなど1本でさまざまな楽しみ方ができます。「気になっていたカクテルにチャレンジしてみる」というのもおすすめです。

シップスミスのテイスティングノート
  • 原料:10種類のボタニカル
  • 香り:ジュニパーベリーの爽やかな香り
  • アルコール度数:41度

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おすすめのジン(3)
モンキー 47

プレミアムジンの走りとされる「モンキー 47」は、「Drinks International(ドリンクス・インターナショナル)」が毎年発表する「TOP TRENDING BRANDS」というトレンドランキングで2015年に1位になって以来、2023年まで継続して1位を貫いている…という不動の人気を誇るジンです。

モンキー 47を手がけるブラックフォレスト蒸留所は、おいしさへの追求心・探求心が強い蒸留所。ボタニカルの調達方法や抽出方法にもこだわっています。47種類というボタニカルの多さが織りなす奥深さが特長で、ギフトにもおすすめです。

モンキー 47のテイスティングノート
  • 原料:47種類のボタニカル
  • 香り:爽やかなシトラス、フローラルなアロマの中にクランベリーが香る
  • アルコール度数:47度

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おすすめのジン(4)
ナンバーエイトジン

「ナンバーエイトジン」は日本のジンで、「DAZZLE(ダズル)」「RIGOLETTO(リゴレット)」などのレストランを展開するヒュージ全体のコーポレートバーテンダー深水稔大さんが蒸留しています。名前にちなんで8種類のボタニカルを使い、ミントやアボカドの種など一部の素材はグループのレストランで使われる材料や廃棄されるものを使用。原酒も日本酒を造る際に副産物として生まれる酒粕からできた粕取り焼酎と、環境問題にも配慮して造られています。多国籍な顔を持ち、いろいろな料理と合わせてみたくなるジンです。

ちなみにもともと生産量がそれほど多くないところ人気が急増し、現在ではなかなか手に入りにくくなっていますが、ヒュージが展開しているレストランでは楽しめます。もちろんAntonicでも。

ナンバーエイトジンのテイスティングノート
  • 原料:8種類のボタニカル(ジュニパーベリー、キューバミント、レモンバーベナ、神奈川ミカン、無農薬レモン、生ホップ、コーヒー豆、アボカドの種)
  • 香り:ほのかな吟醸香、柔らかく華やかな香り
  • アルコール度数:46度

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おすすめのジン(5)
グリーンフック ジンスミス

日本で流通しているアメリカのジンの中でも珍しいものですが、それでも多くのバーテンダーが「美味しい」と最近よく口にするというのが、この「グリーンフック ジンスミス」。グリーンのラベルはドライジンで、華やかさ、シトラス感などバランスに優れています。赤いラベルのジンはオールドトムジンで、糖類が入っているので甘みがあり、加えてカルダモンやオールスパイスなどによるスパイス感もあります。

目にする機会が少ないジンなので、ぜひ最初はジントニックのようなシンプルなカクテルで楽しむのがおすすめです。

グリーンフック ジンスミスのテイスティングノート
  • 原料(ドライジン):ジュニパーベリー、コリアンダーシード、カモミールフラワー、エルダーフラワー、エルダーベリー、オレンジピール、レモンピール、シナモン、ガランガル、オリスルート
  • 原料(オールドトムジン):ジュニパーベリー、コリアンダーシード、カルダモン、オールスパイス、レモンピール
  • 香り(ドライジン):花の華やかな香りにスパイスがアクセント
  • 香り(オールドトムジン):樽香やバニラ、レモンなど
  • アルコール度数(ドライジン):47度
  • アルコール度数(オールドトムジン):50度

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おすすめのジン(6)
タンカレー No.10

「タンカレー No.10」は、さまざまな種類のお酒を扱うプロであるバーテンダーから支持を集めているジン。世界で初めて蒸留過程で生のフレッシュフルーツを使用したジンでもあります。「シトラスハート(フレッシュな柑橘のフレーバー)」を特長に持ち、飲みやすく、ジン特有のジュニパーベリーが苦手な人やジン初心者にもおすすめというジンです。

また味がなめらかで、カクテルにしたときに「タンカレー No.10」の場合は柔らかいニュアンスが生まれます。例えばマティーニでも通常の「タンカレー」だと骨太になるところ、この「タンカレー No.10」だと爽やかなマティーニに。

「タンカレー No.10」のテイスティングノート
  • 原料:ジュニパーベリー、コリアンダー、アンジェリカ、カモミール、グレープフルーツ、オレンジ、ライムなど
  • 香り:柑橘系の爽やかな香り
  • アルコール度数:47.3 度

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