[目次]

▼ 肛門のかゆみ――“アナル・イッチング”とは?

▼ 肛門のかゆみの原因は?

 1. 拭きき方が足りない

 2. 過度な拭き取り

 3. 性感染症(STIs)

 4. 皮膚炎(エクゼマ)

 5. 真菌感染症

 6. 洗濯洗剤/

 7. 透湿性のない服

 8. 痔

 9. 便通習慣

 10. 蟯虫(ぎょうちゅう)

 11. 裂肛(切れ痔)

 12. 食べ物

▼ 肛門のかゆみの治療法は?

▼ 肛門のかゆみを防ぐには?

▼ 医師に相談すべきタイミングは?


お尻のかゆみは非常に不快で、同時に恥ずかしさを感じることもあります。それもあって、かゆみを和らげるため座席で身をよじって我慢しようとしてしまった経験もあるはず。ですが、遅かれ早かれ、それが引き起こしている原因を把握するためにはおそらく、医者に相談する必要があるでしょう。

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「実際、Anal itching(アナル・イッチング=肛門のかゆみ)はかなり一般的なものです」と、ニューヨーク大学の医療研究施設「ランゴーンヘルス」のミッチェル・バーンスタイン博士は述べています。

「一部の人々は、実際には寝ている間に掻きむしっています。もちろん、掻きすぎは症状を悪化させるだけです」

医学名ではラテン語の“pruritus ani”として通用している肛門のかゆみを、バージニア州ウッドブリッジの消化器内科のケネス・ジョソヴィッツ博士は、「75%のケースは根本的な医学的に説明できる原因によるものです」と説明しています。

これには感染、肛門疾患、性感染症、または皮膚状態などが含まれるほか、性交後の拭き取りなど、肛門に外傷を負っている可能性があるとのこと。肛門のかゆみは、どんな年齢でも起こる可能性があります。が、特に40歳を過ぎると、それがより頻繁に起こり、悪化する傾向があるとも言います。

これに対処する際には、自然に収まることを待つだけにしている場合も多いでしょうし、たまたまそうなるかもしれません。しかし通常は、それが引き起こしている原因に応じて医者の助けが必要です。以下では、肛門かゆみの潜在的な原因、その治療方法、そして予防のヒント、また本当に医者に相談して症状を和らげる必要があるタイミングに触れていきます。まさに、かゆいところに手が届けば幸いです。

肛門のかゆみ――
“アナル・イッチング”とは?

前述の医学用語「pruritus ani(プルリティス・アニ)」は、実際にはラテン語で「かゆい肛門」を意味します。誰もが一生のうちに一度はお尻がかゆくなることがあるでしょうが、それは男性のほうがなりやすいそうです。

man has pain in the butt
RealPeopleGroup//Getty Images


そして、その症状はかなり明らか。クリーブランドクリニックによれば、肛門ではコントロールできないほどのかゆみがあったり、それを手で掻いてもほとんど救済が得られないでしょう。また、燃えるような感触、刺激、または痛みを感じることもあります。さらには肛門周りに、厚くて皮のようなものができていたりする場合があります。

それには2つのタイプがあります。それは…「一次性肛門掻痒(そうよう)症」と「二次性肛門掻痒症」に分けられます。 一般的と言えるのが「一次性肛門掻痒症」で、これは明らかな原因はないものとされています。「二次性肛門掻痒症」のほうは、痔および肛門裂孔、そして細菌感染などの状態によって引き起こされる可能性があります。

肛門のかゆみの原因は?

医師が説明する、肛門のかゆみを引き起こす要因を紹介しましょう。以下は最も一般的とされるものの数々です:

1. 拭き方が足りない

トイレを使った後、人生でお尻を拭かないことなどほとんどないでしょうが、便を拭き残している可能性があります。これがあなたのお尻をかゆくしているかもしれません。

male reading magazine on toilet
Jordan Siemens//Getty Images

「十分に拭かないと、すでに太陽や空気があまり当たらない場所に残便物が残り、湿度も保持されます」と、ニューヨーク市のベスポーク外科のエヴァン・ゴールドスタイン博士*⁴は説明しながらこう続けます。

「便には細菌がたくさん含まれており、それがどれだけ腐敗するか想像に難くありません。かゆみの症状やそれ以上の症状を引き起こす可能性があります」

もしもあなたの割れ目にウンチが残っているなら、シャワーを浴びてお尻をソープで優しく洗い流してください。

2. 過度な拭き取り

十分な拭き取りは、残便物を取り除くうえで重要です。が、逆に過度に行うべきではありません。過度な拭き取りによっても、肛門のかゆみの原因となります。

これは摩擦の問題であり、ゴールドスタイン博士が説明しています。「拭き取る回数が多いほど、強く拭くほど、使用するトイレットペーパーの目が粗ければ粗いほど摩擦が増えるものです。この摩擦が炎症や微小な裂傷を引き起こし…はい、そうしてお尻がかゆくなる原因となります」

また、トイレットペーパーはもろいため、強くこすれば肛門の皮膚にその破片が挟まったまま残ることがあり、これも刺激になり得ます。拭き取りに普段から苦労している場合は、トイレットペーパーよりも優しいかもしれないウォシュレットを検討してみるといいでしょう。

3. 性感染症(STIs)

カリフォルニア州ビバリーヒルズの医師であるエフサン・アリ博士*⁵によれば、「性感染症…特にヘルペス*⁶や淋病*⁷、クラミジア*⁸などはかゆみを引き起こす可能性があります」ということ。

これらの性感染症は、「特にコンドームを使用せずに肛門性交*⁹をする人々にはかなり一般的です」ともアリ博士は言います。

condom for safe sex and prevent pregnancy concept
thianchai sitthikongsak//Getty Images

これらの性感染症は直腸領域で炎症を引き起こし、それがかゆみを引き起こす可能性もあるそうです。ヘルペスやHPV(ヒトパピローマウイルス)*¹⁰の場合、イボが現れることもあり、これがさらなる灼熱感とかゆみを引き起こす可能性があります。これらの状態はまた、分泌物、陰茎および精巣の痛み、発疹を引き起こす可能性もあります。

「性感染症が原因かもしれない」と思ったら、すぐに検査を受けましょう。医療専門家であればすぐに、その問題を解決してくれるでしょう。ほとんどの場合で症状はおさまり、かゆみを止めることと予想できます。

4. 皮膚炎(エクゼマ)

エクゼマ(Eczema)*¹¹は、非常に持続的なかゆみを伴う赤い鱗(うろこ)状の発疹で特徴づけられる皮膚状態であり、身体のどこにでも発生する可能性があります。

エクゼマの正確な原因は不明ですが、免疫系の過剰な反応に関連しており、アレルギーや喘息によって引き起こされる可能性がわかっています。デルムウェアハウスのアラン・パークス博士*¹²Alan Parks, M.D.,)によれば、この状態は気象の変化や石鹸や洗剤などの家庭用品に触れることなどの外部要因にも起因することがあります。また、ストレスもその要因となり、問題を悪化させる可能性も指摘されています。これは緊張すると、身体は防御反応から交感神経系が活性化し、免疫機能が変化します。そうして炎症が増加することになるからです。

パークス博士は、「皮膚炎による湿疹は通常、ステロイド外用薬*¹³で治療します。それで炎症を抑えれば、かゆみもかなり早く治まる傾向にあります」と指摘します。

5. 真菌感染症

先述のパークス博士によれば、人間の身体には皮膚、消化管、生殖器など、さまざまな部位に真菌*¹⁴は「常在菌叢(じょうざいきんそう)*¹⁵」として存在し、通常は無症状ということ。ですが、場合によっては真菌が過剰に増殖して感染症を引き起こすこともあります。そして、それが最も繁殖しやすい場所は温かく湿った風通しの悪い場所…例えば、「下着の中」ということ。

通常、人間の身体は真菌の侵入に対してうまく戦うことができるものなのですが、病気にかかったばかりだったり、過度のストレスを負っていたり、お尻がたくさんの汗をかいたりする場合、真菌の侵入を防ぎきれず残存する可能性があります。これが肛門周りで湿疹のように、赤みや炎症を引き起こすことがあります。

この場合、医師はおそらく局所または経口の抗真菌薬*¹⁶で改善を図るでしょう。それまでの間は、通気性のいい下着を探して、お尻を乾燥した状態に保つよう心掛けてください。

6. 洗濯洗剤

もしそのかゆみが、背中のかゆみもともなった発疹の場合は、下着を洗うために使用した洗濯洗剤に原因があるかもしれません。

「肌に触れる製品はどれも、その成分に対して自分が過敏症をもっていないかを確認する必要があります」と、ゴールドスタイン博士は言います。

洗濯洗剤に含まれる刺激性の化学物質は、赤い発疹や軽度から重度のかゆみを引き起こす可能性があります。反応は汗で湿った部分、つまりお尻や股間の部分でより重篤になるかもしれません。

そこで香りや染料の入っていない洗濯洗剤に切り替えることで、接触性皮膚炎を予防できる可能性もあります。

7. 透湿性のない服

汗が排出できなければ、結局はお尻が沼地化することになります。まさに、“swamp ass*¹⁷"です。そうして最終的には、お尻がかゆくなる…というわけです。汗がたまると、そこには湿気を好む細菌や真菌が繁殖してしまいます(上記の『5.真菌感染症』の項を参照)。

「これは非常に多因子的な問題ですが、一日中お尻の頬の間に湿気が閉じ込められることになるのですから…」と、ゴールドスタイン博士は指摘します。「さらに古くなったり汚れた下着や服、そのうえ運動や座るといった動作などの日常的な摩擦も加わります。想像してみてください、 これがいかに状況を悪化させるか察することができるはずです」

そして「毛布やシーツに汚れが移らないように夜にシャワーを浴びるか、少なくとも就寝前に下着を交換するといいでしょう」と彼は付け加えます。まずは運動用の服や下着はお尻を汗から守り、かゆみを引き起こす細菌を減少させるものを選ぶと良いでしょう。

8. 痔

かゆみ、痛み、出血は、痔の典型的な症状です。痔とは直腸下部の内側、または肛門のすぐ外側にできる膨れた血管になります。それを医師は「外痔核(いぼ痔)*¹⁸」と言い、これに悩まされている人も少なくないでしょう。

problems with hemorrhoids
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痔は、慢性の便秘や長時間のトイレでの座りっぱなしに関連していると言われています。これによって肛門の血管に、血液がたまりやすくなる可能性が指摘されています。

食物繊維を増やすことで便秘を予防すれば、それによって痔のリスクを減少させることもできるでしょう。また、痔の痛みやかゆみは1日に数回、特に排便直後に10〜15分間温かいお風呂に浸かることで和らげることが可能とも言います。

ゴールドスタイン博士によれば、「Preparation H*¹⁹」や「Calmol-4*²⁰」のような市販の便軟化剤を取り入れることもおすすめしています。「便を柔らかくして排便を楽にしたい場合は、『Colace』のような便軟化剤を導入することもできます」とのこと。

ですが最初に自宅での治療を試してみても、5日ほど経っても改善を感じない場合は、医師の診断を受けることをおすすめしています。医師はより強力な治療法を処方し、他の肛門の問題も取り除いてくれるでしょう。

9. 便通習慣

クリーブランド・クリニックによれば、「排便の頻度や排便の形状によって、肛門の皮膚が炎症を起こしてかゆみを引き起こす可能性もあります」とのこと。

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Eva-Katalin//Getty Images

便秘になると排便時に力んでしまい、それが長期間続くと肛門周りの皮膚が損傷し、かゆみを引き起こすことがあるということ。慢性的な便秘はまた肛門内の圧力を高め、痔や裂肛(れっこう=切れ痔)のリスクを増加させるそうです。

ゴールドスタイン博士は、「局所的な外傷(原因はさまざまです)が出血、痛み、そして―あなたが推測した通り―かゆみの原因になる可能性があります」と述べています。もし慢性的に便秘になっている場合は、「便秘解消におすすめの食べ物」か、「温かいものを飲む」「スクワットをする」「早起きする」「自分の肛門をダムやトラックのように想像する」「肛門付近をマッサージする」などのトリックを試してみてください。

その一方で、逆に下痢がしばらく続いても、肛門の皮膚を刺激する可能性があります。「肛門の組織は、この持続的な外傷に対抗するほど強力でない」とゴールドスタイン博士は述べています。そして下痢が続くと、「微小な裂け目が生じて、それがお尻のかゆみへと負のスパイラルを引き起こします」と続けます。

もし持続的に水分の多い便が続いていた場合、または便通が難しい場合は、医師に相談してください。さらなる治療が必要となる、特定の消化器系の疾患を見つけてくれるかもしれませんので。

10. 蟯虫(ぎょうちゅう)

クリーブランド・クリニックによると、蠕虫(ぜんちゅう)、線虫(せんちゅう)とも呼ばれる蟯虫とは、感染した人々の腸や直腸に生息する小さな白色または淡い灰色の寄生虫です。蟯虫は肛門周りに卵を産みつけるため、これがかゆみや刺激を引き起こす可能性があるとのこと。

怖い話ですが、寄生虫を持っている人が肛門をかいたあと、あなたと接触したとします。そうすると、あなたに感染する可能性があります。卵は消化器系を通って腸内で孵化(うか)し、肛門に移動してさらに多くの卵を産むことになります。ですので、トイレを使用したりお尻に触れた後には、「必ず手を洗うべき」という理由はにはこのことも含まれていることになります。

このように怖い話ばかりしていますが、蟯虫は通常、重篤なかゆみを引き起こす原因にはなりますが、深刻な病気を引き起こすことはないと言われています。ただし、処方薬の抗寄生虫薬で治療する必要があります。

ゴールドスタイン博士によれば、「医師の処方の必要のない市販薬という選択肢もあります」とのことですが、「正確な診断が下され、適切な治療計画を立てるためにも医師の診察は受けるべきです」と言います。

11. 裂肛(切れ痔)

前述の「9. 便通習慣」でも触れている裂肛ですが、これは肛門の穴の縁にある肛門内壁にできる小さな裂け目のこと。クリーブランド・クリニックによれば、「これは排便時の力み、長期間の下痢、肛門性交、肛門の伸展、または肛門に対する物体の挿入などが原因となる可能性があります」*²¹と言います。

お尻のかゆみに加えて裂肛は痛みを引き起こし、便の表面やトイレットペーパーに血が付着したり、肛門に明らかに確認できるほどの裂け目を引き起こします。そして治りかけているほど、かゆみを強烈に引き起こす場合もあります。

old engraved illustration of sitz bath, bathtub
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裂肛を予防するには、まずは便の軟らかさを確保したいところです。また、「Sitz Bath(シッツバス)」*²²に浸かったり、無理な姿勢で力むことを避けたり、肛門領域を潤滑になるよう保つなどに努め、肛門部の外傷や圧迫を減らすことが大切となります。それでも裂孔が生じ、しかもそれがなかなか改善されない場合は、ぜひ医師の診察を受けてください。処方薬や便軟化剤、または食物繊維サプリメントを含む治療を受けべきかもしれませんので。

12. 食べ物

意外かもしれませんが、食べ物や飲み物でお尻をかゆくなることもあります。ハーバード医学大学*²³によれば、「辛い食べ物、カフェイン飲料、炭酸飲料、乳製品、アルコール、柑橘類、トマトなどは肛門を刺激する可能性があるので」ということ。

「全ての人の身体、それに消化器系も含め、人それぞれです。それを理解したうえで、自分にとって腸のトラブルを引き起こすと思われる食べ物および飲み物が確認できたら、それを避けることが重要となります」と、ゴールドスタイン博士は述べています。

これら原因となる食べ物や飲み物を摂取すると、およそ24〜36時間後に肛門のかゆみが始まるかもしれません。その時間こそが、それらが消化管を通るのにかかる時間になります。

肛門のかゆみの治療法は?

「肛門のかゆみの治療は、原因によって異なります」と、ジョソヴィッツ博士は述べています。

doctor showing results to patient in hospital
Portra//Getty Images

「多く場合は肛門の衛生状態を改善し、肛門エリアを涼しく乾燥した状態を保つよう心掛け、そしてゆったりとした通気性のある下着の着用が助けになります」と、加えて説明してくれました。また、「酸化亜鉛*²⁴やヒドロコルチゾン*²⁵を含む軟膏、またはジフェンヒドラミン*²⁶などの抗ヒスタミン剤*²⁷のような市販の薬を試してみることもできます」と補足してくれました。

もしもかゆみが1週間以上続くようであれば、ぜひ医師の診察を受けてください。

肛門のかゆみを防ぐには?

「肛門のかゆみを防ぐ最良の方法と言えることは、肛門の衛生状態を常に良好にしておくことです」と、ジョソヴィッツ博士は述べています。彼はぴったりしたボトムスや刺激の強い石鹸、そして洗剤や香水、さらにトイレで長時間座ることは避けるようすすめています。

また、「裸で寝るか、通気性のある衣類で寝ることもお尻を通気させるのに役立ちます」と、ゴールドスタイン博士は述べています。加えて、シーツも頻繁に交換するといいでしょう。

下着は(運動後にも)毎日新しいものを着用し、毎年ないし劣化が目立ってきた場合には、ぜひ新しいものに投資するようにしてください。さらに通気性のある生地や速乾技術を備えたものを、ぜひ選ぶようにしてください。

医師に相談すべきタイミングは?

自宅での治療やライフスタイルの変更でも肛門のかゆみが改善しない場合には、「医師への相談を急いでください」とジョソヴィッツ博士は強く言います。また、かゆみはなくとも、肛門からの出血、便秘や下痢などの排便習慣の変化、痛み、発疹に気づいた場合なども同様とのこと。

医師は診断によって、それが何から引き起こされたものかを解明し、可能な限り正解となる治療法を導き出してくれるはずです。そうして処方薬や抗生物質、抗真菌薬などで治療に努めてください。また、市販の軟膏などを紹介してくれる場合もあるでしょう。

また医師の診察によって、肛門がんや大腸がんなど深刻な状態も発見してくれる可能性もあるので…。


[執筆陣]

ELIZABETH MILLARD/エリザベス・ミラードは、健康、ウェルネス、フィットネス、および食事に焦点を当てたフリーランスのライターです。

ASHLEY MARTENS/ジャーナリスト。アシュリー・マーテンズは、シカゴを拠点とするウェルネスライターです。健康とウェルネスに関するあらゆることに情熱を注ぎ、人々がより幸せで健康な生活を送るためのトピックについて執筆しています。フィットネス、食事、栄養の基盤を持つアシュリーは、性的健康や旅行のトピックを含むさまざまな分野をカバーしています。アシュリーはまた、NASM認定の個人トレーナーおよびグループです。

ERICA SWEENEY/エリカ・スウィーニーは、主に健康、ウェルネス、およびキャリアに焦点を当てたライターです。彼女は「The New York Times」「HuffPost」「Teen Vogue」「Parade」「Money」「Business Insider」などに執筆しています。

PRATIMA DIBBA MD(医学的レビュアー)/プラティマ・ディッバ博士は、胃腸病学、肝臓病、栄養の分野で研究論文を発表している認定を受けた胃腸病専門医です。現在、彼女はマンハッタンのメディカルオフィスで診療を行っています。

[脚注]

*1: Mitchell Bernstein New York University Langone Healthで大腸直腸外科部門の医師。ニューヨーク地域で初めてロボット手術を提供した結腸直腸外科医の 1 人。

*2:Kenneth Josovitz ヴァージニア州ウッドブリッジにある Gastro Healthの消化器専門医。

*3:Cleveland Clinic オハイオ州クリーブランド市に本部を置く非営利の総合医療センターであり、心臓外科、消化器外科、脳神経外科など多くの分野で世界トップレベルの医療を提供。「メンズヘルス」でもおなじみ。

*4: Evan Goldstein 肛門外科の名医として知られ、ニューヨークのエリート水準の性的健康とウェルネスケアに特化した個人診療所であるBespoke Surgicalの創設者兼CEOでもある。さまざまなセクシュアリティの人々に受け入れられている。

*5: Ehsan Ali患者様に専門的な治療を提供し、ロサゼルスでもトップクラスとして評判のBeverly Hills Concierge Doctorの創設者兼CEO。その中でもアリ博士は、Los Angeles Magazineの投票によるTop Doctor 2018、2019、2020、2021、2022を受賞している。

*6:herpes 単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)または2型(HSV-2)によって引き起こされる感染症で、唇や性器などに水疱や潰瘍などの症状が現れる。日本皮膚科学会のページを参照

*7:gonorrhea 日本語で「淋病」。淋菌と呼ばれる細菌によって引き起こされる性感染症 (STD) で、症状としては排尿時の痛み、膿のような分泌物、性器の痛みなど。場合によっては、淋病が喉や直腸に感染することもある。東京都感染症情報センターのページを参照

*8:chlamydia 日本語で「クラミジア」。クラミジア・トラコマチスという細菌によって引き起こされる性感染症 (STD)で男性は尿道炎、女性では子宮頸管炎などを引き起こす可能性もある。国立感染症研究所のページを参照

*9:anal sex Women's Health JPのページを参照

*10:HPV 日本語で「ヒトパピローマウイルス」。これは性交渉で主に感染するウイルスで、子宮頸がんや尖圭コンジローマなどの病気を引き起こす。性経験のある女性であれば、50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルス。厚生労働省のページを参照

*11:Eczema 日本語で「皮膚炎」「湿疹」とされ、皮膚がかゆみをともなって赤く変色する場合が多い。炎症を起こした一般的な皮膚の状態。通常無害だが、かゆみがひどい場合や感染症を引き起こす場合など治療が必要となる。時事通信「家庭の医学」のページを参照

*12:Alan Parks アラン・パークス医師は、カリフォルニア州サンディエゴを拠点とする皮膚科医。DermWarehouseの創設者であり、一般皮膚科、皮膚癌、美容皮膚科など、幅広い皮膚科疾患の治療を行って20年以上の臨床経験をもつ。

*13:topical steroid creams 「ステロイド外用薬」として、局所用のステロイドクリーム。皮膚の炎症を抑えるために使用される薬の一種で、かゆみ、赤み、腫れを軽減へと導く。主に、湿疹やかぶれ、火傷、虫刺され、アトピー性皮膚炎に使われる。九州大学皮膚科教室のページを参照

*14:fungus 日本語で「真菌」と訳し、キノコ、酵母、カビなど、さまざまな形態で存在する真核生物(細胞核をもっている生物の総称)の一種。人間の身体の真菌は「常在菌」と呼ばれ、通常は無害。皮膚に生息し、脂質を分解します。例えば「白癬菌(はくせんきん)」はそれで、皮膚、爪、髪に生息。水虫、たむし、白癬などの皮膚感染症を引き起こす。大阪府立大学大学院医学研究科のページを参照

*15:常在菌叢 人の体内に常に存在する微生物の集団です。m3.com学会研究会のページを参照

*16:anti-fungal medicine 日本語で「抗真菌薬」。真菌感染症の治療に使用される薬。オンライン医学事典「MSDマニュアル」のページを参照

*17:swamp ass お尻の汗疹(あせも) を意味する俗称。

*18:external hemorrhoids 日本語で「外痔核」または「いぼ痔」。肛門周辺の静脈が腫れてできるもので、排便時のいきみや便秘、妊娠などが原因で起こる。日本大腸肛門病学会のページを参照(注意:強烈と思える画像も含まれる)

*19:Preparation H 痔の治療に使用される薬のブランド。フェニレフリン、ビスマット、亜鉛酸化物などの成分が含まれている。これらの成分は腫れを軽減し、痛みや炎症を抑えるのに役立ちとのこと。Amazonを参照

*20:Calmol-4 痔の治療に使用される坐薬。ココアバターと酸化亜鉛を主成分とする局所保護剤および収れん剤。ココアバターは保護層を形成し、患部を潤滑に。酸化亜鉛は炎症を軽減し、痛みを和らげるよう働く。公式サイトを参照

*21:Cleveland ClinicのAnal Fissures(裂肛)ページを参照

*22:sitz bath 椅子に座っているように尻と腰を沈め、座った姿勢で入浴するミニタイプの浴槽などを指す。お尻の部分にお湯がたまるように浸かることで、痔や出産時の会陰切開術後の疼痛緩和を目的とした座浴用のカタチをしている。Cleveland Clinicのページを参照

*23:Harvard Medical Schoolのページを参照

*24:zinc oxide 日本語で「酸化亜鉛」。白色の粉末状の無機化合物で、化学式は ZnO。 「亜鉛華」や「亜鉛白」とも呼ばれ、医薬品をはじめ日焼け止めや化粧品に使用される。一般的に安全な物質とされているが、吸入したり、目に入ったりすると、刺激を引き起こす可能性もあるとのこと。厚生労働省サイト内の資料pdfを参照

*25:hydrocortisone 「ヒドロコルチゾン」は、炎症やアレルギーを抑えるために使用されるステロイド薬。副腎皮質ホルモンの一種であり、体内で自然に生成される。通常、短期間の使用であれば安全とされるが、長期間の使用となると副作用を引き起こす可能性もある。厚生労働省サイト内の資料pdfを参照

*26:diphenhydramine「ジフェンヒドラミン」は、抗ヒスタミン薬および鎮静薬として使用される薬。ヒスタミン H1 受容体の遮断薬とされる。厚生労働省サイト内の「「抗ヒスタミン薬主薬製剤」のページ抗ヒスタミン薬主薬製剤」のページを参照

*27:antihistamines 日本語で「抗ヒスタミン薬」。アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの働きを阻害することで症状を緩和する薬。ちなみにヒスタミンとは、体内に存在する化学伝達物質。アレルギー症状や炎症、胃酸分泌、睡眠覚醒など、さまざまな生理機能に関与している。

From: Men's Health US