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急な体重増加の一般的な12の原因

睡眠習慣も原因となっている可能性があります。

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low section of man checking weight on scale in gym
Cavan Images//Getty Images

想像してみてください。ここ数カ月間、あなたはジムでもキッチンでも、そしてオフィスでもダイエットに励んできました。自分の望む体重に向かって前進しているのを確認しながら、あなたはワクワクしています。でもある日、体重計にのって経過をチェックしたら、なんと急に体重が増えている――。

こうなると、敗北感を覚えるのも無理もありません。自分が満足できる体重になるために多くの努力をしてきたし、体重が増えるようなことをしたわけでもない。ではなぜ、そんな不意の体重増加が起こるのでしょうか?

体重が多少変動することは珍しくはない

お腹が気になる男性
kuppa_rock//Getty Images

多少体重が増えても、がっかりしないでください。実は体重の変動は、「全く正常なこと」とされています。そう、体重が数キロ増減するのは珍しいことではないということ。夜と朝の体重が同じでないことだってあります。「体重は水分補給、塩分摂取、体液貯留など、さまざまな要因によって1~6ポンド(約0.5~2.7キログラム)も変動する」と言われているのです。

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ですが、一晩で2桁の体重増加が見られる場合は、医師に相談する必要があるかもしれません。

UCLAメディカルセンターの上級臨床栄養士であり、『レシピ フォー サバイバル』の著者でもあるダナ・エリス・ハネス博士(M.P.H.、R.D.)は次のように言います。

「特に、ハロウィーンや大型連休、ホリデーパーティーなどが頻繁に発生するタイミング(12月を起点とする前後2カ月間ほど)は、体重が変動したり、増えたりすることは普通でしょう。しかしそれ以外の時期に体重が増えていて、食生活を変えていない場合は、うっ血性心不全、肝臓病、腎臓病などの基礎疾患の兆候である可能性があるため、注意が必要です」

ここからは、急な体重増加を引き起こす可能性のあるいくつかの事柄を紹介します。

【1】塩分の摂りすぎ

食べ物に塩をかける男性
Photographer, Basak Gurbuz Derman//Getty Images

ナトリウムを摂取すると、身体が水分を保持するようになります。それは、水には重さと体積があるため。なので、数日連続で塩辛い食べ物をたくさん食べると、突然体重が増加する可能性があるのです」と、前出のダナ・エリス・ハネス博士は言います。

レストランの食事などの外食、その中でもファストフードには、自宅でつくるお料理に比べて塩分がより多く含まれている傾向があります。したがって最近、テイクアウトやレストランでの食事で一日を充実させているような場合、それが突然の体重増加の原因となっている可能性はあります。

また、家庭で食べる多くの食品にも、たくさんの塩分が含まれていることも注意する必要があります。パン、サンドイッチ、コールドカット(冷製の調理済み肉)、塩漬け肉は、アメリカ人の場合には食事におけるナトリウムの主な摂取源の一部です。日本人の場合は、しょうゆやみそといった調味料からの摂取が多いとされています。

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【2】カリウムを十分に摂取していない

バナナを持つ手
Wagner Campelo

確かにナトリウムの摂取を制限することは重要ですが、水太りに関して重要な栄養素は、それだけではありません。

ここでカリウムに注目してください。カリウムはナトリウムのカウンターウェイトのようなもの。この2つのミネラルは血圧調節や細胞機能など、さまざまな生理機能において互いに拮抗的に作用し、バランスを調整するとされています。

例えばナトリウムは、細胞周囲の体液を維持するのに役立ち、カリウムは筋肉の働きを助け、血圧を調節することが知られています。この2つは密接に関係しているというわけで、すなわち、どちらかが崩れると水分補給に支障をきたすということになるわけです。

アメリカでは、カリウムの1日当たりの推奨摂取量は確立されていないようですが、「19歳以上の男性の1日の目標摂取量は3400ミリグラムが適切である」と専門家は示唆しています。

日本では、厚生労働省によると“生活習慣病の予防を目的とした成人1人1日当たりのカリウム摂取の目標量”は、男性の場合3000ミリグラムとされています。

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【3】新しい薬を服用している

薬を出すところ
Trevor Williams//Getty Images

体重増加を引き起こす可能性のある薬は、たくさんあります。実際、肥満症例の最大15%は薬物療法が原因となっている可能性があるのです」と、クリーブランド・クリニックの肥満・代謝研究所の肥満医学部長W・スコット・ブッチ医学博士は言います。

W・スコット・ブッチ医学博士氏によると、うつ病の治療薬(SSRIを含む)と心臓病の治療薬(ベータ遮断薬)も原因として考えられるとのこと。なぜなら、処方された睡眠補助薬、鎮痛剤、さらにはアレルギーをブロックする抗ヒスタミン薬の一部に体重の増加を引き起こす可能性があるのだとか…。

「ステロイドやテストステロンを高める薬やサプリメントもそのリストに加えるべきです」と、チェスキン氏は言います。「これらの薬はホルモンに作用するため、急激な体重増加を引き起こす可能性があります。これにはOTC(Over The Counter=カウンター越しに薬を販売することや、インターネット注文によるサプリメントも含まれます」と、同氏は付け加えます。

体重増加が気になる場合は、薬を処方した医師に相談して、継続使用が必要かどうか? または、「調整が必要かどうか?」を判断してください。そして、あなたが服用しているのがOTCまたはオンラインサプリメントであり、それを服用していることを主治医にまだ伝えていない場合は、おそらくそうする時期が来ているという知らせでしょう。

【4】利尿剤の服用

薬を飲もうとしている男性
Westend61//Getty Images

ダナ・エリス・ハネス博士が指摘しているように、医学的理由で利尿薬を服用していて、その後、薬を変更したり服用を中止したりすると、体液量が増加する可能性があります。

「ほとんどの場合、これは本当の体重ではありません。本当の体重増加は、食事の変化や運動パターンの変化、そして代謝率の変化(甲状腺機能不全)などに関連するものです」と、博士は言います。

もちろん、最近になって利尿薬を中止したり利尿薬の服用量を変更したりした場合は、上述のことがあなたに起こっているかどうか? を確認するために、医師に相談することをおすすめします。

【5】思っている以上に食べている

テーブルの上に並ぶ食事
Gulcin Ragiboglu

これは当たり前のことのように思えるかもしれません。ですが、多くの人は食べることで、どれほど早く身体に影響を受けるのかを理解していません。「1~2カ月間一貫してカロリー量を増やし続けていれば、体重が5~10ポンド(約2.27~4.54キログラム)増加する可能性もあります」と、チェスキン氏は言います。

これらの変化は自分では気づかないほど微妙なものであることを、自身で認識することが重要です。もしかしたら、毎週ハッピーアワーを楽しんでいるうちに、あるいは新しく大きいお皿やボウル(丼ぶり)などを買ったために、食べる量が増えてしまったのかもしれません。

チェスキン氏いわく、「1週間に500カロリー増やすだけでも、時間の経過とともに体重が増加する可能性があります」とのこと。ダイエット日記をつけたり、カロリー計算アプリを使用したり、原因になりそうな食生活をやめたりして、体重が変化しているかどうか? を確認してください。

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【6】高炭水化物ダイエットに切り替えた

白米
Izumi T//Getty Images

ケトジェニック ダイエットのような極端に低炭水化物の食事療法を終わりにして、次により多くの穀物やでんぷんを含む食事療法へと移行すると、すぐにその違いに気づくでしょう。

それは、炭水化物が筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられるからです。グリコーゲン1グラムには約3グラムの水分が含まれており、パスタ1皿分でも組織内に余分な水分を蓄えることになると思ってください。

ただ炭水化物は、運動(グリコーゲンは運動エネルギーの強力な供給源です)と一般的な健康(食物繊維は炭水化物の一種です)の両方の観点からも重要な成分であることは理解しておきましょう。

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【7】直近で痩せた

体重計に乗る男性
EVOK/M.Poehlman//Getty Images

減った体重が、そのまま維持できれるようであれば本当にいいです。ですが、多くの場合その逆となります。

「私たちの体重と体脂肪は身体のシステムによって厳しく規制されており、通常はバランスを維持するように機能しています」と、W・スコット・ブッチ医学博士は言います。

「これを言い換えれば、たとえ減量習慣を続けていたとしても、体重を落とすことができた体重は元に戻る可能性が高くなるわけです」と、彼は付け加えます。

したがって最近体重を落とした場合は、どれだけ食べたり運動したりしても、元に戻る可能性が非常に高くなることも理解しておきましょうですが、問題ありません。これは健康面では、正常のことと言えます。

【8】最近、禁煙した

折れたたばこ
Glasshouse Images//Getty Images

喫煙には食欲を抑制する作用があることがわかっています。なので、禁煙すると食べる量が増え、体重が増加する可能性があります。ただし、あまり心配する必要はないかもしれません。

2019年のJAMA Network(米国医師会が発行する生物医科学のあらゆる側面をカバーする月刊のオープンアクセス医学雑誌)の調査によると、禁煙後に体重が増加するケースでは、「大幅な増加はない」という結果が出ています。

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【9】内分泌疾患を患っている

体調不良の男性
SCIENCE PHOTO LIBRARY//Getty Images

アメリカ国立衛生研究所にの発表によると、「成人のおよそ5人に1人が、甲状腺機能低下症を患っている」ということ。「甲状腺機能低下症は女性によく見られますが、男性でも甲状腺機能低下症を経験する人は多く、突然の大幅な体重増加を引き起こす可能性があります」と、チェスキン氏は言います。

また、「それほど典型的ではありませんが、他のホルモン疾患であるクッシング症候群なども体重増加を引き起こす可能性があります。これらの内分泌疾患のいずれかを患っている場合、恐らく体重の増加だけが身体に起こるわけではないでしょう」と、彼は付け加えます。

またメイヨークリニック(アメリカ合衆国ミネソタ州ロチェスター市に本部を置く総合病院)のアドバイスとしては、「疲労、衰弱、頭痛、思考の問題、憂鬱や過敏症は、これらに起因するホルモン障害の兆候の可能性もある」ということです。

【10】別の慢性疾患がある

お腹が出ている男性
Liudmila Chernetska//Getty Images

突然体重が増加したときには、内分泌系の不適切な機能に加えて、他の慢性疾患や病気が原因である可能性があります。「数日おきに(あるいは毎日でも)1~2ポンド(約0.45~0.9キログラム)体重が増えていることに気づいたら、できるだけ早く医師の診察を受けてください」と、エリス・ハンネス氏は言います。

「これは恐らく体液による体重増加であり、腎臓の機能が低下している可能性もあります」とも付け加えます。

つまり、「身体から十分な水分が放出されていない」と考えられるのです。「これは腎臓が機能不全に陥っているか、肝臓疾患を患っており可能性を考えたほうがいいでしょう。それによって液体が細胞外空間に漏れ出ていることが原因とも考えられます」とエリス・ハンネス氏は言います。これは場所や症状の現れ方に応じて、「サードスペース」「浮腫」「腹水」などと呼ばれます。

【11】寝ていない

あくびをする男性
DjelicS//Getty Images

『JAMA Internal Medicine』誌に掲載された2022年の研究によると、「睡眠時間が短い人は食べる量が増え、高カロリーの食べ物を欲しがる可能性が高い」ということ。したがって出産など、睡眠を妨げるようなライフスタイルの変化があった場合には、数ポンド太る可能性があることが考えられます。

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【12】心不全の初期段階

胸をおさえる男性
Sonja Rachbauer//Getty Images

アメリカ心臓協会が発表した資料によると、「突然の体重増加は心不全の初期症状」という可能性もあります。24時間以内に2~3ポンド(約0.9~1.36キログラム)を超える体重増加は、身体に水分が溜まっているサインかもしれません。これは心臓が正常に機能していないときに起こることが知られています。

「体重増加が心臓に関連している可能性があるかどうか?」を判断するいい方法は、下肢の腫れの増加です。この体液は足首、下肢、足にたまることがよくあります。心拍数の上昇、息切れ、混乱などの他の症状も、同様に発生する場合があります。

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急に体重が増加したら、いつ医師に相談すべきか?

相談を受ける医師
Morsa Images//Getty Images

ひと晩で体重増加が二桁に達したり、他の症状と重なったり、毎日ゆっくりと体重が増えたりしている場合は、できるだけ早く医師の診察を受けましょう。

体重に多少の変動があるだけの場合は、病院を受診する必要はないかもしれません。ですが、次回受診する機会があったときには、医師に相談してください。そこで自分が正常であることを確認するのもメンタルヘルス的にいい結果に導いてくれるでしょう。

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Translation / Kotaro Tsuji
Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です

From: Men's Health US
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