3月下旬、NASAは初の全員女性での船外活動を行い、新たな歴史を築くことを宣言していました。

 宇宙飛行士のアン・マクレーン氏と工学者のクリスティーナ・コック氏は、2019年3月29日(金)に船外活動に参加する予定だったのです。が、ミッション計画の途中、宇宙ステーションの乗組員は、ある問題に直面したわけです。それは…、ISSには女性に適切なサイズの宇宙服が一着しかなかったのです。

 その1週間前、マクレーンさんが初の船外活動を行ったとき、彼女はラージスーツを着用していました。ですが、「宇宙服が大きすぎたため、コントロールが困難となった」という報告がなされていたのです。

 そしてその翌週、彼女の2回目の船外活動では、ミディアムスーツを使用すると決めていました。ところが、コックさんも同じミディアムスーツを着用する予定だったのですが…。前述したとおり、ISSには使用可能なミディアムスーツは1つしかなかった…というわけなのです…。

 厳密に言えば、実際にはISSは2つのミディアムスーツを所有しています。しかし、真空空間に適応しているのはひとつだけ…。

 その2つ目のスーツを、金曜日までに多くの人の手をかけて着用可能に開発し直すか、今回の船外活動はマクレーン氏ではなく、男性宇宙飛行士・ニック・ヘイグ氏と交代するべきか?の判断を迫られたNASAは、結局は後者を選択したのでした…。

 「人を交代させるだけの選択肢があるのであれば、歴史的な出来事よりもミッションの遂行のほうが重要なことです」と、NASAの広報担当者は『ニューヨーク・タイムズ』誌に話しています。

 NASAとしては、初の全員女性での船外活動にこれだけの時間がかかっていることは恥ずかしいことかもしれません。NASAの任務可能な宇宙飛行士の名簿リストには、12人の女性宇宙飛行士の名が記されていますが、まだ、一度に複数の女性を宇宙へと連れていくことは不可能であるのか、もしくは望んでいないのかどちらかと思えます…。ISSに女性が2人いたのは、2010年が最後でした。近年、ISSの乗組員にはほとんど女性はいません。

 今回のこの計画の失敗により、今後の女性宇宙飛行士の活躍への世界が持つ関心度が高まっているのは確かなことでしょう。今回未遂では終わってしまいましたが、今後NASAは初の女性のみでの船外活動を行う機会を、また設けることはあるのでしょうか? ぜひとも実施してもらいたいものです。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
A Spacewalk Outside The International Space Station on This Week @NASA – March 22, 2019
A Spacewalk Outside The International Space Station on This Week @NASA – March 22, 2019 thumnail
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From POPULAR MECHANICS
Translation / Esquire Digital
※この翻訳は抄訳です。